MAD TRIGGER CREW
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。*゚+──Trick or Treat or Dead or Alive!
昼休みに入り休憩スペースで昼食を摂っていると、私のスマホが軽快なメロディを奏でた。
画面を見ると、そこには左馬刻さんの名前が表示されている。
「電話なんて珍しいな。……嫌な予感がする」
しかし私には着信拒否なんて恐ろしい選択肢は無い。
鳴り続けるスマホの応答マークをタップして耳に当てると、機嫌の悪そうな低い声が聞こえた。
「もう休憩入ってんだろ。さっさと出やがれ」
そして言い訳や返事の隙を与えずに彼は続ける。
「今からうちの事務所に来い」
「なんでそんな急に……午後も仕事なんですけど」
「お前ん所の上司には話をつけてある。今うちの奴を車で向かわせてっからさっさと来い」
それだけを告げられ、電話はすぐに切れた。
それにしても、ヤクザから電話だなんて上司も大層驚いた事だろう。突然私も休む事になって、申し訳無い限りだ。
急いで昼食を胃袋におさめ、上司のもとへ頭を下げに行き、会社の玄関を出ると、何度か会った事のある若い男性が立っているのが見えた。左馬刻さんの舎弟である。
「あ、姐さん! こちらっす!」
人懐っこい笑みを見せながら、彼は近くの車に駆け寄り後部座席のドアを開く。仕方無く乗り込むと、彼はドアを閉め運転席に移動した。
意外と安全運転で進んで行き、数分して到着したのは火貂組の立派な事務所である。運転席から素早く降りた彼が、再び後部座席のドアを開けてくれた。
「お疲れ様っす。カシラがお待ちになってます」
そう言いながら、彼は助手席のドアを開けて紙袋を取り出した。それを私に手渡す。
「なんですか、これ。あと、私どうして呼ばれたんですか?」
「今日は十月三十一日っすよ、姐さん」
歩き出した彼は、楽しそうにそれだけ言って事務所に入って行った。
後に続いて案内された部屋に入ると、強面の男達が忙しなく動いている。そんな男達の指揮を執る左馬刻さんを見付け、私は声を掛けた。
「言われた通り来ましたけど……」
「おう。んじゃ早速それに着替えて来い」
「着替え?」
左馬刻さんは私が持っている紙袋を顎で指し、近くに居る男と会話を再開した。
説明不足の彼に溜息をこぼして、着替えの為にお手洗いへ向かう。
「何これ!?」
そして綺麗に掃除された個室で、誰にも聞こえない叫びを上げたのだった。
「このまま帰っちゃおうかな……いやそれは後が怖いし……でも流石にこれは恥ずかし過ぎるって……」
そんな事をぐちぐち呟きながらも、渋々着替えに移る。もたもたしていると、左馬刻さんが乗り込んで来かねないからだ。
脱いだ衣服を紙袋に仕舞い、左馬刻さんのもとへ戻る。再び声を掛けると、彼は私の事を頭のてっぺんから爪先まで順に眺め満足そうな顔で口を開いた。
「似合ってんじゃねぇか、るあきチャン」
「そんなお世辞言われるくらいなら、笑われた方がマシですよ……」
溜息をつくと、左馬刻さんの隣に立つ男がわっと声を上げた。
「これで火貂組も安泰だ!」
「私のコスプレで一体何が安泰なんですか……。左馬刻さん、いい加減説明してくださいよ」
じとっと彼を見詰めると、彼はデスクに置かれた小さなかぼちゃの置き物を手にして説明を始めた。
「親父の意向で去年からハロウィンに菓子配ってんだよ。改善点といやぁ、むさ苦しい野郎共しか居ねぇ所為で、案の定警戒されまくった事だな。そんで、てめぇの出番って訳だ」
「つまりどういう訳です?」
「紅一点魔女っ子大作戦っすよ!」
そう割り込んで来たのは、私を此処まで連れて来た左馬刻さんの舎弟くんだ。
「可愛い女の子が居たら少しは子供や親達も警戒心を解いてくれるかなぁ、という算段っす。こっちとしても、子供を怖がらせる事はしたく無いっすからね」
「一理ありますね。女の子の人選はミスったようですけども。……この衣装は左馬刻さんのチョイスなんですか?」
私が着ている服はハロウィン仕様の魔女っ子デザインらしい。かぼちゃのようなふんわりしたシルエットのミニスカートに、足元は黒とオレンジのボーダー柄のニーハイソックス。ブラウスはオフショルダーで少し肌寒い。頭には小さな三角帽子を着けている。
「んな訳ねぇだろ。そいつの趣味だ」
「っす! ミニスカポリスと迷ったんすけど、ポリスは本職が来ますからね」
彼の言葉に首を傾げると、後ろから新たな人物の声が聞こえた。
「左馬刻、準備の方はどうだ?」
「銃兎さん! まさか銃兎さんがミニスカポリスの仮装するんですか!?」
「はぁ? 突然何ですか、黒椿さん。ハロウィンで浮かれてるのかは知らないですが、私がそんな事する訳無いでしょう」
「……ですよね。あと私は頼まれたからこの格好してるだけなので、誤解しないでください」
私の反論が耳に届いたのかは不明だが、銃兎さんは左馬刻さんと話し始めてしまった。
「警察が居ればカタギも安心するっすから」
「なるほど。それで、私は皆さんと一緒にお菓子を子供に配れば良いんですか?」
その問いには、左馬刻さんが答えた。
「そういうこった。盗み食いはすんじゃねぇぞ」
そして可愛らしいラッピングが施されたお菓子の詰め合わせがぎっしり入ったバスケットを手渡される。
やがて事務所の門が解放されると、たくさんの親子や小学生グループが入って来た。
列を成す子供達に順番にお菓子を手渡し、時折言われる「お姉ちゃん可愛い」の声に照れながらも、お菓子が無くなり列が途絶えた所で辺りを見渡す。
かぼちゃの被り物をしてお菓子を配る左馬刻さんや、子供達に群がられて困惑している銃兎さんの向こうに、子供達にお菓子を配る理鶯さんの姿が見えた。
「理鶯さんも来ていたんですね」
そう声を掛けると、子供に手を振っていた理鶯さんが振り向いた。
「るあきか。左馬刻に手伝いを頼まれたものでな。折角なので、小官もクッキーを用意して配っていた所だ」
意外とハロウィンらしい包装がされたクッキーを指差し、どうしても気になる事を聞いてみる。
「ちなみに、何の虫が入っているんですか……?」
「む、これはかぼちゃを練り込んだクッキーだ。るあきは虫の方が好みか?」
その言葉に私はぶんぶんと首を横に振る。そんな私を眺め、理鶯さんはふと気付いたように言った。
「随分とハロウィンらしい格好をしているな。それは左馬刻の趣味か?」
「彼の名誉の為に言うと、これは舎弟くんが選んだものらしいです」
そう返すと、噂をすれば何とやら、被り物を脱いだ左馬刻さんがやって来た。
「理鶯は今日、何の虫が入った菓子を用意して来たんだ……?」
「かぼちゃを練り込んだクッキーだ。左馬刻は虫の方が好みだったか?」
左馬刻さんは顔を引き攣らせている。流石の彼も、理鶯さんには強く出られないらしい。
そんな彼に苦笑していると、子供達に絡まれていた銃兎さんが疲れた顔でこちらに歩いて来た。
「子供ってのは本当に容赦が無いな……」
「ご苦労だったな、銃兎。小官手製のクッキーをやろう。左馬刻とるあきも」
理鶯さんは、わざわざ私達の分を残してくれていたらしい。それを受け取った銃兎さんは、更に疲れた様子で口を開く。
「え、あ、ありがとうございます。理鶯、これは何の虫が入っているんですか……」
「かぼちゃを練り込んだクッキーだ。ふむ、銃兎は虫の方が良かっただろうか」
「滅相もない! ありがたく頂きますよ」
空笑いをする銃兎さんに、私と左馬刻さんも同じリアクションをする。
「気を取り直して……。左馬刻さん、これでボランティアは終わりですか?」
「そうだな、全部捌 けたみてぇだし。お前等、礼を言うぜ」
そこで左馬刻さんは、ポケットから煙草の箱を取り出した。一本咥えて火をつける。思い切り吸い込んで、ゆっくりと紫煙を吐いた。
「最初は午後休まで取らされて手伝いなんて、って思いましたけど、結構楽しかったです。子供達も喜んでくれて良かったですね」
「んじゃ来年もよろしく頼むわ」
そう言って笑う左馬刻さんに、それも良いかも知れないと思い笑顔を返す。
「次は俺様がるあきの仮装を用意してやんよ」
「じゃあ私も左馬刻さんの仮装考えておきますね。かぼちゃの被り物より、吸血鬼とかの方が絶対似合うしすごく見たいです」
私の返事に彼は舌打ちをし、銃兎さんと理鶯さんを軽く睨む。
「なら来年は銃兎と理鶯も仮装して来い」
その言葉に二人はふっと笑った。
「じゃあ俺は警察の仮装でもするか」
「では小官は軍人だな」
「てめぇら舐めてんのか」
三人のいつものやりとりに、私は笑みをこぼす。
そして、理鶯さんが思い付いたようにこう提案した。
「そうだ、三人はこの後空いているか? かぼちゃが余っているので、小官のベースでハロウィンらしい料理でも振る舞おう」
彼の提案に、左馬刻さんと銃兎さんは再び顔を引き攣らせている。
「ハロウィンってなんつーんだっけか。Dead or Alive?」
「えぇと……すみません、この後は予定が……いえ、なんでもありません。そんな悲しそうな顔をしないでください、理鶯」
勿論私も巻き添えを食らい、お化けも恐怖で逃げ出すようなメニューのフルコースを味わう事になるのだった。
─ END ─
【あとがき】
かぼちゃの被り物をする碧棺左馬刻が見られるのはアプリゲームARBだけ!
2025/11/02
昼休みに入り休憩スペースで昼食を摂っていると、私のスマホが軽快なメロディを奏でた。
画面を見ると、そこには左馬刻さんの名前が表示されている。
「電話なんて珍しいな。……嫌な予感がする」
しかし私には着信拒否なんて恐ろしい選択肢は無い。
鳴り続けるスマホの応答マークをタップして耳に当てると、機嫌の悪そうな低い声が聞こえた。
「もう休憩入ってんだろ。さっさと出やがれ」
そして言い訳や返事の隙を与えずに彼は続ける。
「今からうちの事務所に来い」
「なんでそんな急に……午後も仕事なんですけど」
「お前ん所の上司には話をつけてある。今うちの奴を車で向かわせてっからさっさと来い」
それだけを告げられ、電話はすぐに切れた。
それにしても、ヤクザから電話だなんて上司も大層驚いた事だろう。突然私も休む事になって、申し訳無い限りだ。
急いで昼食を胃袋におさめ、上司のもとへ頭を下げに行き、会社の玄関を出ると、何度か会った事のある若い男性が立っているのが見えた。左馬刻さんの舎弟である。
「あ、姐さん! こちらっす!」
人懐っこい笑みを見せながら、彼は近くの車に駆け寄り後部座席のドアを開く。仕方無く乗り込むと、彼はドアを閉め運転席に移動した。
意外と安全運転で進んで行き、数分して到着したのは火貂組の立派な事務所である。運転席から素早く降りた彼が、再び後部座席のドアを開けてくれた。
「お疲れ様っす。カシラがお待ちになってます」
そう言いながら、彼は助手席のドアを開けて紙袋を取り出した。それを私に手渡す。
「なんですか、これ。あと、私どうして呼ばれたんですか?」
「今日は十月三十一日っすよ、姐さん」
歩き出した彼は、楽しそうにそれだけ言って事務所に入って行った。
後に続いて案内された部屋に入ると、強面の男達が忙しなく動いている。そんな男達の指揮を執る左馬刻さんを見付け、私は声を掛けた。
「言われた通り来ましたけど……」
「おう。んじゃ早速それに着替えて来い」
「着替え?」
左馬刻さんは私が持っている紙袋を顎で指し、近くに居る男と会話を再開した。
説明不足の彼に溜息をこぼして、着替えの為にお手洗いへ向かう。
「何これ!?」
そして綺麗に掃除された個室で、誰にも聞こえない叫びを上げたのだった。
「このまま帰っちゃおうかな……いやそれは後が怖いし……でも流石にこれは恥ずかし過ぎるって……」
そんな事をぐちぐち呟きながらも、渋々着替えに移る。もたもたしていると、左馬刻さんが乗り込んで来かねないからだ。
脱いだ衣服を紙袋に仕舞い、左馬刻さんのもとへ戻る。再び声を掛けると、彼は私の事を頭のてっぺんから爪先まで順に眺め満足そうな顔で口を開いた。
「似合ってんじゃねぇか、るあきチャン」
「そんなお世辞言われるくらいなら、笑われた方がマシですよ……」
溜息をつくと、左馬刻さんの隣に立つ男がわっと声を上げた。
「これで火貂組も安泰だ!」
「私のコスプレで一体何が安泰なんですか……。左馬刻さん、いい加減説明してくださいよ」
じとっと彼を見詰めると、彼はデスクに置かれた小さなかぼちゃの置き物を手にして説明を始めた。
「親父の意向で去年からハロウィンに菓子配ってんだよ。改善点といやぁ、むさ苦しい野郎共しか居ねぇ所為で、案の定警戒されまくった事だな。そんで、てめぇの出番って訳だ」
「つまりどういう訳です?」
「紅一点魔女っ子大作戦っすよ!」
そう割り込んで来たのは、私を此処まで連れて来た左馬刻さんの舎弟くんだ。
「可愛い女の子が居たら少しは子供や親達も警戒心を解いてくれるかなぁ、という算段っす。こっちとしても、子供を怖がらせる事はしたく無いっすからね」
「一理ありますね。女の子の人選はミスったようですけども。……この衣装は左馬刻さんのチョイスなんですか?」
私が着ている服はハロウィン仕様の魔女っ子デザインらしい。かぼちゃのようなふんわりしたシルエットのミニスカートに、足元は黒とオレンジのボーダー柄のニーハイソックス。ブラウスはオフショルダーで少し肌寒い。頭には小さな三角帽子を着けている。
「んな訳ねぇだろ。そいつの趣味だ」
「っす! ミニスカポリスと迷ったんすけど、ポリスは本職が来ますからね」
彼の言葉に首を傾げると、後ろから新たな人物の声が聞こえた。
「左馬刻、準備の方はどうだ?」
「銃兎さん! まさか銃兎さんがミニスカポリスの仮装するんですか!?」
「はぁ? 突然何ですか、黒椿さん。ハロウィンで浮かれてるのかは知らないですが、私がそんな事する訳無いでしょう」
「……ですよね。あと私は頼まれたからこの格好してるだけなので、誤解しないでください」
私の反論が耳に届いたのかは不明だが、銃兎さんは左馬刻さんと話し始めてしまった。
「警察が居ればカタギも安心するっすから」
「なるほど。それで、私は皆さんと一緒にお菓子を子供に配れば良いんですか?」
その問いには、左馬刻さんが答えた。
「そういうこった。盗み食いはすんじゃねぇぞ」
そして可愛らしいラッピングが施されたお菓子の詰め合わせがぎっしり入ったバスケットを手渡される。
やがて事務所の門が解放されると、たくさんの親子や小学生グループが入って来た。
列を成す子供達に順番にお菓子を手渡し、時折言われる「お姉ちゃん可愛い」の声に照れながらも、お菓子が無くなり列が途絶えた所で辺りを見渡す。
かぼちゃの被り物をしてお菓子を配る左馬刻さんや、子供達に群がられて困惑している銃兎さんの向こうに、子供達にお菓子を配る理鶯さんの姿が見えた。
「理鶯さんも来ていたんですね」
そう声を掛けると、子供に手を振っていた理鶯さんが振り向いた。
「るあきか。左馬刻に手伝いを頼まれたものでな。折角なので、小官もクッキーを用意して配っていた所だ」
意外とハロウィンらしい包装がされたクッキーを指差し、どうしても気になる事を聞いてみる。
「ちなみに、何の虫が入っているんですか……?」
「む、これはかぼちゃを練り込んだクッキーだ。るあきは虫の方が好みか?」
その言葉に私はぶんぶんと首を横に振る。そんな私を眺め、理鶯さんはふと気付いたように言った。
「随分とハロウィンらしい格好をしているな。それは左馬刻の趣味か?」
「彼の名誉の為に言うと、これは舎弟くんが選んだものらしいです」
そう返すと、噂をすれば何とやら、被り物を脱いだ左馬刻さんがやって来た。
「理鶯は今日、何の虫が入った菓子を用意して来たんだ……?」
「かぼちゃを練り込んだクッキーだ。左馬刻は虫の方が好みだったか?」
左馬刻さんは顔を引き攣らせている。流石の彼も、理鶯さんには強く出られないらしい。
そんな彼に苦笑していると、子供達に絡まれていた銃兎さんが疲れた顔でこちらに歩いて来た。
「子供ってのは本当に容赦が無いな……」
「ご苦労だったな、銃兎。小官手製のクッキーをやろう。左馬刻とるあきも」
理鶯さんは、わざわざ私達の分を残してくれていたらしい。それを受け取った銃兎さんは、更に疲れた様子で口を開く。
「え、あ、ありがとうございます。理鶯、これは何の虫が入っているんですか……」
「かぼちゃを練り込んだクッキーだ。ふむ、銃兎は虫の方が良かっただろうか」
「滅相もない! ありがたく頂きますよ」
空笑いをする銃兎さんに、私と左馬刻さんも同じリアクションをする。
「気を取り直して……。左馬刻さん、これでボランティアは終わりですか?」
「そうだな、全部
そこで左馬刻さんは、ポケットから煙草の箱を取り出した。一本咥えて火をつける。思い切り吸い込んで、ゆっくりと紫煙を吐いた。
「最初は午後休まで取らされて手伝いなんて、って思いましたけど、結構楽しかったです。子供達も喜んでくれて良かったですね」
「んじゃ来年もよろしく頼むわ」
そう言って笑う左馬刻さんに、それも良いかも知れないと思い笑顔を返す。
「次は俺様がるあきの仮装を用意してやんよ」
「じゃあ私も左馬刻さんの仮装考えておきますね。かぼちゃの被り物より、吸血鬼とかの方が絶対似合うしすごく見たいです」
私の返事に彼は舌打ちをし、銃兎さんと理鶯さんを軽く睨む。
「なら来年は銃兎と理鶯も仮装して来い」
その言葉に二人はふっと笑った。
「じゃあ俺は警察の仮装でもするか」
「では小官は軍人だな」
「てめぇら舐めてんのか」
三人のいつものやりとりに、私は笑みをこぼす。
そして、理鶯さんが思い付いたようにこう提案した。
「そうだ、三人はこの後空いているか? かぼちゃが余っているので、小官のベースでハロウィンらしい料理でも振る舞おう」
彼の提案に、左馬刻さんと銃兎さんは再び顔を引き攣らせている。
「ハロウィンってなんつーんだっけか。Dead or Alive?」
「えぇと……すみません、この後は予定が……いえ、なんでもありません。そんな悲しそうな顔をしないでください、理鶯」
勿論私も巻き添えを食らい、お化けも恐怖で逃げ出すようなメニューのフルコースを味わう事になるのだった。
─ END ─
【あとがき】
かぼちゃの被り物をする碧棺左馬刻が見られるのはアプリゲームARBだけ!
2025/11/02
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