二は(時友・羽丹羽)
羽丹羽くんが、怪我をした小鳥を拾ってきた。
生物委員会委員長代理の竹谷八左ヱ門先輩に診てもらうと、どうやら翼を折ってしまっていたらしい。応急処置をしてもらって、小さな箱に布を敷いた。簡易的なお布団だ。僕らの部屋にお布団が増える。
「かわいそうです」
羽丹羽くんは優しい。ずっと小鳥に寄り添っている。
「たくさん飛びすぎて、疲れてしまったのでしょうか」
僕は自分の腕を見た。いつか七松小平太先輩みたいに、むきむきになれるだろうか。
「あのね。羽丹羽くん」
羽丹羽くんはしょんぼりした顔でぼくを見る。ひどいことをいうけれど、どうか最後まで聞いてほしい。
「いちど壊れるのも、悪くないよ」
「……え?」
「骨はね、折れると、そのぶん丈夫になるんだ。それに、その小鳥は、危ない場所をもう覚えたから、これから近付かなくなるし」
「……な、るほど?」
「壊れたものは、なおせばいいんだなあ。食満先輩も、いつも修補をしているよ」
小鳥がピチチと鳴いた。きっと小鳥も治る気まんまんのはずだ。あとは羽丹羽くんが笑顔になるだけ。
「……僕が壊れても、その時は、時友くんがなおしてくれますか?」
「当たり前だよお!」
だから、僕が壊れた時は、羽丹羽くんがなおしてね。指切りをして、小鳥を見る。きっとすぐに元気になるよ。大空を飛び回って、素敵に囀ることだろう。僕らの朝を彩って、壊れないように見守っててくれるはずだ。
羽丹羽くんは小鳥に「おやすみなさい」と呟いた。小鳥はピチチと返した。僕も「おやすみ」と言った。夜の訪れ。小鳥も夢を見るだろうか。壊れていない世界の夢を。
生物委員会委員長代理の竹谷八左ヱ門先輩に診てもらうと、どうやら翼を折ってしまっていたらしい。応急処置をしてもらって、小さな箱に布を敷いた。簡易的なお布団だ。僕らの部屋にお布団が増える。
「かわいそうです」
羽丹羽くんは優しい。ずっと小鳥に寄り添っている。
「たくさん飛びすぎて、疲れてしまったのでしょうか」
僕は自分の腕を見た。いつか七松小平太先輩みたいに、むきむきになれるだろうか。
「あのね。羽丹羽くん」
羽丹羽くんはしょんぼりした顔でぼくを見る。ひどいことをいうけれど、どうか最後まで聞いてほしい。
「いちど壊れるのも、悪くないよ」
「……え?」
「骨はね、折れると、そのぶん丈夫になるんだ。それに、その小鳥は、危ない場所をもう覚えたから、これから近付かなくなるし」
「……な、るほど?」
「壊れたものは、なおせばいいんだなあ。食満先輩も、いつも修補をしているよ」
小鳥がピチチと鳴いた。きっと小鳥も治る気まんまんのはずだ。あとは羽丹羽くんが笑顔になるだけ。
「……僕が壊れても、その時は、時友くんがなおしてくれますか?」
「当たり前だよお!」
だから、僕が壊れた時は、羽丹羽くんがなおしてね。指切りをして、小鳥を見る。きっとすぐに元気になるよ。大空を飛び回って、素敵に囀ることだろう。僕らの朝を彩って、壊れないように見守っててくれるはずだ。
羽丹羽くんは小鳥に「おやすみなさい」と呟いた。小鳥はピチチと返した。僕も「おやすみ」と言った。夜の訪れ。小鳥も夢を見るだろうか。壊れていない世界の夢を。