二は(時友・羽丹羽)

 あたたかな陽射し、うららかな昼下がり。
 草の匂いに包まれて、ぼくは寝返りをうつ。
 しあわせな夢を見ていた気がする。きみが出てくる夢なんだ。
 ぽかぽかと陽だまりの中でまどろむ休日ほど、心が休まるものはない。うっとりと惰眠を貪っていると、顔に影が落ちる。
「起きてください、時友くん」
 鈴を転がす様な声が降ってきた。うう、ぼくはもう少し寝ていたい。お日様も翳ってきて、まだまだ寝るのにうってつけの時間は続く。
「ふふふ。お眠さんですね」
 ああ、この声だ。夢に出てきたのは、この声だ。
 羽丹羽くん。ぼくの大切なお友達。
「時友くん。今日の夕飯は、カレーですって。早く起きて、支度を手伝いましょう」
「ええっ、カレー?」
 ぼくはばっと起き上がる。寝すぎて頭がくらくらしたけれど、羽丹羽くんが背中を支えてくれた。見上げれば、綺麗な夕焼けが広がっていた。
「いっぱい眠れたようですね」
「うん、ぐっすりと眠れたよ。絶好のお昼寝日和だった」
 次にお昼寝する時は、羽丹羽くんを誘おう。一緒の夢が見られるかもしれない。花畑で眠ったら、お花にまみれた夢を見られるだろうか。
 楽しみだなあ。羽丹羽くんはぼくの考えを見透かしているのか、ふふふと笑ってくれた。
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