その他

 最近、ちゃんとごめんなさいを言えるようになってきたと思う。
 挨拶って大事だ。おはようも、おやすみも、ありがとうも、ごめんなさいも。それを言うだけで、目の前の相手と仲良くなれるのだから。
 今日もいつもと同じく、朝がやって来た。みんなにおはようを言って、忍者装束を身に纏う。昨日の実技の授業でついた傷がかさぶたになっている。
 いつか立派な忍者になるために、毎日をこつこつと重ねていくこと。ぼくが今できることは、しっかりとご飯を食べること、夜にぐっすり眠ること。大切な日々を、大切に過ごそう、と意識している。優秀ない組であり続けるために、努力も怠らない。
 生物委員の日課として、朝の餌やりにやってきた。毒虫たちに餌をやりながら、どうか長生きしてね、と呟く。
 どうかずっとこの世界を、愛していてね。
 命の重さ、尊さを、生物委員になってから、そして忍者を目指すようになってから、ひしひしと感じるようになった。命ってあっけない。虫たちも、死んだあとは空っぽになる。人間も、あっけないのだろうな、と思う。
 空っぽにならないために、まずは、毎日を愛すこと。これから出会う人々に、あなたに出会うために生まれてきたんだよ、と伝えていくこと。そういった小さなことをやっていこうと思う。
 まずは挨拶から。おはよう、おやすみなさい。ありがとう、ごめんなさい。
 一通り餌をやり終わってから、食堂に向かった。おばちゃんにも、ちゃんと言うんだ。おはようございます、ありがとうございます。
 朝ごはんをたべたら、しあわせな気持ちを噛みしめようと思う。しあわせでいようと思う。
 しあわせで溢れているこの世界を、愛していたいと願う。
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