居場所
快く送り出したはいいものの、二週間という期間は思いのほか長い。今日でやっと期間の半分まできたけど、まだあと半分残っているのかと憂鬱な気持ちになる。昼間は家のことをしたり、雛鶴さんたちが様子を見にきてくれたり、蝶屋敷へ遊びに行ったりと気が紛れるが、やはり夜になるとさびしかった。広い家に自分以外の存在を感じない。その事実が、夜になるとより深く身に染みる。
泊まりにおいでとみんな言ってくれたけど、それはありがたくお断りした。無一郎くんの留守中は、私がこの家の一番の主なのだ。彼がいつ帰ってきても大丈夫なように、離れるわけにはいかない。
もう一度隊服を抱きしめる。
女性ばかりの遊郭で、彼が周りからどういう目で見られているのか大体の想像はついている。あらぬ想像を膨らませては振り払い、また膨らませては振り払う。
はやくあの腕の中にいきたい。
はやくあの声で名前を呼ばれたい。
隊服に顔をうずめ、大好きな人の笑顔を思い浮かべる。時間よ止まれと毎日願うのに、今だけは時間よ進めと願った。
泊まりにおいでとみんな言ってくれたけど、それはありがたくお断りした。無一郎くんの留守中は、私がこの家の一番の主なのだ。彼がいつ帰ってきても大丈夫なように、離れるわけにはいかない。
もう一度隊服を抱きしめる。
女性ばかりの遊郭で、彼が周りからどういう目で見られているのか大体の想像はついている。あらぬ想像を膨らませては振り払い、また膨らませては振り払う。
はやくあの腕の中にいきたい。
はやくあの声で名前を呼ばれたい。
隊服に顔をうずめ、大好きな人の笑顔を思い浮かべる。時間よ止まれと毎日願うのに、今だけは時間よ進めと願った。