その他
鍛練を欠かさないのは、身体にかけた努力はかならず実を結ぶことを知っているからだ。
一年生の頃から考えれば、手足も背も見違えるほど大きく伸びたし、力こぶなんか隆々だ。
「オイ、文次! また池にいたのか、全身びしょ濡れで、まるで濡れネズミじゃないか!」
「なんだと留! 貴様だってアヒルさんボートを持って、まるで雛だな!」
憎まれ口を叩きあうのは、犬猿の仲の文次郎だ。声を掛け合ったものの慣れ合うつもりはなく、俺は修補、彼は鍛錬、それぞれの時間を有効的に使う。
「あ、そうだ、留」
「なんだ」
「近くの村に、温泉が出たんだ。汗を流すのに、どうだ、付き合わねえか」
「ほう、お前が俺を誘うとは、こりゃ雨が降るな」
「それもまた一興」
俺たちは連れ立って、その温泉に向かった。道中、お婆さんの荷物を運んだり、さっと出来る修補を手伝ったりと時間を食ったが、温泉につく頃にはちょうど疲労が溜まっていた。
湯は少し熱めだった。俺たちは深々と息を吐きながら肩まで浸かった。心身がほぐれていくのがわかる。
「はぁあ~……」
「極楽、極楽……」
手拭いを頭に乗っけて、アヒルさんを浮かべて。俺たちは芯から温まり、疲れを癒した。
鍛練、鍛練、明日も鍛練。流す汗もなんのその、俺たちはどこまでも強くなる。
けれどまあ、たまにはこんな日があったっていい。帰り道はやっぱり雨だったが、俺たちはほかほかとした身体で、陽気に長屋に帰り、皆に羨ましがられた。
一年生の頃から考えれば、手足も背も見違えるほど大きく伸びたし、力こぶなんか隆々だ。
「オイ、文次! また池にいたのか、全身びしょ濡れで、まるで濡れネズミじゃないか!」
「なんだと留! 貴様だってアヒルさんボートを持って、まるで雛だな!」
憎まれ口を叩きあうのは、犬猿の仲の文次郎だ。声を掛け合ったものの慣れ合うつもりはなく、俺は修補、彼は鍛錬、それぞれの時間を有効的に使う。
「あ、そうだ、留」
「なんだ」
「近くの村に、温泉が出たんだ。汗を流すのに、どうだ、付き合わねえか」
「ほう、お前が俺を誘うとは、こりゃ雨が降るな」
「それもまた一興」
俺たちは連れ立って、その温泉に向かった。道中、お婆さんの荷物を運んだり、さっと出来る修補を手伝ったりと時間を食ったが、温泉につく頃にはちょうど疲労が溜まっていた。
湯は少し熱めだった。俺たちは深々と息を吐きながら肩まで浸かった。心身がほぐれていくのがわかる。
「はぁあ~……」
「極楽、極楽……」
手拭いを頭に乗っけて、アヒルさんを浮かべて。俺たちは芯から温まり、疲れを癒した。
鍛練、鍛練、明日も鍛練。流す汗もなんのその、俺たちはどこまでも強くなる。
けれどまあ、たまにはこんな日があったっていい。帰り道はやっぱり雨だったが、俺たちはほかほかとした身体で、陽気に長屋に帰り、皆に羨ましがられた。