その他

 ぴきっと言った後いたくなる、足の裏の気まぐれさ。
 私服で街を歩いている時だったからまだよかった。忍務の時の、木々を飛び交っている時でなくて。空中でぴきっとでもなったら、なかなかに悲惨だ。
「どうした?」
「土踏まずが痛い」
「どこか休憩する?」
「大丈夫」
 兵助が心配そうにこちらを見るが、俺は首を振った。兵助おすすめの田楽豆腐屋さんを目指しているのだから、途中で休憩なんてもったいないことはしたくない。
「道端で揉んでみようか」
「平気だって」
 その場でぴょんと飛んで見せたが、その瞬間、反対の足の土踏まずもぴきっと言ったもんだから、俺は蹲ってしまった。兵助が「あーあー」と心配そうな声を出す。
「豆腐塗ったら?」
「そんな湿布みたいに……」
 残念ながら、豆腐にそんな効果はない。
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