好きな子
「まぁまぁ!とにかく明日は楽しい体育祭!今日はもうすぐ学校おわるしさ、みんなでパフェでも食べに行かない?」
仕切り直すように真菰ちゃんが両手を合わせた。周りをきょろきょろした後、ポケットに忍ばせていたスマホをこっそり取り出す。
「あっ!お前先生に見つかったら没収されるぞ!」
「すぐにしまうよ。みんなこれ見て」
真菰ちゃんが全員に見やすいようスマホを差し出した。画面を見るためと、周りから見えないようにする意味も込め、円陣を組むようにみんなで囲った。
スマホの画面にはおしゃれな店内を背景にした、大きなパフェがひとつ。その隣に小さなパフェが置かれた写真が映っていた。
…ちがう、小さいんじゃなくて、これが普通のサイズの物だとすぐに気づく。
「でかっ!」
「巨大パフェじゃん!」
「見てるだけで胸やけしそうだな」
「可愛い〜!」
「すごいでしょ!駅前のカフェで、今期間限定でやってるんだって!これみんなで食べに行かない?」
パフェの写真をまじまじと見ていると、グラスの底にはギチギチに詰められたシリアル。数種類あるアイスとたっぷりの生クリームは、イチゴソースとチョコレートソースで綺麗に飾りつけられている。
贅沢なほどのフルーツが溢れんばかりに乗せられ、パフェのてっぺんにはウエハースやポッキー。そしてプリンが可愛らしく座っていた。見てるだけで胸が躍る写真に笑みがこぼれる。真菰ちゃんからの素敵なお誘いは、イエスの他になかった。
「行く行く!」
「襧豆子ちゃんは絶対好きだと思った!」
「うん!食べてみたい!」
笑顔の真菰ちゃんと意気投合していると、順にみんなも返答していく。
「僕も行くよ」
「俺も」
「決まり!じゃ終わったら校門前に集合〜!」
「おい!俺の返答は聞かないのか!?」
すぐに錆兎くんが異を唱えるが「錆兎は聞かなくても来るでしょ?」と真菰ちゃんが笑顔で言い切った。何だかんだで付き合いのいい錆兎くんの性格を、さすが真菰ちゃんはよくわかっていた。二人の様子をほほえましく眺めていると、タイミングよく号令がかかる。
「パフェの上のプリンは兄さんにあげてね」
「やめろ」
「わかった。プリンは食べない」
「プリンは有一郎くんのもの」
「よし覚えた。任せとけ」
「便乗するな!」
ぷんすか怒りだす有一郎くんをなだめながら、みんなで集合場所へと駆け出した。
仕切り直すように真菰ちゃんが両手を合わせた。周りをきょろきょろした後、ポケットに忍ばせていたスマホをこっそり取り出す。
「あっ!お前先生に見つかったら没収されるぞ!」
「すぐにしまうよ。みんなこれ見て」
真菰ちゃんが全員に見やすいようスマホを差し出した。画面を見るためと、周りから見えないようにする意味も込め、円陣を組むようにみんなで囲った。
スマホの画面にはおしゃれな店内を背景にした、大きなパフェがひとつ。その隣に小さなパフェが置かれた写真が映っていた。
…ちがう、小さいんじゃなくて、これが普通のサイズの物だとすぐに気づく。
「でかっ!」
「巨大パフェじゃん!」
「見てるだけで胸やけしそうだな」
「可愛い〜!」
「すごいでしょ!駅前のカフェで、今期間限定でやってるんだって!これみんなで食べに行かない?」
パフェの写真をまじまじと見ていると、グラスの底にはギチギチに詰められたシリアル。数種類あるアイスとたっぷりの生クリームは、イチゴソースとチョコレートソースで綺麗に飾りつけられている。
贅沢なほどのフルーツが溢れんばかりに乗せられ、パフェのてっぺんにはウエハースやポッキー。そしてプリンが可愛らしく座っていた。見てるだけで胸が躍る写真に笑みがこぼれる。真菰ちゃんからの素敵なお誘いは、イエスの他になかった。
「行く行く!」
「襧豆子ちゃんは絶対好きだと思った!」
「うん!食べてみたい!」
笑顔の真菰ちゃんと意気投合していると、順にみんなも返答していく。
「僕も行くよ」
「俺も」
「決まり!じゃ終わったら校門前に集合〜!」
「おい!俺の返答は聞かないのか!?」
すぐに錆兎くんが異を唱えるが「錆兎は聞かなくても来るでしょ?」と真菰ちゃんが笑顔で言い切った。何だかんだで付き合いのいい錆兎くんの性格を、さすが真菰ちゃんはよくわかっていた。二人の様子をほほえましく眺めていると、タイミングよく号令がかかる。
「パフェの上のプリンは兄さんにあげてね」
「やめろ」
「わかった。プリンは食べない」
「プリンは有一郎くんのもの」
「よし覚えた。任せとけ」
「便乗するな!」
ぷんすか怒りだす有一郎くんをなだめながら、みんなで集合場所へと駆け出した。