同級生二人の短いクリスマス
目の前の大きなクリスマスツリーが、イブの夜を照らしている。ほんのりとツリーに降りかかった雪の粒が、まるでシュガーパウダーのようだった。様々な色をしたオーナメントの光がきらきらと輝いて、たくさんの宝石を作りあげている。
「大きなツリーだね!綺麗…!」
「うん…綺麗」
ツリーの中に仕込まれているのか、耳に心地よい音量でクリスマスソングが流れだした。
「この歌知ってる!音楽まで流れるなんてすごい…ね、無一郎くん」
「襧豆子」
相づちが返ってくると思ったら、真面目な声音で名を呼ばれて驚いた。繋いでいた手がいつの間にか離れていて、無一郎くんが向かい合うように立っていた。手にはピンク色の包装紙で包まれた、小さな袋を持っている。
「これ…クリスマスプレゼント」
「…へ?え…私に?」
「この状況で襧豆子以外にいる?」
「い、いません」
「どうせならイルミネーションの前で渡そうと思って。大した物じゃないけど」
「そんなことない!ちょっと待って」
慌てて鞄の中から彼へのプレゼントを取りだす。まさか無一郎くんに貰えるなんて思っていなくて、そして無一郎くんも、私が用意してるなんて思っていなかっただろう。きょとんとする彼の目の前へ、緑色の包装紙でラッピングしたプレゼントを差しだす。
「クリスマスプレゼントです」
「…ありがとう」
「……こちらこそ」
「「…交換」」
二人の声が重なると、二人で笑った。
「大きなツリーだね!綺麗…!」
「うん…綺麗」
ツリーの中に仕込まれているのか、耳に心地よい音量でクリスマスソングが流れだした。
「この歌知ってる!音楽まで流れるなんてすごい…ね、無一郎くん」
「襧豆子」
相づちが返ってくると思ったら、真面目な声音で名を呼ばれて驚いた。繋いでいた手がいつの間にか離れていて、無一郎くんが向かい合うように立っていた。手にはピンク色の包装紙で包まれた、小さな袋を持っている。
「これ…クリスマスプレゼント」
「…へ?え…私に?」
「この状況で襧豆子以外にいる?」
「い、いません」
「どうせならイルミネーションの前で渡そうと思って。大した物じゃないけど」
「そんなことない!ちょっと待って」
慌てて鞄の中から彼へのプレゼントを取りだす。まさか無一郎くんに貰えるなんて思っていなくて、そして無一郎くんも、私が用意してるなんて思っていなかっただろう。きょとんとする彼の目の前へ、緑色の包装紙でラッピングしたプレゼントを差しだす。
「クリスマスプレゼントです」
「…ありがとう」
「……こちらこそ」
「「…交換」」
二人の声が重なると、二人で笑った。