居場所
「旅行!?あの二人が!?」
思わず大声になり身を乗りだした。持っていた箸がぽろりと落ちて音を立てる。宇髄さんも同じように身を乗りだし、楽しそうに続けた。
「そう!あの二人が!」
「犬猿の仲のあの二人が!?」
「そう!犬猿の仲のあの二人が!」
全くもって想像できなかった。不死川さんが一方的に冨岡さんを嫌っていたから、犬猿の仲という言葉は少し語弊があるが。
「意外な…組み合わせですね」
「不死川に聞いたんだけどよ、不死川ん家に輝利哉様が訪ねてきた日があってな。ちょうどその日冨岡も不死川ん家に来てたらしくて、そこで鉢合わせになったんだと」
宇髄さんの話はこうだった。仲が悪いと印象が強かった二人が、鬼殺隊解散後に仲良く過ごしていることに、輝利哉様は大層喜んでいたらしい。
都心の方にある美味しい和菓子屋さんの存在を、土産話にと不死川さんに話していた輝利哉様が…。そこまで聞いたところで、結末はほぼ予想できていた。
「どうせなら二人で行っておいでよ…って言われたんですね」
「当たりだ。で、都心は遠いから…」
「泊まりで行ってきたらいいんじゃないかな」
「当たり…輝利哉様に言われたんじゃ、不死川の奴も行きたくないなんて言えないだろ?」そう言ってまた笑いだす宇髄さんにつられ、僕も想像して笑ってしまった。
「冨岡さんは喜んだんじゃないですか?」
「だろうな。何だかんだあいつら仲良くやってるみたいだし…でも野郎二人で和菓子屋だぜ?わざわざ泊まりで」都心の真ん中で、和菓子屋を探す元柱の二人。赴いたからには、きっと輝利哉様への手土産も買って帰ってくるだろう。平和になった世界で、剣士としてじゃなく友として出かける二人が、おかしくもあり嬉しくも感じた。
思わず大声になり身を乗りだした。持っていた箸がぽろりと落ちて音を立てる。宇髄さんも同じように身を乗りだし、楽しそうに続けた。
「そう!あの二人が!」
「犬猿の仲のあの二人が!?」
「そう!犬猿の仲のあの二人が!」
全くもって想像できなかった。不死川さんが一方的に冨岡さんを嫌っていたから、犬猿の仲という言葉は少し語弊があるが。
「意外な…組み合わせですね」
「不死川に聞いたんだけどよ、不死川ん家に輝利哉様が訪ねてきた日があってな。ちょうどその日冨岡も不死川ん家に来てたらしくて、そこで鉢合わせになったんだと」
宇髄さんの話はこうだった。仲が悪いと印象が強かった二人が、鬼殺隊解散後に仲良く過ごしていることに、輝利哉様は大層喜んでいたらしい。
都心の方にある美味しい和菓子屋さんの存在を、土産話にと不死川さんに話していた輝利哉様が…。そこまで聞いたところで、結末はほぼ予想できていた。
「どうせなら二人で行っておいでよ…って言われたんですね」
「当たりだ。で、都心は遠いから…」
「泊まりで行ってきたらいいんじゃないかな」
「当たり…輝利哉様に言われたんじゃ、不死川の奴も行きたくないなんて言えないだろ?」そう言ってまた笑いだす宇髄さんにつられ、僕も想像して笑ってしまった。
「冨岡さんは喜んだんじゃないですか?」
「だろうな。何だかんだあいつら仲良くやってるみたいだし…でも野郎二人で和菓子屋だぜ?わざわざ泊まりで」都心の真ん中で、和菓子屋を探す元柱の二人。赴いたからには、きっと輝利哉様への手土産も買って帰ってくるだろう。平和になった世界で、剣士としてじゃなく友として出かける二人が、おかしくもあり嬉しくも感じた。