MAD TRIGGER CREW
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。*゚+──Happy Valentine’s Day!
今日はバレンタインデーだ。
しかし、理鶯くんは甘いものは苦手らしい。どうしようか散々悩んで、私は彼が愛用している調味料セットを贈る事にした。
なかなか手に入らない代物らしいが、運良く手に入れる事が出来た私は、綺麗にラッピングしてもらったそれを携え待ち合わせ場所へ向かう。
プレゼント喜んでくれるかな、と軽い足取りで歩いていると、待ち合わせ場所に立つ理鶯くんの姿が目に入った。
その顔立ちと長身とスタイルの良さで、彼はどうしても目立ってしまう。今日も通りすがりの女性達が、熱心に理鶯くんを見詰めていた。
「モデルみたいだなぁ……」
そう呟いてから、私は彼の元へ駆ける。
「理鶯くん、お待たせ」
「るあき」
優しい笑顔で私の名前を呼ぶ彼に、同じく笑顔を返す。そして自然と繋がれた彼の左手の温もりに、再び笑みがこぼれた。
今の時刻は、午後六時を少し回った所である。街が丁度イルミネーションで煌めく頃だ。
素敵な夜景が広がるスポットに到着すると、恋人達が寄り添い愛を囁き合っていた。気恥ずかしさを覚えつつ、私達も混ざって景色を眺める。
「やっぱりヨコハマの夜景は綺麗だね。この時期はイルミネーションもあって更に綺麗」
そう言うと、理鶯くんは繋いでいる手を自らの口元に運び、私の手の甲にキスをした。
わざとらしく音を立てて、照れる私を楽しそうな表情で見詰める。
「そうだな。しかし、るあきの方が綺麗だ」
「理鶯くん、いつからそんな台詞言えるようになったの……」
照れからそう早口で呟いたが、彼の耳には届いていないようだ。
最初の頃はイルミネーションを綺麗だと言った私に、「敵にすぐ見付かりそうだな」って真面目な顔で言っていたのに……。
いつの間にか甘い言葉を放つようになった理鶯くんに、私は心臓を酷使させている。
「るあき、寒くはないか? そろそろ移動するとしよう」
夜景を眺めながらしばらく会話を楽しんでいた時、優しい理鶯くんは私の頬に手を当てながら言った。
「そうだね。あ、その前に、一緒に写真撮ろうよ」
インカメラを起動させ、夜景をバックに顔を寄せ合う。そして画面をタップした瞬間、頬に熱が触れた。その理由に気付くと、私の心臓は再び忙しなく動き出す。
思わず理鶯くんを見上げると、今度は唇にキスを落とされた。啄むような口付けを何度か繰り返し、彼は満足そうに微笑む。
いつも理鶯くんのペースに乗せられるのが悔しくて、背伸びをして彼の頬を軽くつまんでやると、「まだ足りなかったか?」と笑われ私はまたペースを乱された。
そんな理鶯くんと手を繋ぎながら移動した先は、彼のキャンプ地である。
パチパチと音を立てて燃える焚き火に両手を当てて温まっていると、理鶯くんの姿が見えない事に気付いた。
夕食の仕度でもしているのだろうかと感じた所で、すっかり忘れていた事を思い出す。本来の目的と言っても過言ではないそれを鞄から取り出していると、理鶯くんに名前を呼ばれた。
振り返ると、目の前には薔薇の花束を持った理鶯くんが立っている。
「その花束って、もしかして私に……?」
「ああ。今日はバレンタインデーだからな。るあきへプレゼントだ」
綺麗にまとめられた五本の薔薇は上品な香りを放ち、私の鼻腔を甘く擽 る。
人生で初めて貰った花束に添えられたメッセージカードには、「I'm so glad to have met you!」と綺麗な文字で書かれていた。
「ありがとう、理鶯くん。私も、理鶯くんにバレンタインのプレゼント持って来たの」
ラッピングされた小さな箱を彼に手渡すと、彼はお礼の言葉と共に開けて良いかとわくわくした様子で聞いて来た。
「もちろん。気に入ってくれると嬉しいな」
綺麗にラッピングを剥がした理鶯くんは、プレゼントの中身が分かると嬉しそうな顔で調味料セットを見詰める。
「早速、ありがたく使わせてもらおう」
「理鶯くんが作るご飯、楽しみにしてるね」
焚き火に当たりながら彼を眺めていると、やがて薔薇の香りと共に何かの肉が焼ける香ばしい匂いが辺りに漂い始めた。
「さぁ、存分に味わってくれ」
静かな森の中で、理鶯くんと二人きりの時間を楽しむ。
チョコよりも甘い……なんて使い古されたありきたりな比喩だが、理鶯くんはいつも以上に甘い気がする。
「理鶯くん、これからも宜しくね」
「ああ、こちらこそ。愛してる、るあき」
そう言い私の頬を撫でる理鶯くんをじっと見詰めると、彼は短く笑った後、ゆっくりと顔を近付けて来た。
私が目を閉じると、そっと唇同士が触れる。
また理鶯くんのペースに飲まれてるな、とぼんやり思いながら、夜と共に次第にキスも深まって行った。
─ END ─
【あとがき】
大遅刻バレンタイン。
アメリカのバレンタインについて調べたら理鶯さんにぴったりで書きたい&読みたい欲が出たのでなんとか書き上げました。
2025/02/22
今日はバレンタインデーだ。
しかし、理鶯くんは甘いものは苦手らしい。どうしようか散々悩んで、私は彼が愛用している調味料セットを贈る事にした。
なかなか手に入らない代物らしいが、運良く手に入れる事が出来た私は、綺麗にラッピングしてもらったそれを携え待ち合わせ場所へ向かう。
プレゼント喜んでくれるかな、と軽い足取りで歩いていると、待ち合わせ場所に立つ理鶯くんの姿が目に入った。
その顔立ちと長身とスタイルの良さで、彼はどうしても目立ってしまう。今日も通りすがりの女性達が、熱心に理鶯くんを見詰めていた。
「モデルみたいだなぁ……」
そう呟いてから、私は彼の元へ駆ける。
「理鶯くん、お待たせ」
「るあき」
優しい笑顔で私の名前を呼ぶ彼に、同じく笑顔を返す。そして自然と繋がれた彼の左手の温もりに、再び笑みがこぼれた。
今の時刻は、午後六時を少し回った所である。街が丁度イルミネーションで煌めく頃だ。
素敵な夜景が広がるスポットに到着すると、恋人達が寄り添い愛を囁き合っていた。気恥ずかしさを覚えつつ、私達も混ざって景色を眺める。
「やっぱりヨコハマの夜景は綺麗だね。この時期はイルミネーションもあって更に綺麗」
そう言うと、理鶯くんは繋いでいる手を自らの口元に運び、私の手の甲にキスをした。
わざとらしく音を立てて、照れる私を楽しそうな表情で見詰める。
「そうだな。しかし、るあきの方が綺麗だ」
「理鶯くん、いつからそんな台詞言えるようになったの……」
照れからそう早口で呟いたが、彼の耳には届いていないようだ。
最初の頃はイルミネーションを綺麗だと言った私に、「敵にすぐ見付かりそうだな」って真面目な顔で言っていたのに……。
いつの間にか甘い言葉を放つようになった理鶯くんに、私は心臓を酷使させている。
「るあき、寒くはないか? そろそろ移動するとしよう」
夜景を眺めながらしばらく会話を楽しんでいた時、優しい理鶯くんは私の頬に手を当てながら言った。
「そうだね。あ、その前に、一緒に写真撮ろうよ」
インカメラを起動させ、夜景をバックに顔を寄せ合う。そして画面をタップした瞬間、頬に熱が触れた。その理由に気付くと、私の心臓は再び忙しなく動き出す。
思わず理鶯くんを見上げると、今度は唇にキスを落とされた。啄むような口付けを何度か繰り返し、彼は満足そうに微笑む。
いつも理鶯くんのペースに乗せられるのが悔しくて、背伸びをして彼の頬を軽くつまんでやると、「まだ足りなかったか?」と笑われ私はまたペースを乱された。
そんな理鶯くんと手を繋ぎながら移動した先は、彼のキャンプ地である。
パチパチと音を立てて燃える焚き火に両手を当てて温まっていると、理鶯くんの姿が見えない事に気付いた。
夕食の仕度でもしているのだろうかと感じた所で、すっかり忘れていた事を思い出す。本来の目的と言っても過言ではないそれを鞄から取り出していると、理鶯くんに名前を呼ばれた。
振り返ると、目の前には薔薇の花束を持った理鶯くんが立っている。
「その花束って、もしかして私に……?」
「ああ。今日はバレンタインデーだからな。るあきへプレゼントだ」
綺麗にまとめられた五本の薔薇は上品な香りを放ち、私の鼻腔を甘く
人生で初めて貰った花束に添えられたメッセージカードには、「I'm so glad to have met you!」と綺麗な文字で書かれていた。
「ありがとう、理鶯くん。私も、理鶯くんにバレンタインのプレゼント持って来たの」
ラッピングされた小さな箱を彼に手渡すと、彼はお礼の言葉と共に開けて良いかとわくわくした様子で聞いて来た。
「もちろん。気に入ってくれると嬉しいな」
綺麗にラッピングを剥がした理鶯くんは、プレゼントの中身が分かると嬉しそうな顔で調味料セットを見詰める。
「早速、ありがたく使わせてもらおう」
「理鶯くんが作るご飯、楽しみにしてるね」
焚き火に当たりながら彼を眺めていると、やがて薔薇の香りと共に何かの肉が焼ける香ばしい匂いが辺りに漂い始めた。
「さぁ、存分に味わってくれ」
静かな森の中で、理鶯くんと二人きりの時間を楽しむ。
チョコよりも甘い……なんて使い古されたありきたりな比喩だが、理鶯くんはいつも以上に甘い気がする。
「理鶯くん、これからも宜しくね」
「ああ、こちらこそ。愛してる、るあき」
そう言い私の頬を撫でる理鶯くんをじっと見詰めると、彼は短く笑った後、ゆっくりと顔を近付けて来た。
私が目を閉じると、そっと唇同士が触れる。
また理鶯くんのペースに飲まれてるな、とぼんやり思いながら、夜と共に次第にキスも深まって行った。
─ END ─
【あとがき】
大遅刻バレンタイン。
アメリカのバレンタインについて調べたら理鶯さんにぴったりで書きたい&読みたい欲が出たのでなんとか書き上げました。
2025/02/22
