織田作/悲恋
とどかなかったことば
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わたしたちは、一般的にいう【腐れ縁】という関係なんだろう。
幼いころから隣にはずっと彼がいた。
感情を表に出すこともないし、決して口数が多い人ではないけれど、
助けてほしいときはそっと守ってくれる。
そんな彼にわたしはずっと守られてきた。
・・・いや、正しくはそんな彼の不器用な優しさに甘えてきたんだと思う。
こういう言い方をしたら、彼はわたしを守ってくれる。
こういう態度を取ったら、彼はわたしを心配してくれる。
こういう話をしたら・・・
ぜんぶ、彼の反応を計算してのこと。
わたしの手のひらの上で、
彼はころころとわたしの誘導通りに転がる。
そんな彼の瞳に私以外を映したくなかった。