MAD TRIGGER CREW
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。*゚+──キッチリ仕留める獲物100%
我々MTCは、情報共有の為に集合する事が度々ある。
今日もその予定なのだが、約束の時間を十五分過ぎても左馬刻は姿を現さない。
「あの馬鹿、まさかパクられてんじゃないだろうな」
厄介事は御免だと言わんばかりに深い溜息を吐き出す銃兎を見詰め、間を持たせる為ではないが小官は銃兎に問い掛けた。
「銃兎、るあきを覚えているか?」
「るあき……黒椿るあきさんですか。この前の件で知り合った方ですね。どうしたんです?」
「小官は彼女の事が好きなのだが、彼女はこちらの事をどう思っているのか……いわゆる脈アリというやつなのか、銃兎の意見を聞きたい」
「ほう……」
そう返す銃兎は、今までで見た事の無い類いの表情をしている。
「まず、理鶯から黒椿さんにどのようなアプローチをしたんですか?」
「そうだな、先日は小官の手料理を振る舞った」
「それは……どんな反応でした? ひとくちでも食べたんです……?」
「綺麗に完食していたぞ」
そう小官が返答すると、銃兎は口を開け驚きの表情を見せた。しかしすぐに頭を抑え、何やら呟いている。
「いや、理鶯にあの表情をされたとしたら食べざるを得ないか……彼女の場合はきっと断り切れないだろうからな……でも完食か……」
「銃兎?」
「いえ、すみません。手料理を振る舞ってからも、彼女とは会ったりしていたんですか?」
「ああ、るあきの方から誘いの連絡が来る事もある」
「もう完全に脈アリですよそれ」
「そうなのか」
銃兎が言うのならば、きっとそうなのだろう。まだ確信を得た訳では無いが、内心喜んでいる自分が居る。
「料理の他に、何か『貴女の事が好きですよ』というアピールはしたんですか?」
その質問に、小官は腕を組んで思考を巡らせる。
「初めて彼女が小官のベースに来た時、手を引いて先導したな。他にも、ガラの悪い男に話し掛けられて困っていた時、間に入って助けた事もある」
銃兎は顎に手を添え、小官を見上げた。
「左馬刻がやるならともかく、理鶯は元が良い人ですから、彼女に好意が伝わっていない可能性が高いですね。ストレートに伝えた方が良いと思いますよ」
銃兎のアドバイスを脳内に書き記していた時、ようやく左馬刻がやって来た。
「よう、遅くなった。……ところでよ、理鶯。てめぇ好きな女とか居ねぇのか」
「む、まさに今その話をしていた所だ」
「んだよ、警察は恋愛相談も請け負ってんのか?」
左馬刻が口の片端を上げて笑う。その口に煙草を納め、ゆっくりと紫煙を吐いた。
「相手は誰だよ? 俺様が知ってる奴か?」
「るあきだ」
「……まじかよ」
左馬刻は今まで見た事の無い表情で煙草を咥えている。
「まさか、左馬刻もるあきが好きなのか? すまないが左馬刻が相手でも、小官に諦めるという選択肢は無いぞ」
牽制するように言うと、左馬刻は短く笑って煙草を指に挟めた。
「んな怖ぇ顔すんなよ。あの女は俺様の好みじゃねぇ」
「ふむ」
上手く言い表せないが、そう返されるのも釈然としない。
「まぁ、てめぇは安心してプロポーズなりなんなりしろって話だ。理鶯の恋路を邪魔する奴は、この左馬刻様が蹴り殺してやんよ」
その言葉に銃兎がふっと笑うと、手をパンと打ち鳴らした。
「さて、コイバナは此処までとして、昇鯉 組についての情報を共有しましょうか」
「結局またコイバナじゃねぇか」
この数日後。街でるあきに会い、今日得たアドバイスを実践する事になるのだが、それはまた機会があれば話すとしよう。
─ END ─
【あとがき】
夢主視点のこちらもどうぞ。
▶I promise to love you forever.
2024/11/30
我々MTCは、情報共有の為に集合する事が度々ある。
今日もその予定なのだが、約束の時間を十五分過ぎても左馬刻は姿を現さない。
「あの馬鹿、まさかパクられてんじゃないだろうな」
厄介事は御免だと言わんばかりに深い溜息を吐き出す銃兎を見詰め、間を持たせる為ではないが小官は銃兎に問い掛けた。
「銃兎、るあきを覚えているか?」
「るあき……黒椿るあきさんですか。この前の件で知り合った方ですね。どうしたんです?」
「小官は彼女の事が好きなのだが、彼女はこちらの事をどう思っているのか……いわゆる脈アリというやつなのか、銃兎の意見を聞きたい」
「ほう……」
そう返す銃兎は、今までで見た事の無い類いの表情をしている。
「まず、理鶯から黒椿さんにどのようなアプローチをしたんですか?」
「そうだな、先日は小官の手料理を振る舞った」
「それは……どんな反応でした? ひとくちでも食べたんです……?」
「綺麗に完食していたぞ」
そう小官が返答すると、銃兎は口を開け驚きの表情を見せた。しかしすぐに頭を抑え、何やら呟いている。
「いや、理鶯にあの表情をされたとしたら食べざるを得ないか……彼女の場合はきっと断り切れないだろうからな……でも完食か……」
「銃兎?」
「いえ、すみません。手料理を振る舞ってからも、彼女とは会ったりしていたんですか?」
「ああ、るあきの方から誘いの連絡が来る事もある」
「もう完全に脈アリですよそれ」
「そうなのか」
銃兎が言うのならば、きっとそうなのだろう。まだ確信を得た訳では無いが、内心喜んでいる自分が居る。
「料理の他に、何か『貴女の事が好きですよ』というアピールはしたんですか?」
その質問に、小官は腕を組んで思考を巡らせる。
「初めて彼女が小官のベースに来た時、手を引いて先導したな。他にも、ガラの悪い男に話し掛けられて困っていた時、間に入って助けた事もある」
銃兎は顎に手を添え、小官を見上げた。
「左馬刻がやるならともかく、理鶯は元が良い人ですから、彼女に好意が伝わっていない可能性が高いですね。ストレートに伝えた方が良いと思いますよ」
銃兎のアドバイスを脳内に書き記していた時、ようやく左馬刻がやって来た。
「よう、遅くなった。……ところでよ、理鶯。てめぇ好きな女とか居ねぇのか」
「む、まさに今その話をしていた所だ」
「んだよ、警察は恋愛相談も請け負ってんのか?」
左馬刻が口の片端を上げて笑う。その口に煙草を納め、ゆっくりと紫煙を吐いた。
「相手は誰だよ? 俺様が知ってる奴か?」
「るあきだ」
「……まじかよ」
左馬刻は今まで見た事の無い表情で煙草を咥えている。
「まさか、左馬刻もるあきが好きなのか? すまないが左馬刻が相手でも、小官に諦めるという選択肢は無いぞ」
牽制するように言うと、左馬刻は短く笑って煙草を指に挟めた。
「んな怖ぇ顔すんなよ。あの女は俺様の好みじゃねぇ」
「ふむ」
上手く言い表せないが、そう返されるのも釈然としない。
「まぁ、てめぇは安心してプロポーズなりなんなりしろって話だ。理鶯の恋路を邪魔する奴は、この左馬刻様が蹴り殺してやんよ」
その言葉に銃兎がふっと笑うと、手をパンと打ち鳴らした。
「さて、コイバナは此処までとして、
「結局またコイバナじゃねぇか」
この数日後。街でるあきに会い、今日得たアドバイスを実践する事になるのだが、それはまた機会があれば話すとしよう。
─ END ─
【あとがき】
夢主視点のこちらもどうぞ。
▶I promise to love you forever.
2024/11/30
