世界観
おおよそ5桁以上はいるであろうこの世界の住民たちは、今日も変わらぬ一日を過ごします。
天使様が管理してくださるこの国の中で、我々は安心して暮らすことができるのです。全ては天使様のおかげなのです。
……まあ、面倒な輩もいるにはいるのですがね。
【天使 】
管理人の通称。2023年現在では13人と記録されている。
各国にそれぞれ一人存在しているが、諸々の理由で一部管理人としての権限を剥奪されている天使もいたりする。
魔法を使用することができ、基本的には固有の魔法が二種類ずつ存在する。
天使は総じて陶器のような造りをした身体を有している。血も流れず腐ることもない。丈夫な作りをしているため滅多に傷はつかないが、重傷を負えば身体にヒビが入ることもある。ついた傷は霊力により長い時間をかけ自然治癒される。しかし触れれば人肌と同じく柔らかな感触がする。どのような構造になっているのかは未だに判明されていない。
また、天使にはある制約がかけられているが、破った際の罰は全くないし守らなくてもいい。ただこれらが守らなければ暴走するリスクが高まってしまうため大抵の天使は制約を守っている。
『天使の制約』
1:天使は如何なる形であれヒトを守護せねばならない。但し、罪人はこれに限らない。
2:天使は如何なるものも殺めてはならない。たとえそれが罪人であっても悪魔であっても、決して殺めてはならない。
3:天使は現世に落ちてはならず、また現世を知りすぎてはならない。
4:天使は如何なるものに対し過度な情を抱いてはならない。
【死人 】
現世での生を全うし、幽世に住んでいるヒトたちの通称。魂のみの存在のため生命活動は必要ないのだが、強い違和感を抱えるため大半の死人は現世と変わらない生活をしている。肉体もなく血も流れないが不思議なことに顔が火照るなどの表情の変化は行われるし、怪我もするし病気にもかかるし死ぬこともある。丸一日寝たらそれがなかったかのように全て元に戻る。
ヒトによって生前の記憶の有無が変わる。生前の記憶が全てないヒトもいれば都合のいい記憶だけ覚えている、なんてヒトもいる。無論全部はっきり覚えているヒトもいる。
外見は死んだ時の年齢で固定され成長はしない。当時よりも若かったり老いたりなどする場合は大概魔法の影響で魂の形が変わっている。
なお、罪人によって魂までもを喰われた場合、回復することなく存在ごと消えてしまう。この世界での死は「存在が喰われる」ことなのだ。
【獣人 】
魂の形は大きく改造されることもある。その死人の魂を別の生物と融合、改造させられた存在が獣人である。見た目は融合された生物との比率に依存されており、獣の耳だけの者もいればほぼ別の生物にまでなっているものもいる。5ノ国・9ノ国に多く暮らしている。
死人よりも本能に忠実。愛玩や奴隷としての需要もあるためか密売人に狙われやすい存在でもある。見た目のせいで大半の死人には見放される始末であるため、ほとんどの獣人は死人を恨んでいる。
獣人はその生物の特性を持つ。鳥であれば空を飛べ、魚であれば水がないと生きていけない。植物であるならば火に近づくことはできないだろう。
尚、融合対象が食物の場合はその食物を自分で食べることもできる(わずかに痛覚はあるため痛みは少しだけ伴う)。根本は死人と変わらないため食べた箇所は寝たら元通りになる。
【異人 】
こちらは魂と生物"以外"が融合、改造させられた存在である。道具、機械といった無機物を魂にねじ込まれた異人の中には一部の感覚がないものもいる。9ノ国に多く暮らしている。
異人は基本的におおらかで友好的な人種が多いが、その見た目から妖怪の類だと恐れられることが多い。
融合された無機物は本人にも使える。灯籠であるならばあかりを灯すことができるし、壺であるならばそこに水を入れることもできる。
【罪人 】
通称"化け物"。霊力と魂を求めて彷徨い続ける存在であり、元々はヒトである。
はじめは罪を犯した者が制裁魔法によって罪人にされていたが、ある時期に制裁魔法を元に造られた薬が蔓延してしまい、今では薬一つで罪なき者すらも罪人にさせられてしまうようになった。現在ではその薬は作られないようになっている。
罪人たちは各国に存在しており、そのどれもがヒトの形をとどめていない化け物として徘徊している。知能はあるが自我はなく、しかし強さは罪人ごとに違う。罪人を倒すと泥となって消滅する。
【悪魔 】
大罪人の通称。罪人の中でも自我を保つことができた珍しい存在。2023年現在では10人存在している。
普段はヒトの形を保ちながら友好的に接してくるが、根本は全て私利私欲で動くものが多くあらゆる手段を尽くして社会に溶け込んでいる。
だが一度は化け物へと成り果てた者たちなので、何もしなければ自我やヒトとしての形を保つことができなくなる。彼らが自我や形を保つためには大量の霊力……最低でもヒト一人分の魂を喰らう必要があるのだ。
【稀人 】
ここまでで幽世に住むものたちを紹介してきたが、中には現世から生きたまま迷い込んでくるものもいる。それが稀人と呼ばれる存在だ。
稀……とはいっているものの、実際は三桁数いるであろう稀人たちは、死の境目にいる者や昏睡・植物状態に陥っている者たちで構成されている。稀人は現世に肉体があるため、生命活動を行わなければ現世の肉体ごと死んでしまうとても繊細な存在である。幽世で死んでしまえばもう生き返ることはできない。死人と違い怪我をすれば血が流れることも特徴の一つだろう。
肉体と魂をつなげる架け橋として、器と呼ばれる装飾品を所持している。器を壊されるだけでも肉体と魂の繋がりが奪われて死んでしまうので、器も守らなければならないのだ。
器を持ってさえいれば誰でも現世の肉体と繋がりを持つことができてしまうため、現世に向かいたいものがその器を狙い稀人を襲うこともこの世界ではよくあることなのだそう。
また、器に限らず稀人自体の霊力ないし魂自体に貴重価値が高いため、金儲けのために稀人を襲うこともあるのだとか。稀人とはとても繊細で狙われやすい存在なのだ。
天使様が管理してくださるこの国の中で、我々は安心して暮らすことができるのです。全ては天使様のおかげなのです。
……まあ、面倒な輩もいるにはいるのですがね。
【
管理人の通称。2023年現在では13人と記録されている。
各国にそれぞれ一人存在しているが、諸々の理由で一部管理人としての権限を剥奪されている天使もいたりする。
魔法を使用することができ、基本的には固有の魔法が二種類ずつ存在する。
天使は総じて陶器のような造りをした身体を有している。血も流れず腐ることもない。丈夫な作りをしているため滅多に傷はつかないが、重傷を負えば身体にヒビが入ることもある。ついた傷は霊力により長い時間をかけ自然治癒される。しかし触れれば人肌と同じく柔らかな感触がする。どのような構造になっているのかは未だに判明されていない。
また、天使にはある制約がかけられているが、破った際の罰は全くないし守らなくてもいい。ただこれらが守らなければ暴走するリスクが高まってしまうため大抵の天使は制約を守っている。
『天使の制約』
1:天使は如何なる形であれヒトを守護せねばならない。但し、罪人はこれに限らない。
2:天使は如何なるものも殺めてはならない。たとえそれが罪人であっても悪魔であっても、決して殺めてはならない。
3:天使は現世に落ちてはならず、また現世を知りすぎてはならない。
4:天使は如何なるものに対し過度な情を抱いてはならない。
【
現世での生を全うし、幽世に住んでいるヒトたちの通称。魂のみの存在のため生命活動は必要ないのだが、強い違和感を抱えるため大半の死人は現世と変わらない生活をしている。肉体もなく血も流れないが不思議なことに顔が火照るなどの表情の変化は行われるし、怪我もするし病気にもかかるし死ぬこともある。丸一日寝たらそれがなかったかのように全て元に戻る。
ヒトによって生前の記憶の有無が変わる。生前の記憶が全てないヒトもいれば都合のいい記憶だけ覚えている、なんてヒトもいる。無論全部はっきり覚えているヒトもいる。
外見は死んだ時の年齢で固定され成長はしない。当時よりも若かったり老いたりなどする場合は大概魔法の影響で魂の形が変わっている。
なお、罪人によって魂までもを喰われた場合、回復することなく存在ごと消えてしまう。この世界での死は「存在が喰われる」ことなのだ。
【
魂の形は大きく改造されることもある。その死人の魂を別の生物と融合、改造させられた存在が獣人である。見た目は融合された生物との比率に依存されており、獣の耳だけの者もいればほぼ別の生物にまでなっているものもいる。5ノ国・9ノ国に多く暮らしている。
死人よりも本能に忠実。愛玩や奴隷としての需要もあるためか密売人に狙われやすい存在でもある。見た目のせいで大半の死人には見放される始末であるため、ほとんどの獣人は死人を恨んでいる。
獣人はその生物の特性を持つ。鳥であれば空を飛べ、魚であれば水がないと生きていけない。植物であるならば火に近づくことはできないだろう。
尚、融合対象が食物の場合はその食物を自分で食べることもできる(わずかに痛覚はあるため痛みは少しだけ伴う)。根本は死人と変わらないため食べた箇所は寝たら元通りになる。
【
こちらは魂と生物"以外"が融合、改造させられた存在である。道具、機械といった無機物を魂にねじ込まれた異人の中には一部の感覚がないものもいる。9ノ国に多く暮らしている。
異人は基本的におおらかで友好的な人種が多いが、その見た目から妖怪の類だと恐れられることが多い。
融合された無機物は本人にも使える。灯籠であるならばあかりを灯すことができるし、壺であるならばそこに水を入れることもできる。
【
通称"化け物"。霊力と魂を求めて彷徨い続ける存在であり、元々はヒトである。
はじめは罪を犯した者が制裁魔法によって罪人にされていたが、ある時期に制裁魔法を元に造られた薬が蔓延してしまい、今では薬一つで罪なき者すらも罪人にさせられてしまうようになった。現在ではその薬は作られないようになっている。
罪人たちは各国に存在しており、そのどれもがヒトの形をとどめていない化け物として徘徊している。知能はあるが自我はなく、しかし強さは罪人ごとに違う。罪人を倒すと泥となって消滅する。
【
大罪人の通称。罪人の中でも自我を保つことができた珍しい存在。2023年現在では10人存在している。
普段はヒトの形を保ちながら友好的に接してくるが、根本は全て私利私欲で動くものが多くあらゆる手段を尽くして社会に溶け込んでいる。
だが一度は化け物へと成り果てた者たちなので、何もしなければ自我やヒトとしての形を保つことができなくなる。彼らが自我や形を保つためには大量の霊力……最低でもヒト一人分の魂を喰らう必要があるのだ。
【
ここまでで幽世に住むものたちを紹介してきたが、中には現世から生きたまま迷い込んでくるものもいる。それが稀人と呼ばれる存在だ。
稀……とはいっているものの、実際は三桁数いるであろう稀人たちは、死の境目にいる者や昏睡・植物状態に陥っている者たちで構成されている。稀人は現世に肉体があるため、生命活動を行わなければ現世の肉体ごと死んでしまうとても繊細な存在である。幽世で死んでしまえばもう生き返ることはできない。死人と違い怪我をすれば血が流れることも特徴の一つだろう。
肉体と魂をつなげる架け橋として、器と呼ばれる装飾品を所持している。器を壊されるだけでも肉体と魂の繋がりが奪われて死んでしまうので、器も守らなければならないのだ。
器を持ってさえいれば誰でも現世の肉体と繋がりを持つことができてしまうため、現世に向かいたいものがその器を狙い稀人を襲うこともこの世界ではよくあることなのだそう。
また、器に限らず稀人自体の霊力ないし魂自体に貴重価値が高いため、金儲けのために稀人を襲うこともあるのだとか。稀人とはとても繊細で狙われやすい存在なのだ。