二は(時友・羽丹羽)

 腕が痒い! ぼりぼりと引っ掻いていると、羽丹羽くんに「だめですよ」と制されてしまう。だって、痒いんだもの。ぼくはむずむずとする腕をぶんぶん振った。
「医務室に行きましょう、虫刺されの薬があるかもしれません」
 それは名案だ。羽丹羽くんは医務室までついてきてくれた。二人で「失礼します」と声をかける。
「なんだ、お前らか」
 中から出てきたのは左近だった。保健委員の当番だったらしい。
 眉を顰めながら虫刺されの薬を出してくれた左近は、「お前らでよかった」と言った。
「なぜ?」
「一人でいる時にあの人が来ると、恐ろしいから」
「恐ろしい人?」
「……雑渡昆奈門さん」
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