仲介優秀弟弟子くん

  • ヴァレッタ

    ジェイドならすぐやってくれた!

  • ヴァレッタ

    ジェイドはすぐ買ってきてくれた!

  • ヴァレッタ

    ジェイドだったら……!

  • シルバー

    ならばジェイドと来ればいいだろう。

  • ヴァレッタ

    え……?

  • シルバー

    ………。

  • ─────

  • セベク

    …それで、帰って来てから陰鬱な顔をしているという訳か。

  • シルバー

    ………。

  • セベク

    くだらん!!…が、他人と比べられて気分がいい訳がない。ましてや所謂デートと呼ばれるものの最中に他の男と比較するなどどういう神経をしているんだ全く…。

  • シルバー

    …だが途中で帰って来てしまった事は謝らなければ。すまないセベク。話を聞いてくれて感謝する。

  • セベク

    お前が謝る必要がどこにある!!反省するべきはヴァレッタ先輩だろう!向こうから謝ってくるまで惰眠でも貪ってじっとしていろ!!!

  • シルバー

    しかし……それではもう二度と顔を合わせる事が出来ない……。

  • セベク

    な……、悪い事を自覚せず謝って来る事もないと確信するな!!もっとまともな信頼関係を築かんか!!!!

  • シルバー

    うっ…耳が痛い………。

  • セベク

    とにかく!!お前から謝りに行くような真似はするなよ!!!

  • ─────

  • セベク

    ん、あれは……おい!ヴァレッタ先輩!!!

  • ヴァレッタ

    ………。

  • セベク

    聞こえないのか?…おい!!無視をするな!!

  • ヴァレッタ

    うるせぇな…俺は今機嫌が悪ぃんだ……って、セベクか。何か用?

  • セベク

    何か用?ではない!貴様、今日の自分の行動を振り返って反省すべき点がある事を自覚しろ!!

  • ヴァレッタ

    急に何の話だよ。私は今落ち込んでいるんだ。どっか行ってくれ。

  • セベク

    落ち込んでいる人間は今にも人を殺しそうな顔をしていないと思うが…。その様子では、やはりな…。

  • セベク

    今日はシルバーと出掛けたのだろう。何故こんな所にいる?まだ昼にもなっていないじゃないか。

  • ヴァレッタ

    こっちが知りてぇよ。

  • ヴァレッタ

    私はただシルバーと一緒に居たかっただけなのに急に帰っちゃって意味分かんねぇし。…なんか怒ってたみたいで…どうしたらいいか分かんない…。

  • セベク

    本当に分からないのか?ジェイド先輩の話ばかりしていたらしいじゃないか。

  • ヴァレッタ

    あ?誰がシルバーといる時にジェイドの話なんかするかよ。

  • セベク

    無自覚とはタチが悪い。事ある事に他人と比較されてはいくらぼーっとしたあの間抜けなシルバーでも腹を立てて当然だろう!

  • ヴァレッタ

    間抜け……オイ、次シルバーの悪口言ったらいくらお前でも関節捩じ切るぞ。

  • セベク

    っ…悪口ではなく事実だろう!!それに!シルバーは僕に間抜けと言われるよりも、貴様が他の男の話をする方がよっぽど嫌がるという事を教えておいてやる!!感謝しろ!!!

  • ヴァレッタ

    ………ん?

  • セベク

    ………ん?とは何だ…?ここまで言ったのにまだ分からないのか?

  • ヴァレッタ

    えっと……シルバーはやっぱり怒ってるのかな?

  • セベク

    ああ。貴様がジェイド先輩の話ばかりしたせいだ。

  • ヴァレッタ

    ジェイドの事が嫌いなの…?

  • セベク

    そうではない。比較する事が問題なのだ。

  • ヴァレッタ

    比較……前に別な奴と来た時はこうだったって言っただけだと思うけど…。

  • セベク

    それでジェイド先輩ばかり出てくるなら、ジェイド先輩と時間を共有し過ぎだ。仮にも”交際”をしているのなら、今後はシルバーを最優先にするよう努めるんだな。

  • ヴァレッタ

    交際…?よく分からんが、私はシルバーには何でも知っててほしいだけだ…。でも思った事とか全部言うのは良くないのかな。

  • セベク

    時と場合によるだろう。…空気を読め。

  • ヴァレッタ

    空気って……読めるのか!?文字か何かか?浮かび上がるとか…?

  • セベク

    …本気か?

  • ヴァレッタ

    …わ、私は陸の生活が短いんだ!空気に文字があるなんて知らない…。

  • セベク

    ………想像していたよりもずっと、何と言うか………いや、いい。さっき言った事をシルバーに言え。

  • ヴァレッタ

    さっき言った事って何?

  • セベク

    シルバーには何でも知っていてほしいと言った事だ!ついでにただシルバーと一緒に居たかっただけというのも言ってやれ!!

  • ヴァレッタ

    それは…言うとシルバーは嬉しいのか?

  • セベク

    聞かなくても分かるだろう!!!

  • ヴァレッタ

    分かんねーよ!!大体お前がシルバーが喜ぶ事を僕に教えてくれる意味も分かんないし!なんか企んでる!?

  • セベク

    常日頃から謀を巡らせている貴様らオクタヴィネル寮生と一緒にするなよ!!

  • ヴァレッタ

    じゃあ何でだ!?

  • セベク

    これ以上シルバーの辛気臭い顔を見ていてはこっちまで気が滅入ってくる!迷惑だから早く仲直りするように助言してやったのだ!感謝するがいい人魚!!!

  • ヴァレッタ

    そ、そうなのか…!?…そうか。あ…ありがとう…。

  • セベク

    フンッ!!

  • おかげで仲直りできてご機嫌な2人にお礼にご飯を奢ってもらったセベク。

  • 兄弟子のデートに同行している形にふと我に返り僕はここで何をやっているんだ…?となるが嬉しそうな2人を見てまぁいいかとなる弟後輩くんだった。

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