-
蘭
律が家にいねえ。
連絡もつかねえ。 -
三途
ついに愛想尽かされたか、ざまあ。
-
蘭
はあ?律が俺に愛想尽かすわけねえだろうが。
俺にゾッコンなんだぞ、アイツ。 -
竜胆
けど最近、家帰ってなかったよな。
-
蘭
その程度で、アイツが出ていくわけねえ。
-
九井
この間、忘れ物わざわざ届けてくれた律に、冷たい態度とってたな。
-
蘭
勝手に出歩いたあいつが悪い。
-
三途
そうやって、行動制限するくせに、自分はずいぶんと女遊びするんだな。
-
蘭
そういうの承知で、俺と付き合ってたんだから、文句はねえだろうが。
-
竜胆
飯がまずいって言って捨てたらしいじゃん。
-
蘭
まずいもん食わせる方が悪いだろうが。
-
三途
オマエ、よくそれで捨てられないと思えるな。
数え役満じゃねえかよ。 -
九井
俺なら、殺し屋雇ってる。
-
竜胆
兄貴、もう律には関わるなよ。
律も、二度と面見せるなって中指立ててる。 -
蘭
は?律、そこにいんの?
なら、さっさと帰ってこいって言っとけ。
いまなら、許してやるから。 -
三途
いや、だからなんでそんな扱いしといて、上から目線なんだよ。
-
九井
オマエの方こそ、謝るならいまのうちだぞ。
律が見たことないくらい死んだ目で微笑んでる。 -
蘭
知らねー。
俺、悪くねえし。 -
竜胆
律が、「お互い、時間を無駄にしない為に別れましょう。じゃあな、ヤリチン」だって。
-
蘭
上等じゃねえかよ、クソアマ。
後悔しろ。 -
数週間後
-
竜胆
-
竜胆
兄貴と会った?
-
夏明律
会ったというか、襲撃してきた。
-
夏明律
バラの花束持って。
-
竜胆
兄貴から謝ったんだ、珍しい。
-
竜胆
まあ、あの様子じゃ、和解はしてなさそうだけど。
-
夏明律
謝られてないし、謝られてもまた付き合うことはない。
-
夏明律
「これやるから、機嫌なおせー」て言われて、むしろムカついて、花束で顔面ぶっ叩いてしまった。
-
夏明律
文明人として、暴力振るうのはよくなかった。
-
竜胆
そうだな、えらい。
けどさ、兄貴も反省してるから許してやってくれね? -
夏明律
え、竜胆くん。
あの蘭が反省しただけで、変わると思ってるの? -
竜胆
うーん、思わない。
-
夏明律
つまり、そういうこと。
-
竜胆
うん……まあ……うん……。言わんとしてることはわかる。
えっと……せめて、連絡はとれるようにしてやってくれねえかな? -
夏明律
悪いけど、別れた男とやりとりすることはないから。
-
竜胆
俺は別れたつもりねえけど。
-
夏明律
うーわ、蘭だ。
死ね、ドブクソ。
竜胆くんにケータイ返せ、ヤリチン。 -
竜胆
うるせえ、さっさと帰ってこい。
-
夏明律
本当に何様よ、あんた。
-
竜胆
蘭ちゃん様だよ。
-
夏明律
三十路がちゃん付けするな、キモい。
-
竜胆
ヘソ曲げんのも大概にしろよ。
オマエが誰のもんかわかってんのか? -
夏明律
アンタのものじゃないのは確かね。
-
夏明律
なに今更、執着なんて見せてんのよ。
私があれこれするのが鬱陶しかったんでしょ?
なら、お互いお役御免で都合がいいじゃない。 -
竜胆
あのさあ、素直に俺とイチャイチャラブラブしたかったって言えよ。
-
夏明律
そうだね、そう思ってた。
-
竜胆
なら、帰ってこい。
いまなら、いっぱい甘やかしてやるから。 -
夏明律
そんな幻想からはとおに目が覚めてるんだよ!
わかったら、二度と私の人生に関わってくるな、眉毛紫たくあん! -
竜胆
よーし、オマエの覚悟はわかった。
今からオマエを拉致監禁するから、腹くくって待ってろ。 -
夏明律
返討にしてやるわ!
-
数時間後
-
蘭
竜胆、事務所に救急箱あったっけ。
-
竜胆
は?なんで?
-
蘭
拉致りに行ったら、刺されかけた。
-
蘭
仕方ねえから気絶するまでぶん殴ったから、処置できっかな〜、て。
-
竜胆
医者連れてけよ!
-
蘭
えー、だるーい。
タップで続きを読む