君よ進め
*襧豆子side*
無一郎くんからの手紙が途絶えて、数ヶ月経った。最後に会えたのは、佳代さんを交えて会ったあの日。帰り際に様子がおかしかったのは、絶対に気のせいなんかじゃない。
あれからどうしているのか気になって、もう一度手紙を送ってみたけど、やはり返事は返ってこなかった。
手紙を書けないほどに、体調が悪いのかもしれない。もしくは、私が何か気にさわることをしてしまったのかもしれない。前者にしろ後者にしろ、気が気じゃなかった。
何度か無一郎くんの家も訪ねてみたけど、都合が合わなかったのか、一度も会えていない。蝶屋敷や宇髄さん宅に訪れたときにも、さりげなくみんなに彼のことを聞いてみた。
最近見てないとか、この間どこ何処で見かけたとか、明確な彼の近況は聞けなかった。宇髄さんだけは何だか難しい顔をしていたけど、詳しいことは知らない状況下にいた。
『また会おう』
彼はいつも手紙の最後に添えてくれる。
私も彼への手紙には、必ず最後に同じ言葉をしたためた。
彼と疎遠になりたくなかった。
終わらせたくなかった。
そう思っていたのは、私だけだったのかもしれない。何度も読み返した手紙は、端々がよれてしまっていた。手紙の中で私を呼ぶ無一郎くんの字が、ただ切なく胸を震わせる。
無一郎くんからの手紙が途絶えて、数ヶ月経った。最後に会えたのは、佳代さんを交えて会ったあの日。帰り際に様子がおかしかったのは、絶対に気のせいなんかじゃない。
あれからどうしているのか気になって、もう一度手紙を送ってみたけど、やはり返事は返ってこなかった。
手紙を書けないほどに、体調が悪いのかもしれない。もしくは、私が何か気にさわることをしてしまったのかもしれない。前者にしろ後者にしろ、気が気じゃなかった。
何度か無一郎くんの家も訪ねてみたけど、都合が合わなかったのか、一度も会えていない。蝶屋敷や宇髄さん宅に訪れたときにも、さりげなくみんなに彼のことを聞いてみた。
最近見てないとか、この間どこ何処で見かけたとか、明確な彼の近況は聞けなかった。宇髄さんだけは何だか難しい顔をしていたけど、詳しいことは知らない状況下にいた。
『また会おう』
彼はいつも手紙の最後に添えてくれる。
私も彼への手紙には、必ず最後に同じ言葉をしたためた。
彼と疎遠になりたくなかった。
終わらせたくなかった。
そう思っていたのは、私だけだったのかもしれない。何度も読み返した手紙は、端々がよれてしまっていた。手紙の中で私を呼ぶ無一郎くんの字が、ただ切なく胸を震わせる。