MAD TRIGGER CREW
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。*゚+──血の気が多い馬のあしらい方を教えて
左馬刻はいつも私とのデート前に、待ち合わせ場所近くの喫煙所で一服してから来るらしい。その為、毎回私より後に来るのだ。約束の時間に遅れている訳ではないので、特に気にしてはいない。
そして案の定、今日も私が一番乗りのようである。左馬刻にメッセージを送り、そのままスマホを手に時間を潰していると、見知らぬ男に声を掛けられた。
「姉ちゃん、暇そうじゃん? これから飯とか行かない? 俺奢るし」
そんな言葉に無視を決め込むも、男はめげずに話し続ける。
「誰か待ってんの? 友達も一緒で良いからさぁ」
「……彼氏です。あの、まじで、命が惜しかったら、早く遠くに行った方が良いですよ」
男の為にもそう忠告する。しかし、冗談だと受け取った男は、へらへらと笑って尚も立ち塞がる。
「やば、命て。彼氏クン、武士か何か? 面白いじゃん」
私の忠告を全く聞き入れる様子の無い男に溜息を漏らしていると、彼の背中越しに左馬刻が歩いて来るのが見えた。
ポケットに両手を入れゆっくり向かって来たかと思うと、そのまま左馬刻は喋り続ける男の背中に思い切り蹴りを入れる。
「ってぇな!! 何すんだ……よ」
「誰の女か分かってやってンだろうな?」
左馬刻は、体勢を崩してうつ伏せに倒れ込んだ男の背中を踏み付ける。通りすがりにこちらを窺う視線が増えて来た。
「左馬刻! そこまでしなくても大丈夫でしょ! 警察呼ばれるよ!?」
「丁度良い。こいつをサツに突き出して豚箱にぶっ込んでやんよ」
男の襟首を掴んで無理矢理立たせる左馬刻。そんな彼の襟首を静かに掴んだのは、なんと銃兎さんだった。
「豚箱にぶっ込まれるのはお前だ、左馬刻。無抵抗の一般市民に何してんだ」
「るっせぇぞウサ公。俺様の女に手ぇ出しといてヨコハマ歩けると思ってンのか」
銃兎さんは、呆れたような表情で溜息をつく。そして私の顔を見て眉を下げた。
「貴女も大変ですね」
「いえ、銃兎さんにも同じ言葉を返しますよ……」
そして私と銃兎さんは力無く笑い合う。
「パトロール中に見知った顔が暴れているのが見えたもので……。この馬鹿は話にならないので、貴女に伺ってもよろしいですか?」
「ただ知らない男に話し掛けられたのを、左馬刻が守ってくれただけですよ。……ちょっと加減がおかしかったですけど。あ、美人局 とかではないですからね!」
そう返すと、銃兎さんは左馬刻を一瞥し、彼を解放した。左馬刻は舌打ちをしながら襟足部分をさすっている。
そして左馬刻の手から解放された男は、土下座せんばかりの勢いで「すみませんでした!」と頭を下げ、そのまま走り去ってしまった。
「左馬刻、守ってくれるのは嬉しいけど、もっと冷静に行動してよ」
私の言葉に、左馬刻はばつが悪そうに視線を逸らしながら、眉間に皺を寄せて舌打ちをする。どうやら正当な言い訳は思い浮かばなかったようだ。
そんな彼を眺めながら、銃兎さんは口元に手を当て面白そうに笑う。
「黒椿さん、左馬刻の手綱はしっかりと握っておいてくださいね」
「るあき、こいつの話なんざ聞かなくて良いからな」
左馬刻は銃兎さんを睨みながら私に向かって釘を刺す。
「はいはい。そんな怖い顔しないの」
言いながら、私は左馬刻のシャツの裾をきゅっと掴んだ。
その様子を見た銃兎さんはまたおかしそうに口元に手をやり、左馬刻は溜息をつきつつ困ったように笑ったのだった。
─ END ─
【あとがき】
2026/06/18
左馬刻はいつも私とのデート前に、待ち合わせ場所近くの喫煙所で一服してから来るらしい。その為、毎回私より後に来るのだ。約束の時間に遅れている訳ではないので、特に気にしてはいない。
そして案の定、今日も私が一番乗りのようである。左馬刻にメッセージを送り、そのままスマホを手に時間を潰していると、見知らぬ男に声を掛けられた。
「姉ちゃん、暇そうじゃん? これから飯とか行かない? 俺奢るし」
そんな言葉に無視を決め込むも、男はめげずに話し続ける。
「誰か待ってんの? 友達も一緒で良いからさぁ」
「……彼氏です。あの、まじで、命が惜しかったら、早く遠くに行った方が良いですよ」
男の為にもそう忠告する。しかし、冗談だと受け取った男は、へらへらと笑って尚も立ち塞がる。
「やば、命て。彼氏クン、武士か何か? 面白いじゃん」
私の忠告を全く聞き入れる様子の無い男に溜息を漏らしていると、彼の背中越しに左馬刻が歩いて来るのが見えた。
ポケットに両手を入れゆっくり向かって来たかと思うと、そのまま左馬刻は喋り続ける男の背中に思い切り蹴りを入れる。
「ってぇな!! 何すんだ……よ」
「誰の女か分かってやってンだろうな?」
左馬刻は、体勢を崩してうつ伏せに倒れ込んだ男の背中を踏み付ける。通りすがりにこちらを窺う視線が増えて来た。
「左馬刻! そこまでしなくても大丈夫でしょ! 警察呼ばれるよ!?」
「丁度良い。こいつをサツに突き出して豚箱にぶっ込んでやんよ」
男の襟首を掴んで無理矢理立たせる左馬刻。そんな彼の襟首を静かに掴んだのは、なんと銃兎さんだった。
「豚箱にぶっ込まれるのはお前だ、左馬刻。無抵抗の一般市民に何してんだ」
「るっせぇぞウサ公。俺様の女に手ぇ出しといてヨコハマ歩けると思ってンのか」
銃兎さんは、呆れたような表情で溜息をつく。そして私の顔を見て眉を下げた。
「貴女も大変ですね」
「いえ、銃兎さんにも同じ言葉を返しますよ……」
そして私と銃兎さんは力無く笑い合う。
「パトロール中に見知った顔が暴れているのが見えたもので……。この馬鹿は話にならないので、貴女に伺ってもよろしいですか?」
「ただ知らない男に話し掛けられたのを、左馬刻が守ってくれただけですよ。……ちょっと加減がおかしかったですけど。あ、
そう返すと、銃兎さんは左馬刻を一瞥し、彼を解放した。左馬刻は舌打ちをしながら襟足部分をさすっている。
そして左馬刻の手から解放された男は、土下座せんばかりの勢いで「すみませんでした!」と頭を下げ、そのまま走り去ってしまった。
「左馬刻、守ってくれるのは嬉しいけど、もっと冷静に行動してよ」
私の言葉に、左馬刻はばつが悪そうに視線を逸らしながら、眉間に皺を寄せて舌打ちをする。どうやら正当な言い訳は思い浮かばなかったようだ。
そんな彼を眺めながら、銃兎さんは口元に手を当て面白そうに笑う。
「黒椿さん、左馬刻の手綱はしっかりと握っておいてくださいね」
「るあき、こいつの話なんざ聞かなくて良いからな」
左馬刻は銃兎さんを睨みながら私に向かって釘を刺す。
「はいはい。そんな怖い顔しないの」
言いながら、私は左馬刻のシャツの裾をきゅっと掴んだ。
その様子を見た銃兎さんはまたおかしそうに口元に手をやり、左馬刻は溜息をつきつつ困ったように笑ったのだった。
─ END ─
【あとがき】
2026/06/18
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