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ヴァレッタ
っ、はぁ……レオナさん……
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レオナ
…………、お前、オスに戻れよ
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ヴァレッタ
えっ!?い、今…?
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レオナ
今
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ヴァレッタ
…や…やだよ。……気分じゃないならそう言えばいいだろ。ここまでしといて…
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レオナ
どこ行く気だ
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ヴァレッタ
離せよ……帰る
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レオナ
嫌がる理由がどこにある?
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ヴァレッタ
はぁ?…そんなの、………メスを抱く気だったんじゃないの?
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レオナ
メスじゃねぇ、お前だ
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ヴァレッタ
え……?オスの体なんて興味ないだろ…?
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レオナ
当然だろ
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ヴァレッタ
じゃ何で…
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レオナ
いいから戻れ
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ヴァレッタ
やだ
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レオナ
何で
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ヴァレッタ
……幻滅されたくないし。……どうせ、醜いと罵倒して捨てるんだろ……
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レオナ
馬鹿にするなよ…
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ヴァレッタ
え、
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レオナ
俺はこれでも王子なんだぜ。王族を侮辱した罪をどう償うつもりだ?
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ヴァレッタ
え……え?
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レオナ
お前が言ったのはこうだ
「遊び人のクソ野郎が薄っぺらい言葉で自分を騙し飽きたら捨てる玩具にした」 -
ヴァレッタ
………?
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レオナ
一途で純粋な俺に対して勘違いからそんな事を言うなんて酷い話だよなぁ?
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ヴァレッタ
意味分かんないし、何で怒ってるのかも分からない
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レオナ
俺はなぁヴァレッタ、こう見えても誠実で尽くすタイプなんだぜ
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ヴァレッタ
は?
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レオナ
誰がお前みたいな"周り"がめんどくせぇ奴に手ェ出すかよ
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ヴァレッタ
………
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レオナ
まだ分からねぇのか。生半可な覚悟でお前を口説いたんじゃねぇって言ってんだ
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ヴァレッタ
……つまり、オスの僕も受け入れると……?
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レオナ
幼なじみの皆々様は知ってるだろ。仮にも"番"になった俺が何も知らないのはおかしいと思わねぇか?
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ヴァレッタ
………私の事は全て知りたいし自分の知らない事を他人が知ってるのが気に食わない…と
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レオナ
俺には知る権利がある
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ヴァレッタ
レオナさん……可愛いね
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レオナ
可愛い俺に隠し事は良くないだろ?
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ヴァレッタ
そう…だな。………でも、
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レオナ
…へぇ……そんなに信用がなかったとはショックだぜ
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ヴァレッタ
オスの自分に自信がないだけだ…。あと、オスで受けた事がない。…抱かれるならメスの体がいい
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レオナ
……………
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ヴァレッタ
信用してない訳じゃないよ……だって、本当はオスだって言った時、それでもいいと…引かなかっただろ。初めてオスの姿を見せた時、罵倒と暴力ではなく……キスをくれた
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ヴァレッタ
嬉しかったんだ……その時から信頼してる
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レオナ
なら何で今 罵倒されて捨てられると思った?
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ヴァレッタ
あの時とは状況が…。今まさにって時に言うから…。…萎えるに決まってるだろ。…あんたは男色家じゃない…
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レオナ
気に食わねぇな。まるで俺が体にしか興味がないとでも言ってるように聞こえる
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ヴァレッタ
え………、…対象がメスなのは事実だろ?
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レオナ
何度も言わせるな。俺はお前を見てんだよ。オスだろうがメスだろうがどうだっていい。どっちにしろお前には違いねぇだろうが
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ヴァレッタ
………よく分からない。…はっきり言って…?
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レオナ
………はぁ。………お前だから惚れた。ただそれだけだ
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ヴァレッタ
………オスの姿でも愛してくれるの?
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レオナ
当然の事をわざわざ確認する意味が分からねぇ。時間の無駄だ
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ヴァレッタ
………っ、
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レオナ
…おい、………何泣いてんだ…
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ヴァレッタ
…泣いてないよ!
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ヴァレッタ
………オスの姿で抱かれた事がない…。…優しく、…慣らしてくれる……?
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レオナ
お前次第だ
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ヴァレッタ
え?
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レオナ
変に煽るなよ…
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ヴァレッタ
ん……、……うん……、
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ヴァレッタ
レオナさん……
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レオナ
何だ
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ヴァレッタ
………大好き、
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レオナ
……………煽るなって言ったはずだが?
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ヴァレッタ
信頼してるよ。優しくしてくれるって…信じてる
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レオナ
……チッ、
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オスの自分が嫌でオスである事がトラウマでどうしても受け入れられなかったヴァレッタくんが初めてオスも悪くないと思った日。
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