その他

 諸君。私は自由である。
 奔放という意味ではない。あらゆるしがらみを、努力と天性のカリスマ性で乗り越えてきたという意味だ。
 私の前に立ちはだかる壁など、このスーパースターの手に掛かれば、やすやすと登ってみせよう。
 たとえ指先が欠けようと、爪が剥がれようと、懸命に向き合っていれば、いつか壁は登れるものだ。どれほど時間がかかろうとも、自分の努力だけは絶対に自分を裏切らない。この私が証拠だ!
 目指すはどこか。そんなもの、一番星でないと意味がない。一番高い山の頂上で、必ずや星を掴んで見せよう。
 しかし、目に見えない形の星もある。
 愛だ。
 愛にも種類がある。家族や友人に向ける愛、動物や植物に向ける愛。羨望や憎悪を孕んだ愛。
 私は愛に溢れている!
 全ての人類から慕われているし、憧れの的であろう。そうなれば振る舞いも、自ずとスーパースターの所作になってしまうというものだ。
 しかし、問題がひとつある。
 私は、いったい誰を愛せばいいのだろうか。
 家族も、先生方も、先輩も後輩も同級生も、それぞれ愛してはいるが。この両手を目いっぱい広げて抱きしめたい相手は、将来現れるだろうか?
 きっと現れるだろう。なんていっても、私は自由なのだから。
 古いものを新しく作り直して、よりよいものを、あったらよいと思うものを作り上げていくように、私は愛をつくりあげていきたい。
 私の涙など、きっと誰も見たくないだろう。楽しそうだ、と思われれば本望だ。
 自由だ。諸君、私は自由である。
 この人生は、夢だらけなのだ。手に入れる全てを、愛していけますように。
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