二は(時友・羽丹羽)

 ディズニーランドで遊んでいると、キャラクターたちが歩いて出てきたところに出くわした。羽丹羽くんは絶対に名前で呼ばずに指を指す。
「見てください時友くん、クマですよ!」
「プーさんだよお」
「下履いてませんよ!」
「そういうことを大声で言っちゃいけないよお」
 羽丹羽くんはキラキラと目を輝かせ、ぼくの手を取る。はやくはやく、と興奮する彼に、走っちゃダメだよ、と声をかける。
「アヒルのとこ行きましょう!」
「ドナルドだよお」
 キャラクターと触れ合うことを、グリーティングと言うらしい。ぼくらはドナルドにたっぷり遊んでもらって、満足してその場を離れた。
「ミッキーとも会いたいねえ」
「時友くん。ミッキーさんですよ。さんをつけてください。敬意を払わないと」
「ええ……なんでえ……」
 なんでそこは律儀なの……? それでもぼくは羽丹羽くんの手を握って、パークを歩いた。
 ぴょんぴょんと飛び跳ねる羽丹羽くんが嬉しそうで、なによりだ。
18/26ページ
スキ