一幕『春風の帳』
深い深い、森の中を走っていた。
まるで、何かから逃げるように。いや、"それ"から逃げるために走っていた。
走っても、走っても走っても"それ"は追いかけてくる。
……
あてもなくただ逃げ続けているうちに、気づけば崖に足を踏み入れていた。
"それ"はこちらに歩みを寄せる。
そのたびに私は一歩後ずさる。
一歩ずつ足場が無くなっていく。
これ以上後ずされば落ちるところまで来た時、"それ"は私に手を伸ばした。
「■せ!」
その言葉を皮切りに、私の足元は、脆く崩れた。
まるで、何かから逃げるように。いや、"それ"から逃げるために走っていた。
走っても、走っても走っても"それ"は追いかけてくる。
……
あてもなくただ逃げ続けているうちに、気づけば崖に足を踏み入れていた。
"それ"はこちらに歩みを寄せる。
そのたびに私は一歩後ずさる。
一歩ずつ足場が無くなっていく。
これ以上後ずされば落ちるところまで来た時、"それ"は私に手を伸ばした。
「■せ!」
その言葉を皮切りに、私の足元は、脆く崩れた。