麻天狼
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。*゚+──一二三に誕生日を祝われる話
隣に居た温もりが消えている事に気付いて瞼を開く。
昨日は一二三と一緒にショッピングやランチを楽しみ、私の自宅では彼お手製の素敵なディナーを共に堪能した。
そして時計の針が十二時を回った頃、一二三は「るあきちゃん、誕生日おめでとう!」と笑顔で祝福してくれた。
「ありがとう」と伝えながら抱き着くと、一二三も優しく抱き締め返す。ふと彼に名前を呼ばれ顔を上げると、いたずらっぽく唇を軽く押し当てられた。
それに笑いながら私もキスをし返すと、段々と甘く深いものに変わって行く。
じゃれるように私の首筋に口付けた一二三は、艶っぽく微笑みながらベッドへ誘う。
その後の事を思い出して、私は枕に顔をうずめて足をばたつかせた。
ひとしきり悶えた後、そろそろ起きようと天井を向いて手を伸ばし大きなあくびをこぼす。その手を見て、眠る前には無かったはずの光に気付いた。
「え……えっ!? 一二三! ねぇ、一二三!」
急いで布団から飛び出し、キッチンに居るだろう彼の元へ向かう。案の定、一二三はキッチンで朝食の仕度を進めていた。
「おはよー、るあきちゃん! 朝から元気過ぎじゃね? めっちゃ可愛いけどさ」
お味噌汁が入った鍋をおたまで回しながら、一二三は私に笑い掛ける。そんな彼に、私は自分の左手薬指を差しながら叫ぶように言った。
「これ! 指輪! いつの間に!?」
一二三は私の指にはめられたリングを見詰めて、楽しそうに笑った。
「るあきちゃんが寝た後にこっそり。サプライズ大成功〜! ってね。改めて、誕生日おめでと!」
そして火を止めエプロンを外した一二三は、自分の左手の甲をこちらに向ける形で見せて来た。彼の薬指にも、私と同じデザインの指輪が輝いている。
もしかしてと思った瞬間、一二三は私にそっと歩み寄り、指を絡めるように両の手を繋いで来た。
「俺は、るあきちゃんと結婚したいな、って思ってる」
「わ、私で良いの?」
「るあきちゃんが良いの!」
その返事に泣きそうになった私の頭を撫で、一二三は私を優しく抱き締めた。
「返事は、今度改めて聞かせて?」
彼の腕の中でこくりと頷くと、一二三はまたぽんぽんと私の頭を撫でてキッチンへ戻る。
「んじゃ、朝ご飯にしよっか!」
言いながら一二三は、炊き立ての白米を茶碗によそっていた。
「うん、先に顔洗って来るね」
洗面所に立ち蛇口をひねる。視界に入る指輪ににやにやしながら、タオルで顔を拭いた。
そのまましばらく自分の左手薬指を眺めていると、一二三がこちらにやって来た。
「ご飯冷めちゃうんですけど〜?」
「わ、ごめんごめん」
唇を尖らせわざとらしく不貞腐れた表情をする彼は、子供っぽくてとても可愛らしい。しかし私がなかなか戻らなかった理由に気が付くと、優しく笑った。
「るあきちゃんの嬉しそうな顔、めちゃくちゃ可愛くて大好きなんだよね。これからも、俺っちにいーっぱいその顔見せてね」
そう言いふにふにと私の頬をつまんでから、リビングへ戻る一二三。
そんな彼に、私は後ろから思い切り抱き着いた。一二三は振り向いて、正面から私を抱き締め返す。
これみよがしに瞼を閉じると、長い口付けをしてくれた。唇が離れる度に繰り返す。
「……ご飯冷めちゃうよ?」
「も〜、るあきちゃんから仕掛けて来たんじゃん?」
私の呟きにそう返し、一二三は名残惜しそうに短く唇を合わせて、最後に強く私を抱き締めた。
そんな可愛らしい恋人とのこの先の生活を想像し、私は再びにやにやと頬が緩んでしまう。
その顔を隠すように、私は一二三の胸に顔をうずめたのだった。
─ END ─
【あとがき】
こちらもどうぞ。
▶独歩に誕生日を祝われる話
2026/06/25
隣に居た温もりが消えている事に気付いて瞼を開く。
昨日は一二三と一緒にショッピングやランチを楽しみ、私の自宅では彼お手製の素敵なディナーを共に堪能した。
そして時計の針が十二時を回った頃、一二三は「るあきちゃん、誕生日おめでとう!」と笑顔で祝福してくれた。
「ありがとう」と伝えながら抱き着くと、一二三も優しく抱き締め返す。ふと彼に名前を呼ばれ顔を上げると、いたずらっぽく唇を軽く押し当てられた。
それに笑いながら私もキスをし返すと、段々と甘く深いものに変わって行く。
じゃれるように私の首筋に口付けた一二三は、艶っぽく微笑みながらベッドへ誘う。
その後の事を思い出して、私は枕に顔をうずめて足をばたつかせた。
ひとしきり悶えた後、そろそろ起きようと天井を向いて手を伸ばし大きなあくびをこぼす。その手を見て、眠る前には無かったはずの光に気付いた。
「え……えっ!? 一二三! ねぇ、一二三!」
急いで布団から飛び出し、キッチンに居るだろう彼の元へ向かう。案の定、一二三はキッチンで朝食の仕度を進めていた。
「おはよー、るあきちゃん! 朝から元気過ぎじゃね? めっちゃ可愛いけどさ」
お味噌汁が入った鍋をおたまで回しながら、一二三は私に笑い掛ける。そんな彼に、私は自分の左手薬指を差しながら叫ぶように言った。
「これ! 指輪! いつの間に!?」
一二三は私の指にはめられたリングを見詰めて、楽しそうに笑った。
「るあきちゃんが寝た後にこっそり。サプライズ大成功〜! ってね。改めて、誕生日おめでと!」
そして火を止めエプロンを外した一二三は、自分の左手の甲をこちらに向ける形で見せて来た。彼の薬指にも、私と同じデザインの指輪が輝いている。
もしかしてと思った瞬間、一二三は私にそっと歩み寄り、指を絡めるように両の手を繋いで来た。
「俺は、るあきちゃんと結婚したいな、って思ってる」
「わ、私で良いの?」
「るあきちゃんが良いの!」
その返事に泣きそうになった私の頭を撫で、一二三は私を優しく抱き締めた。
「返事は、今度改めて聞かせて?」
彼の腕の中でこくりと頷くと、一二三はまたぽんぽんと私の頭を撫でてキッチンへ戻る。
「んじゃ、朝ご飯にしよっか!」
言いながら一二三は、炊き立ての白米を茶碗によそっていた。
「うん、先に顔洗って来るね」
洗面所に立ち蛇口をひねる。視界に入る指輪ににやにやしながら、タオルで顔を拭いた。
そのまましばらく自分の左手薬指を眺めていると、一二三がこちらにやって来た。
「ご飯冷めちゃうんですけど〜?」
「わ、ごめんごめん」
唇を尖らせわざとらしく不貞腐れた表情をする彼は、子供っぽくてとても可愛らしい。しかし私がなかなか戻らなかった理由に気が付くと、優しく笑った。
「るあきちゃんの嬉しそうな顔、めちゃくちゃ可愛くて大好きなんだよね。これからも、俺っちにいーっぱいその顔見せてね」
そう言いふにふにと私の頬をつまんでから、リビングへ戻る一二三。
そんな彼に、私は後ろから思い切り抱き着いた。一二三は振り向いて、正面から私を抱き締め返す。
これみよがしに瞼を閉じると、長い口付けをしてくれた。唇が離れる度に繰り返す。
「……ご飯冷めちゃうよ?」
「も〜、るあきちゃんから仕掛けて来たんじゃん?」
私の呟きにそう返し、一二三は名残惜しそうに短く唇を合わせて、最後に強く私を抱き締めた。
そんな可愛らしい恋人とのこの先の生活を想像し、私は再びにやにやと頬が緩んでしまう。
その顔を隠すように、私は一二三の胸に顔をうずめたのだった。
─ END ─
【あとがき】
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2026/06/25
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