MAD TRIGGER CREW
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。*゚+──なつめくShape up!
「……ごちそうさまでした」
「む。どうした、るあき?」
私の皿にまだ半分残っている理鶯くん特製の昼食を見て、彼は心配そうな表情で首を傾げる。
いつもは残さず食べ、更におかわりまでしているのだ。そのような反応をさせてしまうのも無理はない。
しかし、今の私には出来れば直視したくない現実が襲い掛かっているのだ。
「最近体重が増えたの。夏に向けてダイエットしようと思って」
そう返す私をじっと見詰めて、理鶯くんは真面目な顔をして答える。
「るあきにはその必要は無いと思うのだが……。それに、脂肪はあった方がサバイバル時における生存率が高い。だが気になると言うのならば、これから小官と少し運動するか」
「へっ!?」
漫画などでよくある、ちょっと大人な展開を予感させる台詞に驚いて、上擦った声が漏れる。
理鶯くんもそんな誘い方するんだ!? しかも小鳥の可愛いさえずりが聞こえる真っ昼間の森で!? 私いまどんな下着履いてたっけ!? そもそも太ったからあんまり見せたくないんだけど……!?
あたふたしている私をよそに、理鶯くんは上着を脱いだ。彼の鍛え抜かれた身体が露わになり、私は更に恥ずかしくなる。
「るあき、準備は良いか?」
「はっ、はい!」
思わず敬礼をしながらそう返事をすると、理鶯くんは微笑みながら頷いた。
「うむ。ただし無理をする事は良くないからな。きつい時は遠慮無く言ってくれ。別のメニューに置き換える事を検討しよう」
「うん?」
理鶯くんの言葉に違和感を覚えたのも束の間、彼は地面に両手をつき始める。
「まずはハンドリリースプッシュアップだ!」
この流れは……ガチのブートキャンプが始まっている!
「ふ、普段運動しないからきつい……!」
わずか二回の腕立て伏せで、身体も私自身も悲鳴を上げる。三回目で力尽き、ごろんと地面に仰向けで転がった。
「理鶯くん! もうちょっと! 易しいメニューの方が良いかも……!」
隣で腕立て伏せを続けていた理鶯くんにそう叫んだ。彼は私の倍以上の数をこなしていたにも関わらず、涼しい顔のままこちらに視線を寄越す。
「む。そうか」
そして理鶯くんは立ち上がり、考え込むように手を顎に添えた。
「るあきはまず、トレーニングを行う為の体力作りから始めた方が良さそうだな」
彼の言葉に、日々の運動不足をまざまざと突き付けられる。
「そうみたいだね……ごめん」
「謝る必要は無い。こちらも、鍛え甲斐があるというものだ」
嬉しそうな表情で、私の頭をぽんぽんと撫でる理鶯くん。押してはいけない軍人スイッチを押したような気がして、冷や汗が伝うのを感じた。
「お手柔らかにお願いします……」
理鶯くんは、私の体力や気にしている身体の部位に合わせて的確なトレーニングメニューを組んでくれるうえに、食事に関するアドバイスもまとめてくれた。
普段は優しい彼も、ついお菓子に手を伸ばす私に厳しくストップを掛けてくれる。
慣れて来るとトレーニングのレベルも上がって来るが、理鶯くんが隣で一緒にこなしてくれるので、どんなにハードなメニューでも頑張る事が出来た。
そして数ヶ月が経った頃。世間は夏休みに入り、海開きの時期が訪れていた。
火貂組で海の家をやるらしく、私と理鶯くんはその手伝いとしてビーチへやって来ている。
目標達成のご褒美に購入した水着に着替え、見事に晴れた夏空の下に出る。
照り付ける太陽と真っ白い雲、空の色を吸い込んだように青く穏やかな海に心が弾んだ。
人混みでも目立つ理鶯くんの背に声を掛けると、彼はゆっくりと振り向き私を見詰める。
理鶯くんのお陰で健康的に引き締まった身体を彩るような、少々露出度高めの水着。
彼がどんな感想を伝えてくれるのか楽しみにしていると、予想に反し、理鶯くんは眉間に皺を寄せ不機嫌そうな表情を浮かべていた。
不安に思っていると、理鶯くんは着ていたラッシュガードを脱いで私の肩に掛ける。サイズが大きい為、自信があったお腹や太腿が隠れてしまった。
そのまま強く抱き寄せられ、耳元で低く囁かれる。
「……すまない。他の奴らに見られると思うと、堪えられそうにない」
直後、鎖骨付近にほのかな痛みを感じた。珍しく独占欲を表す理鶯くんに、嬉しい気持ちが勝る。
二人の世界に浸っていると、左馬刻さんの「いちゃついてる暇があんなら、さっさと働け」と叫ぶ声が、遠くから波に混ざって響いた。
─ END ─
【あとがき】
虫除け(^-^)海の家の接客は、男性客が来ると率先して理鶯さんが対応してくれます。
2026/08/01
「……ごちそうさまでした」
「む。どうした、るあき?」
私の皿にまだ半分残っている理鶯くん特製の昼食を見て、彼は心配そうな表情で首を傾げる。
いつもは残さず食べ、更におかわりまでしているのだ。そのような反応をさせてしまうのも無理はない。
しかし、今の私には出来れば直視したくない現実が襲い掛かっているのだ。
「最近体重が増えたの。夏に向けてダイエットしようと思って」
そう返す私をじっと見詰めて、理鶯くんは真面目な顔をして答える。
「るあきにはその必要は無いと思うのだが……。それに、脂肪はあった方がサバイバル時における生存率が高い。だが気になると言うのならば、これから小官と少し運動するか」
「へっ!?」
漫画などでよくある、ちょっと大人な展開を予感させる台詞に驚いて、上擦った声が漏れる。
理鶯くんもそんな誘い方するんだ!? しかも小鳥の可愛いさえずりが聞こえる真っ昼間の森で!? 私いまどんな下着履いてたっけ!? そもそも太ったからあんまり見せたくないんだけど……!?
あたふたしている私をよそに、理鶯くんは上着を脱いだ。彼の鍛え抜かれた身体が露わになり、私は更に恥ずかしくなる。
「るあき、準備は良いか?」
「はっ、はい!」
思わず敬礼をしながらそう返事をすると、理鶯くんは微笑みながら頷いた。
「うむ。ただし無理をする事は良くないからな。きつい時は遠慮無く言ってくれ。別のメニューに置き換える事を検討しよう」
「うん?」
理鶯くんの言葉に違和感を覚えたのも束の間、彼は地面に両手をつき始める。
「まずはハンドリリースプッシュアップだ!」
この流れは……ガチのブートキャンプが始まっている!
「ふ、普段運動しないからきつい……!」
わずか二回の腕立て伏せで、身体も私自身も悲鳴を上げる。三回目で力尽き、ごろんと地面に仰向けで転がった。
「理鶯くん! もうちょっと! 易しいメニューの方が良いかも……!」
隣で腕立て伏せを続けていた理鶯くんにそう叫んだ。彼は私の倍以上の数をこなしていたにも関わらず、涼しい顔のままこちらに視線を寄越す。
「む。そうか」
そして理鶯くんは立ち上がり、考え込むように手を顎に添えた。
「るあきはまず、トレーニングを行う為の体力作りから始めた方が良さそうだな」
彼の言葉に、日々の運動不足をまざまざと突き付けられる。
「そうみたいだね……ごめん」
「謝る必要は無い。こちらも、鍛え甲斐があるというものだ」
嬉しそうな表情で、私の頭をぽんぽんと撫でる理鶯くん。押してはいけない軍人スイッチを押したような気がして、冷や汗が伝うのを感じた。
「お手柔らかにお願いします……」
理鶯くんは、私の体力や気にしている身体の部位に合わせて的確なトレーニングメニューを組んでくれるうえに、食事に関するアドバイスもまとめてくれた。
普段は優しい彼も、ついお菓子に手を伸ばす私に厳しくストップを掛けてくれる。
慣れて来るとトレーニングのレベルも上がって来るが、理鶯くんが隣で一緒にこなしてくれるので、どんなにハードなメニューでも頑張る事が出来た。
そして数ヶ月が経った頃。世間は夏休みに入り、海開きの時期が訪れていた。
火貂組で海の家をやるらしく、私と理鶯くんはその手伝いとしてビーチへやって来ている。
目標達成のご褒美に購入した水着に着替え、見事に晴れた夏空の下に出る。
照り付ける太陽と真っ白い雲、空の色を吸い込んだように青く穏やかな海に心が弾んだ。
人混みでも目立つ理鶯くんの背に声を掛けると、彼はゆっくりと振り向き私を見詰める。
理鶯くんのお陰で健康的に引き締まった身体を彩るような、少々露出度高めの水着。
彼がどんな感想を伝えてくれるのか楽しみにしていると、予想に反し、理鶯くんは眉間に皺を寄せ不機嫌そうな表情を浮かべていた。
不安に思っていると、理鶯くんは着ていたラッシュガードを脱いで私の肩に掛ける。サイズが大きい為、自信があったお腹や太腿が隠れてしまった。
そのまま強く抱き寄せられ、耳元で低く囁かれる。
「……すまない。他の奴らに見られると思うと、堪えられそうにない」
直後、鎖骨付近にほのかな痛みを感じた。珍しく独占欲を表す理鶯くんに、嬉しい気持ちが勝る。
二人の世界に浸っていると、左馬刻さんの「いちゃついてる暇があんなら、さっさと働け」と叫ぶ声が、遠くから波に混ざって響いた。
─ END ─
【あとがき】
虫除け(^-^)海の家の接客は、男性客が来ると率先して理鶯さんが対応してくれます。
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