居場所
無一郎くんが宇髄さんと共に遊郭へ赴いて、もう一週間が経つ。もちろん遊びに行ったわけではない。鬼殺隊の頃お世話になったお店のご主人から、宇髄さんが仕事を持ち掛けられたらしい。
人手が足りないと無一郎くんを誘いに来たとき、彼はひどく嫌がっていた。吉原遊廓という場所もそうだけど、二週間という期間が更に彼を拒否させた。宇髄さんからの説明をものすごく面倒くさそうに聞いてる無一郎くんの隣で、私も一緒に話を聞いていた。
すると、聞き覚えのあるお店の名前が出てきた。
私がお世話になっている仕立て屋は、遊郭のお店からも仕事をいただくことがある。その何件かある内の一つが、まさに今宇髄さんが口にしたお店だった。ここの仕立て屋に頼んだらもう他には頼めないと、うちの仕立て屋をそれはもう大絶賛してくれるお店だと。そういつだったか佳代さんが嬉しそうに語っていた。
『受け渡した品物の中には、襧豆子ちゃんが修繕した着物もあったんだよ』
絶賛してくれた品物の中に、自分が受けもった着物があったというのだ。佳代さんにそう言われた記憶は新しい。
私の話を黙って聞いていた二人が、顔を見合わせた。無一郎くんは気まずそうな表情で、宇髄さんはニッと歯をだして笑った。
『だったら夫としてちゃんと挨拶した方がいいよなぁ!いつも妻がお世話になってますってよ!』
豪快に笑いながら言ってのける宇髄さんに、否定する言葉は無一郎くんから出なかった。
その後に家に訪れてきた、雛鶴さん、まきをさん、須磨さんからは『新婚夫婦なのに!』と気遣いの抗議があがる。
それでも鬼殺隊の頃からずっとお世話になっている宇髄さんの頼みだ。隣に座る無一郎くんの視線を受け、にこりとうなずく。すぐに理解した彼も、しぶしぶうなずいた。
人手が足りないと無一郎くんを誘いに来たとき、彼はひどく嫌がっていた。吉原遊廓という場所もそうだけど、二週間という期間が更に彼を拒否させた。宇髄さんからの説明をものすごく面倒くさそうに聞いてる無一郎くんの隣で、私も一緒に話を聞いていた。
すると、聞き覚えのあるお店の名前が出てきた。
私がお世話になっている仕立て屋は、遊郭のお店からも仕事をいただくことがある。その何件かある内の一つが、まさに今宇髄さんが口にしたお店だった。ここの仕立て屋に頼んだらもう他には頼めないと、うちの仕立て屋をそれはもう大絶賛してくれるお店だと。そういつだったか佳代さんが嬉しそうに語っていた。
『受け渡した品物の中には、襧豆子ちゃんが修繕した着物もあったんだよ』
絶賛してくれた品物の中に、自分が受けもった着物があったというのだ。佳代さんにそう言われた記憶は新しい。
私の話を黙って聞いていた二人が、顔を見合わせた。無一郎くんは気まずそうな表情で、宇髄さんはニッと歯をだして笑った。
『だったら夫としてちゃんと挨拶した方がいいよなぁ!いつも妻がお世話になってますってよ!』
豪快に笑いながら言ってのける宇髄さんに、否定する言葉は無一郎くんから出なかった。
その後に家に訪れてきた、雛鶴さん、まきをさん、須磨さんからは『新婚夫婦なのに!』と気遣いの抗議があがる。
それでも鬼殺隊の頃からずっとお世話になっている宇髄さんの頼みだ。隣に座る無一郎くんの視線を受け、にこりとうなずく。すぐに理解した彼も、しぶしぶうなずいた。