会えない時間

*無一郎side*

艶かしい嬌声と水音が、二人の口から溢れでる。たどたどしく絡めてくる襧豆子の舌が可愛らしくて。それだけで理性なんて吹き飛びそうだった。

「んッ…ぁ…!……ん、はぁ…っ…ンッ…!」
合間合間で空気を吐いたり吸ったりしつつ、それでも自身の舌だけは引っ込めない。本当に理性が飛んでしまう前に、唇を離す。ツーっと銀色の糸が伸びて、ぷつりと切れた。


「ん…今日………やっぱり、えっちしたかった…」
泣きそうな顔でそう囁く襧豆子は、僕がどれだけ我慢してるかなんて、到底理解していないのだろう。真っ赤な顔して瞳を潤ませて、それがどれだけ誘惑しているかなんて。それも理解していないのだろう。

僕だってしたいに決まってる。

そう言ってしまうと、また襧豆子は悪くもないのに自分を責めてしまう。それを危惧して、叫びそうな自分の欲は何とか押しこらえた。

愛らしい丸いおでこにキスを落とす。
驚いた襧豆子がぎゅっと目を閉じるのが見えた。
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