Dream
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今日は十五夜。Bad Ass Templeの三人で集まってお月見をするらしい。そんな家族の集まりに急遽誘われて、私は空厳寺に来ていた。
美味しい夕飯を御馳走になり、今は縁側でまったり満月を眺めながらお団子を頂いている。
「ちゃんとお月見をしたのって初めてかも知れません。賑やかで楽しいですね」
空却くんと十四くんは境内を走り回っていたと思いきや、急に立ち止まって月を見上げる。そしてまた追い掛けっこを再開する。そんな二人を眺めて呟くと、隣に座る獄さんがお猪口を持ちながら言った。
「毎日のようにされちゃあ、賑やかどころじゃねぇけどな」
そして日本酒を呷る彼の横顔は、なんだか楽しそうだった。親のような優しい獄さんの表情を見ながら、私もお猪口に注がれた日本酒を口に含む。
「さっき十四くんが、二十歳になったら自分も混ぜて欲しいっす!って言ってたんですよ」
数年後も変わらず皆と居られるのかと思うと、思わず頬が緩んでしまう。
「来年は空却が二十歳だから、るあきと静かに月見酒をするのも最初で最後かも知れないな」
「じゃあ今日は、この時間を目一杯楽しんでおきましょうか」
私達は再びお猪口を傾ける。雲ひとつ無い空を見上げて、私はそっと呟いた。
「今夜は本当に月が綺麗ですね」
獄さんは、ふっと笑うと右手を伸ばして月に翳 す。
「今ならきっと、手が届くだろうな」
その瞳は何処か切なげに揺れていた。
─ END ─
【あとがき】
十五夜だいぶ過ぎましたが、ようやく書き終えたので掲載します。
▶Full moon night─DOPPO
▶Full moon night─14th Moon
2024/09/29
美味しい夕飯を御馳走になり、今は縁側でまったり満月を眺めながらお団子を頂いている。
「ちゃんとお月見をしたのって初めてかも知れません。賑やかで楽しいですね」
空却くんと十四くんは境内を走り回っていたと思いきや、急に立ち止まって月を見上げる。そしてまた追い掛けっこを再開する。そんな二人を眺めて呟くと、隣に座る獄さんがお猪口を持ちながら言った。
「毎日のようにされちゃあ、賑やかどころじゃねぇけどな」
そして日本酒を呷る彼の横顔は、なんだか楽しそうだった。親のような優しい獄さんの表情を見ながら、私もお猪口に注がれた日本酒を口に含む。
「さっき十四くんが、二十歳になったら自分も混ぜて欲しいっす!って言ってたんですよ」
数年後も変わらず皆と居られるのかと思うと、思わず頬が緩んでしまう。
「来年は空却が二十歳だから、るあきと静かに月見酒をするのも最初で最後かも知れないな」
「じゃあ今日は、この時間を目一杯楽しんでおきましょうか」
私達は再びお猪口を傾ける。雲ひとつ無い空を見上げて、私はそっと呟いた。
「今夜は本当に月が綺麗ですね」
獄さんは、ふっと笑うと右手を伸ばして月に
「今ならきっと、手が届くだろうな」
その瞳は何処か切なげに揺れていた。
─ END ─
【あとがき】
十五夜だいぶ過ぎましたが、ようやく書き終えたので掲載します。
▶Full moon night─DOPPO
▶Full moon night─14th Moon
2024/09/29
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