どついたれ本舗
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。*゚+──“結婚”しようって言うの“結構”むずない!?
いろんなメディアに引っ張りだこの大人気お笑い芸人ヌルサラこと俺、白膠木簓には、可愛い可愛い恋人が居る。
デートにオオサカの街を二人で色々巡りたい気持ちは勿論あるが、そう簡単に出来ない事が唯一の不満や。
芸能人の自宅にプライバシーなんかあって無いようなもんやし、自宅でもない彼女の家に足繁く通おうもんなら恐らくすぐにすっぱ抜かれる。
彼女のプライバシーも侵害される事になるのは、流石に辛抱ならん。
しかしそんな俺等に打って付けのデート場所が、なんとひとつだけ存在する。
俺は勝手知ったる顔で、その場所の扉を開いた。
「どうも〜!」
「はぁ……急に来て今日はなんの用や」
不満気な表情を隠そうともせんこいつは、躑躅森盧笙。俺の元相方、現チームメイトや。
「もうちょいしたらるあきも来るから、よろしゅう〜」
「何がよろしゅう〜や。俺ん家はデートスポットやないねんで」
「そうは言うが、本当は俺等二人に会えるのを毎回楽しみにしているのだ」
「なんやそのナレーション」
盧笙の返しに笑いながら、靴を脱いで家に上がる。そのすぐ後に、玄関のチャイムが鳴った。
盧笙が溜息をつきながら扉を開けると、そこにはるあきがちょこんと立っていた。
「いつもすみません、盧笙さん」
「黒椿が気にする事あらへんよ」
そう言いながら、盧笙は俺の顔をじっと薄目で見て来る。
「せやで〜。遠慮せんと自分家みたくくつろいでってや」
「それはお前が言う事ちゃうやろ」
盧笙のツッコミににこにこしつつ、俺は玄関に立ったままのるあきに手招きする。
そんな感じで俺&るあきカップルは、盧笙宅に時間をずらして訪れる事で逢瀬を重ねていたのだった。
なんだかんだ盧笙も零も色々とカモフラージュしてくれたりするから、今の所は静かな幸せに浸っとる。
前に悪ノリした零の奴がるあきの肩を抱きながら盧笙の家を出た時は、後ろからどついたろ思うたけど……。
二人揃ってローテーブルの傍に腰をおろすと、盧笙が律儀に飲み物を出してくれた。
「黒椿はこんな俺ん家やなくて、水族館なりどっかデートスポット行きたい思わへんのか?」
缶ビールを開けながら、盧笙がるあきに尋ねる。るあきは恥ずかしそうに笑いながら口を開いた。
「簓くんと一緒なら何処に行っても楽しいので、充分幸せですよ。盧笙さんとお話出来るのも嬉しいですし」
「はぁ〜、ほんまにるあきは優しい子やなぁ」
この簓さんが一生幸せにしたるわ……。
もう今すぐ籍入れて「結婚しました〜! 相手は一般の子なんで取材は堪忍したってな!」みたいな発表した方がええんちゃう?
でもこの誰にもバレたらあかんドキドキ感も悪くない思うてる自分がおんのも正直な話や。
そんな事をぼんやり思いながら飲み物を口にすると、盧笙が若干怪しくなった呂律で喋り出した。テーブルには既に空っぽの缶がいくつか置いてある。
「なぁ、二人は結婚とか考えてへんのか?」
「ごほっごほっ! 盧笙、なんやねん急に!」
俺の脳内を読まれたような気ぃして思いっ切りむせたやないか!
るあきを見ると、照れた表情で「えへへ」と笑っていた。は〜〜今すぐ結婚しよか……。
「友人代表スピーチは俺が責任持ってやったるからな。それまでにこのあがり症をどうにか治したんで……!」
一人盛り上がる盧笙を見ていると、盧笙はぐいっとビールを呷り再び口を開く。
「前に零があがり症を克服する為のメソッドが書かれた教材をすすめて来たんやけど、やっぱ試しておくべきやったかな〜。80万って言ってたんやけど、克服出来るなら安いもんやろ!」
「それ絶対あかんやつやん!」
零のやつ、まだ盧笙をからかって遊んどんのかい!
あいつには俺から強く言っておくとして……。俺達の為に頑張ってくれようとする盧笙には、嬉しい気持ちしかない。
るあきに視線を移すと、俺を見上げて何か言いた気に口をぱくぱくさせていた。
「ん? どないしたん、るあき」
「……結婚、考えてくれてたりするのかなぁって」
「そりゃあ勿論、今すぐにでもって思うとったけど……芸人の奥さんなんて色々苦労掛けるやろうし……」
そんな言い訳じみた事を呟くと、るあきはキリッとした表情を見せる。
「簓くんと付き合い始めた時から、覚悟はしてるつもりだよ。それに簓くんとなら、きっと苦労より楽しい事の方が多いって信じてるから」
「るあき……!」
可愛いだけやなく格好良さも兼ね備えとるなんて、なんやもう俺には勿体無い気さえして来る。
でも俺も男や! この流れで格好良くプロポーズ決めたるで!
そう決心し口を開いた時、盧笙が熱く泣きながら叫んだ。
「愛やなぁ!!!」
「も〜なんでお前がそんなに泣いとんねん!」
るあきも小さく声を上げて笑っている。
俺は盧笙に箱ティッシュを渡し、いつプロポーズを決行するかを頭の片隅で練り直していたのだった。
─ END ─
【あとがき】
エセ関西弁で堪忍やで!
2025/03/23
いろんなメディアに引っ張りだこの大人気お笑い芸人ヌルサラこと俺、白膠木簓には、可愛い可愛い恋人が居る。
デートにオオサカの街を二人で色々巡りたい気持ちは勿論あるが、そう簡単に出来ない事が唯一の不満や。
芸能人の自宅にプライバシーなんかあって無いようなもんやし、自宅でもない彼女の家に足繁く通おうもんなら恐らくすぐにすっぱ抜かれる。
彼女のプライバシーも侵害される事になるのは、流石に辛抱ならん。
しかしそんな俺等に打って付けのデート場所が、なんとひとつだけ存在する。
俺は勝手知ったる顔で、その場所の扉を開いた。
「どうも〜!」
「はぁ……急に来て今日はなんの用や」
不満気な表情を隠そうともせんこいつは、躑躅森盧笙。俺の元相方、現チームメイトや。
「もうちょいしたらるあきも来るから、よろしゅう〜」
「何がよろしゅう〜や。俺ん家はデートスポットやないねんで」
「そうは言うが、本当は俺等二人に会えるのを毎回楽しみにしているのだ」
「なんやそのナレーション」
盧笙の返しに笑いながら、靴を脱いで家に上がる。そのすぐ後に、玄関のチャイムが鳴った。
盧笙が溜息をつきながら扉を開けると、そこにはるあきがちょこんと立っていた。
「いつもすみません、盧笙さん」
「黒椿が気にする事あらへんよ」
そう言いながら、盧笙は俺の顔をじっと薄目で見て来る。
「せやで〜。遠慮せんと自分家みたくくつろいでってや」
「それはお前が言う事ちゃうやろ」
盧笙のツッコミににこにこしつつ、俺は玄関に立ったままのるあきに手招きする。
そんな感じで俺&るあきカップルは、盧笙宅に時間をずらして訪れる事で逢瀬を重ねていたのだった。
なんだかんだ盧笙も零も色々とカモフラージュしてくれたりするから、今の所は静かな幸せに浸っとる。
前に悪ノリした零の奴がるあきの肩を抱きながら盧笙の家を出た時は、後ろからどついたろ思うたけど……。
二人揃ってローテーブルの傍に腰をおろすと、盧笙が律儀に飲み物を出してくれた。
「黒椿はこんな俺ん家やなくて、水族館なりどっかデートスポット行きたい思わへんのか?」
缶ビールを開けながら、盧笙がるあきに尋ねる。るあきは恥ずかしそうに笑いながら口を開いた。
「簓くんと一緒なら何処に行っても楽しいので、充分幸せですよ。盧笙さんとお話出来るのも嬉しいですし」
「はぁ〜、ほんまにるあきは優しい子やなぁ」
この簓さんが一生幸せにしたるわ……。
もう今すぐ籍入れて「結婚しました〜! 相手は一般の子なんで取材は堪忍したってな!」みたいな発表した方がええんちゃう?
でもこの誰にもバレたらあかんドキドキ感も悪くない思うてる自分がおんのも正直な話や。
そんな事をぼんやり思いながら飲み物を口にすると、盧笙が若干怪しくなった呂律で喋り出した。テーブルには既に空っぽの缶がいくつか置いてある。
「なぁ、二人は結婚とか考えてへんのか?」
「ごほっごほっ! 盧笙、なんやねん急に!」
俺の脳内を読まれたような気ぃして思いっ切りむせたやないか!
るあきを見ると、照れた表情で「えへへ」と笑っていた。は〜〜今すぐ結婚しよか……。
「友人代表スピーチは俺が責任持ってやったるからな。それまでにこのあがり症をどうにか治したんで……!」
一人盛り上がる盧笙を見ていると、盧笙はぐいっとビールを呷り再び口を開く。
「前に零があがり症を克服する為のメソッドが書かれた教材をすすめて来たんやけど、やっぱ試しておくべきやったかな〜。80万って言ってたんやけど、克服出来るなら安いもんやろ!」
「それ絶対あかんやつやん!」
零のやつ、まだ盧笙をからかって遊んどんのかい!
あいつには俺から強く言っておくとして……。俺達の為に頑張ってくれようとする盧笙には、嬉しい気持ちしかない。
るあきに視線を移すと、俺を見上げて何か言いた気に口をぱくぱくさせていた。
「ん? どないしたん、るあき」
「……結婚、考えてくれてたりするのかなぁって」
「そりゃあ勿論、今すぐにでもって思うとったけど……芸人の奥さんなんて色々苦労掛けるやろうし……」
そんな言い訳じみた事を呟くと、るあきはキリッとした表情を見せる。
「簓くんと付き合い始めた時から、覚悟はしてるつもりだよ。それに簓くんとなら、きっと苦労より楽しい事の方が多いって信じてるから」
「るあき……!」
可愛いだけやなく格好良さも兼ね備えとるなんて、なんやもう俺には勿体無い気さえして来る。
でも俺も男や! この流れで格好良くプロポーズ決めたるで!
そう決心し口を開いた時、盧笙が熱く泣きながら叫んだ。
「愛やなぁ!!!」
「も〜なんでお前がそんなに泣いとんねん!」
るあきも小さく声を上げて笑っている。
俺は盧笙に箱ティッシュを渡し、いつプロポーズを決行するかを頭の片隅で練り直していたのだった。
─ END ─
【あとがき】
エセ関西弁で堪忍やで!
2025/03/23
