想いの行く末

***

襧豆子と炭治郎からの手紙が、今日も届いた。今日こそは返事を書こうと筆を握るも、筆を手にした途端に指が動かなくなる。

真っ白い紙の上にぽつりとインクが落ちて、黒い染みが滲んでいった。


少しずつたまる手紙と、白紙のままの手紙。

数ヶ月の時が経った今でも、僕はまだ返事が書けずにいる───。
14/15ページ
スキ