Dream
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私は理鶯さんの事が大好きだ。勿論、LikeではなくLoveの方の好きである。
精悍な顔や、低く落ち着いた声は言うまでも無く好きだ。
料理上手な所も良い。「苦手な物はあるか」と聞いてくれる所も好き。「虫やヤモリはちょっと…」と答えると、「そうか」と悲し気な顔をされた時は、思わず「食べます」と答えてしまった。そして「そうか」と嬉しそうに笑った彼の顔は、何処か幼く見えてとても可愛かったのを覚えている。
初めて彼が住む森へ訪れた時は、足場が悪いからと手を引いてエスコートもしてくれた。
街でしつこいナンパに遭遇した時は、「彼女に何か用か」と守ってくれた事もある。
ふと「今日は大変でした」と愚痴をこぼすと、「一日よく頑張ったな」と労 りの言葉を掛けて頭を撫でてくれた事もあった。
他にもまだまだ理鶯さんの好きな所や、優しさあふれるエピソードはあるが今は割愛しよう。
「んで、結局お前は何が言いてぇんだよ」
退屈そうな顔で煙草を咥えた左馬刻さんが、さっさと結論を話せと急かして来た。
「つまりですね、理鶯さんは皆に優しいじゃないですか。でも片想いしてる身としては、その辺は嫉妬してしまうと言いますか…。分け隔て無く全員に優しい理鶯さんを好きになったので、複雑なんです」
そう答えると、左馬刻さんは眉間に皺を寄せる。
「長ぇ。要するに、理鶯に特別扱いして欲しいっつー事だろ」
私の我が儘な気持ちをスパッと言葉にされ、思わず口ごもってしまう。
「あいつも変な所で鈍感だからな。言わなきゃ伝わんねぇぞ」
「本人に直接言えるなら、今こうして左馬刻さんに相談なんてしてないですよ!」
「チッ、面倒くせぇ…」
言いながら、左馬刻さんは雑に煙草の火を消した。
「左馬刻さん何処行くんですか!まだ相談の途中なんですけど!」
「うるせぇ…。銃兎と理鶯と約束があんだよ」
「理鶯さんに会うんですか!?ちょっと、それとなく好きな人が居ないかとか、好きなタイプとか、聞き出してくれません!?」
必死な私を見て、左馬刻さんは少し引いている。しかし、頼みの綱は彼しか居ないのだ。
「おう…。覚えてたら聞いといてやんよ」
それから数日後。
街を歩く理鶯さんと左馬刻さんと銃兎さんを見掛けたので、私は彼等の名前を呼んだ。振り向いた三人に手を振りながら駆け寄ると、段差に気付かず躓いてしまった。
「わっ!……と」
「大丈夫か、るあき」
耳元で聴こえる大好きな声に驚いて、恐怖から固く閉じていた瞼を開くと、目の前には理鶯さんが居た。転びそうになった私を抱き留めてくれたらしい。
「だ、大丈夫です。ありがとうございます」
「るあきはお転婆娘だな。怪我が無くて良かった」
そう言い優しく微笑む顔は今日も格好良い。
「あの、理鶯さん、もう離してくれて大丈夫ですよ…?」
むしろ離してくれないとこちらの身が保たない。しかし、理鶯さんは離れるどころか私を軽々と抱き上げた。
「ひぃ…理鶯さんにお姫様抱っこされてる…」
「また転んでしまうといけないからな。何処へ行く?存分に甘えてくれて構わないぞ」
ちゃっかり理鶯さんの首に手を回しているが、頭の中は混乱している。左馬刻さんに視線を向けると、彼は私に向かって親指を立てていた。
「理鶯さん、なんか、いつもより更に優しいというか、あ、甘いというか……他の女の子にも、此処までするんですか…?」
「む、るあきが好きだからだ。るあき以外に此処までする事は無いだろうな」
私の目を見てはっきりとそう言う理鶯さん。お姫様抱っこで顔も近い。しかも今、好きって言った?彼に聴こえてしまうのではないかというくらい、私の心臓はドキドキバクバクと忙しなく動いている。
「今までもアプローチはしていたつもりだったが…ストレートに伝えた方が良いとアドバイスを貰ったものでな」
「私達、りょ、両想いだったって事ですか…?」
「るあきが小官の事を好きだと思ってくれているならば、そうなるな」
予想していなかった夢のような一言だ。
「す、好きです!ずっと理鶯さんの事が好きでした!良かったらその……私と、ッ!」
勢いに任せて告白してしまおうとする私の唇に、理鶯さんは触れるだけのキスを落とした。
「…その先は、小官に言わせてもらえないだろうか」
そう呟くと、理鶯さんは私をそっと腕から降ろした。そして私の手を取って恭しく傅 く。
「小官の命が尽きるまで、傍で貴女の事を守らせて欲しい。I want to spend the rest of my life with you.るあき、返事を聞かせてもらえるか?」
いつになく真剣で熱っぽい彼の瞳に、返す言葉は決まっている。
「はい、宜しくお願いします」
そう答えると、再び理鶯さんは私をお姫様抱っこした。照れながらも、彼の首に手を回して顔を寄せる。
いつの間にか出来ていた人だかりは、盛大な拍手で私達を祝福してくれた。銃兎さんを見ると、嬉しそうに笑って拍手をしている。左馬刻さんは、腕を組んでうんうんと満足そうに頷いていた。
「るあき、小官が居るのに余所見か?」
急に名前を呼ばれ理鶯さんに視線を移すと、彼は少し拗ねたような顔をしている。理鶯さんの新たな表情を知れて、私の頬は一気に緩んだ。
「ふふ、すみません。理鶯さんもヤキモチ焼くんですね」
「るあきの事になると余裕が無くなってしまうようだな」
そう言い彼は額をこつんと合わせて来た。慣れない近さに驚いて目を閉じると、先程よりも長いキスが優しく唇に落とされる。やがてその熱が離れ、名残惜し気に理鶯さんを見詰めると、彼は慈しむような笑顔を見せた。
「I promise to love you forever.」
─ END ─
【あとがき】
2024/10/18
精悍な顔や、低く落ち着いた声は言うまでも無く好きだ。
料理上手な所も良い。「苦手な物はあるか」と聞いてくれる所も好き。「虫やヤモリはちょっと…」と答えると、「そうか」と悲し気な顔をされた時は、思わず「食べます」と答えてしまった。そして「そうか」と嬉しそうに笑った彼の顔は、何処か幼く見えてとても可愛かったのを覚えている。
初めて彼が住む森へ訪れた時は、足場が悪いからと手を引いてエスコートもしてくれた。
街でしつこいナンパに遭遇した時は、「彼女に何か用か」と守ってくれた事もある。
ふと「今日は大変でした」と愚痴をこぼすと、「一日よく頑張ったな」と
他にもまだまだ理鶯さんの好きな所や、優しさあふれるエピソードはあるが今は割愛しよう。
「んで、結局お前は何が言いてぇんだよ」
退屈そうな顔で煙草を咥えた左馬刻さんが、さっさと結論を話せと急かして来た。
「つまりですね、理鶯さんは皆に優しいじゃないですか。でも片想いしてる身としては、その辺は嫉妬してしまうと言いますか…。分け隔て無く全員に優しい理鶯さんを好きになったので、複雑なんです」
そう答えると、左馬刻さんは眉間に皺を寄せる。
「長ぇ。要するに、理鶯に特別扱いして欲しいっつー事だろ」
私の我が儘な気持ちをスパッと言葉にされ、思わず口ごもってしまう。
「あいつも変な所で鈍感だからな。言わなきゃ伝わんねぇぞ」
「本人に直接言えるなら、今こうして左馬刻さんに相談なんてしてないですよ!」
「チッ、面倒くせぇ…」
言いながら、左馬刻さんは雑に煙草の火を消した。
「左馬刻さん何処行くんですか!まだ相談の途中なんですけど!」
「うるせぇ…。銃兎と理鶯と約束があんだよ」
「理鶯さんに会うんですか!?ちょっと、それとなく好きな人が居ないかとか、好きなタイプとか、聞き出してくれません!?」
必死な私を見て、左馬刻さんは少し引いている。しかし、頼みの綱は彼しか居ないのだ。
「おう…。覚えてたら聞いといてやんよ」
それから数日後。
街を歩く理鶯さんと左馬刻さんと銃兎さんを見掛けたので、私は彼等の名前を呼んだ。振り向いた三人に手を振りながら駆け寄ると、段差に気付かず躓いてしまった。
「わっ!……と」
「大丈夫か、るあき」
耳元で聴こえる大好きな声に驚いて、恐怖から固く閉じていた瞼を開くと、目の前には理鶯さんが居た。転びそうになった私を抱き留めてくれたらしい。
「だ、大丈夫です。ありがとうございます」
「るあきはお転婆娘だな。怪我が無くて良かった」
そう言い優しく微笑む顔は今日も格好良い。
「あの、理鶯さん、もう離してくれて大丈夫ですよ…?」
むしろ離してくれないとこちらの身が保たない。しかし、理鶯さんは離れるどころか私を軽々と抱き上げた。
「ひぃ…理鶯さんにお姫様抱っこされてる…」
「また転んでしまうといけないからな。何処へ行く?存分に甘えてくれて構わないぞ」
ちゃっかり理鶯さんの首に手を回しているが、頭の中は混乱している。左馬刻さんに視線を向けると、彼は私に向かって親指を立てていた。
「理鶯さん、なんか、いつもより更に優しいというか、あ、甘いというか……他の女の子にも、此処までするんですか…?」
「む、るあきが好きだからだ。るあき以外に此処までする事は無いだろうな」
私の目を見てはっきりとそう言う理鶯さん。お姫様抱っこで顔も近い。しかも今、好きって言った?彼に聴こえてしまうのではないかというくらい、私の心臓はドキドキバクバクと忙しなく動いている。
「今までもアプローチはしていたつもりだったが…ストレートに伝えた方が良いとアドバイスを貰ったものでな」
「私達、りょ、両想いだったって事ですか…?」
「るあきが小官の事を好きだと思ってくれているならば、そうなるな」
予想していなかった夢のような一言だ。
「す、好きです!ずっと理鶯さんの事が好きでした!良かったらその……私と、ッ!」
勢いに任せて告白してしまおうとする私の唇に、理鶯さんは触れるだけのキスを落とした。
「…その先は、小官に言わせてもらえないだろうか」
そう呟くと、理鶯さんは私をそっと腕から降ろした。そして私の手を取って恭しく
「小官の命が尽きるまで、傍で貴女の事を守らせて欲しい。I want to spend the rest of my life with you.るあき、返事を聞かせてもらえるか?」
いつになく真剣で熱っぽい彼の瞳に、返す言葉は決まっている。
「はい、宜しくお願いします」
そう答えると、再び理鶯さんは私をお姫様抱っこした。照れながらも、彼の首に手を回して顔を寄せる。
いつの間にか出来ていた人だかりは、盛大な拍手で私達を祝福してくれた。銃兎さんを見ると、嬉しそうに笑って拍手をしている。左馬刻さんは、腕を組んでうんうんと満足そうに頷いていた。
「るあき、小官が居るのに余所見か?」
急に名前を呼ばれ理鶯さんに視線を移すと、彼は少し拗ねたような顔をしている。理鶯さんの新たな表情を知れて、私の頬は一気に緩んだ。
「ふふ、すみません。理鶯さんもヤキモチ焼くんですね」
「るあきの事になると余裕が無くなってしまうようだな」
そう言い彼は額をこつんと合わせて来た。慣れない近さに驚いて目を閉じると、先程よりも長いキスが優しく唇に落とされる。やがてその熱が離れ、名残惜し気に理鶯さんを見詰めると、彼は慈しむような笑顔を見せた。
「I promise to love you forever.」
─ END ─
【あとがき】
2024/10/18
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