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ホテルの部屋がダブルベッドだった。
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ジェイド
おやおや…間違えて予約をしてしまったようだ…困りましたね、ふふ
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困ってない。絶対わざと。
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フロイド
えー狭そう。まぁ寝れりゃ何でも良くね?
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何も考えずよく見ず予約した。
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アズール
?…何か問題でも?
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当然一緒に寝るものだと思っている。
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デュース
はあ!?え、ええっ!?嘘だろォ!?す、す、すみません!!他の部屋空いてないか確認してきます!!!
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普通に間違えた。
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エース
あちゃー…っさせん!こりゃ一緒に寝るしかないっすね!
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多分わざと。
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レオナ
あ?デカい方がいいだろうが
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自分勝手。
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イデア
あ、ぁ…ぁ…、え…
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普通に間違えて語彙力喪失。
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─────
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寝ろよ
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ヴァレッタ
ん…っ、触るな、バカ
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ジェイド
ふふ…
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ヴァレッタ
っぁ…、やだって…っ!お前やっぱりわざとダブルベッドにしただろ!
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ジェイド
誤解です。ただ…据え膳食わぬは何とやら…と言うでしょう?
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ヴァレッタ
誰がお膳だ!どっちが捕食される側か分からせてやる!
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ジェイド
え?あっ、ちょっ…!
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何かをした。
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───
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フロイド
…は?何?誘ってんの?
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ヴァレッタ
違う
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フロイド
じゃあ何で抱きついてんの?
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ヴァレッタ
お前に何度蹴落とされたと思ってんだ
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フロイド
寮のベッドよりでけーから大丈夫だって
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ヴァレッタ
自分の脚の長さと威力を自覚しろ
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フロイド
…あはっ。じゃあギューってしてあげる
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ヴァレッタ
え?おい、あんまり強くギューってしたら苦しいから…
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フロイド
このくらいなら苦しくねぇだろ
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ヴァレッタ
え?うん…
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フロイド
ヴァレッタ持ったまま寝返り打つから
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ヴァレッタ
はあ?いやそれじゃあ…
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フロイド
よいしょっと
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ヴァレッタ
うわっ!
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フロイド
あはっ!楽しいね〜
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ヴァレッタ
楽しくない!これじゃ眠れないだろ!
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フロイド
おやすみ〜
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ヴァレッタ
おい…!
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何度か起こされた。
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───
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ヴァレッタ
アーちゃん寝よう?おいで〜
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アズール
うん
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ヴァレッタ
よしよし♡アーちゃんは今日も素敵だったよ
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アズール
うん
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ヴァレッタ
飛行術で高く飛べてたね。しっかりと目標を達成するなんてやっぱりアズールは凄いや
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アズール
あの程度……君に比べればまだまだだ
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ヴァレッタ
向上心が強い君が大好きだよ
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アズール
…ふふ
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ヴァレッタ
いいカモ……じゃなくて、取引相手との交渉が上手くいって喜ぶ君の顔は最高に眩しかった
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アズール
君も嬉しそうだった
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ヴァレッタ
アズールの嬉しい事は僕も嬉しいからね
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アズール
ふっ
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ヴァレッタ
明日も素敵な君に会えるのが楽しみだ
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アズール
僕も明日が待ち遠しい…
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ヴァレッタ
明日は今日よりもっとたくさんいい事があるよ
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アズール
君もいるから心強い
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ヴァレッタ
えへ、おやすみアズール♡
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アズール
おやすみ
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普段通り。
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───
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デュース
っ………、
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ヴァレッタ
…あの、デュースちゃん
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デュース
はい!?
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ヴァレッタ
そんなに端っこにいたら落ちちゃうよ。もっとこっちにおいで?
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デュース
えっあ…いや!でも!えっ…あ、っ
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ヴァレッタ
ふふっ…来て?デュースちゃん…
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デュース
〜〜〜っ!しっ、失礼します!!
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ヴァレッタ
っ!…きゅ、急に近いね…
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デュース
ええっ!?ぁっ…すみません!!先輩が来いって言ってんのに寄らないのは失礼だと思って…っ
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デュース
はっ離れます!!
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ヴァレッタ
いいよ…嫌じゃないから
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デュース
え
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ヴァレッタ
このまま向かい合って眠ってもいい?
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デュース
……………
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ヴァレッタ
…なんてね。壁側向くから大丈夫だよ。…おやすみ
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デュース
……………
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一睡も出来てない。
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───
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エース
ヴァレッタ先輩っ!もっと寄っていいすか?
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ヴァレッタ
………
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エース
あれ?もう寝ちゃった?イタズラしちゃおっかな〜
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ヴァレッタ
………
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エース
なーんて
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ヴァレッタ
…しないの?イタズラ
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エース
うっわ、先輩ノリ良!…そういうノリの良さは危険っすよ〜
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ヴァレッタ
………
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エース
………えっと〜…この状況で目を合わせてくるの結構やばいんですけど…
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ヴァレッタ
………
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エース
っ………、
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ヴァレッタ
……君がしないなら私がしようかな…イタズラ
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エース
オクタヴィネルの先輩方に殺されるんで勘弁してくださいっ!!
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ヴァレッタ
ふっ、大人しく寝な
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エース
…はい。させん
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大人しく寝た。
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───
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レオナ
………
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ヴァレッタ
………っ、何?
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レオナ
嫌がってたわりにはこっち向いて寝るんだな
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ヴァレッタ
どっち向こうが私の勝手だろ。嫌ならあんたがそっち向けよ
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レオナ
どっち向こうが俺の勝手だろ?
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ヴァレッタ
チッ…早く寝ろよ。それとも昼寝のし過ぎで寝れないの?
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レオナ
だとしたら?
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ヴァレッタ
バカじゃん
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レオナ
………
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ヴァレッタ
あ、手ぇ出した!王子さまが女の子に暴力振るいました!
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レオナ
これのどこが暴力だって?むしろ愛でてるだろ
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ヴァレッタ
愛でる?ほっぺ抓る事が?嫌がらせ以外の何ものでもないだろ。離せ
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レオナ
うるせぇな…
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ヴァレッタ
ん…、唇に指を押し当てるな!噛みちぎるぞ!
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レオナ
やれるもんならやってみな
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ヴァレッタ
(ガブッ!)
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レオナ
痛っ!お前!本当にやる奴があるか!
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ヴァレッタ
チッ…ちぎれなかったか…
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レオナ
いい度胸だな…一国の王子を傷物にした責任どう取ってくれるのか楽しみだ
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ヴァレッタ
傷なら最初からついてんじゃん
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レオナ
っ!触るな
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ヴァレッタ
なんで?
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レオナ
よく俺の顔に触ろうと思うな…ガルル
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ヴァレッタ
先に触ったのはあんただろ
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レオナ
本当にいい度胸してやがるな…
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ヴァレッタ
おやすみ〜
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レオナ
オイ…
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ヴァレッタ
何?寝かせてくれないの?乱暴な事したらおじたんが虐めたって泣きながらチェカくんに電話してやる
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レオナ
…チッ!さっさと寝ろ
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ヴァレッタ
おやすみおじたん♡
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レオナ
…クッソ
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翌日チェカくんに電話はした。
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───
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イデア
ぁ…あ、あああの、ヴァレッタ氏…ちち近くない?
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ヴァレッタ
ん?
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イデア
そもそもなんか…う薄着だし…っ
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ヴァレッタ
本当は何も着たくない。服にまだ慣れなくて…
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イデア
えっえ、え?え…
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ヴァレッタ
…脱がせてくれる?イデア先輩…
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イデア
っはああ!?ちょっ、なっ、え!?なな何言ってんの!?!?
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ヴァレッタ
ふは!冗談だよ。そういう事がしたくてダブルベッドにしたのかと思ったけど単純に間違えたらしいな
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イデア
………
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ヴァレッタ
ホタルイカ先輩に出来る訳ないしな。ははっ!じゃあおやすみ
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イデア
っ………、
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ヴァレッタ
………えっ、…な、何…?
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イデア
僕のこと……ナメすぎでは?
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ヴァレッタ
え?
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イデア
そこまで言われて何もしないとか…男が廃りますわ
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ヴァレッタ
…怒ってる?
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イデア
…怒らせたのは…君
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ヴァレッタ
………ごめんね?
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イデア
今さら謝ってももう遅いから…
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ヴァレッタ
…手、震えてる
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イデア
っ
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ヴァレッタ
寒いの?
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イデア
は…?
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ヴァレッタ
温めてあげる
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イデア
えっ
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ヴァレッタ
手繋ぐのいや?
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イデア
いや、い、嫌とか以前にそんな…こんな…っ
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ヴァレッタ
まだ怒ってる?
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イデア
えっえ?
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ヴァレッタ
怒ってなかったら…手、握り返して?
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イデア
………っ、………
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ヴァレッタ
……あ、…ふふ、許してくれたんだ
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ヴァレッタ
からかってごめん。ナメてた事も謝るよ
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イデア
いや本当にナメてたの?
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ヴァレッタ
まぁ…いや、と言うか…イデア先輩なら大丈夫っていう、信頼?
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イデア
つまりナメてるんでしょ…
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ヴァレッタ
安心感があるって事だよ。一緒にいると落ち着くし
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イデア
勝手に落ち着かれても困るんですが。こっちは落ち着くどころかこの後一睡も出来ない可能性すらあって…
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ヴァレッタ
抱き着いて寝ていい?
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イデア
はあ!?
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ヴァレッタ
からかったり変な事したりしないからさ…
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イデア
何故自分がされるとは思わない!?
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ヴァレッタ
陸ではいつもアズールと寝てるんだ…ギューってしないとよく寝付けない…
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イデア
そんな事知りませんが!っというかやっぱりからかってるよね!?絶対試してるよね!?
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ヴァレッタ
イデア先輩の事、信頼してる
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イデア
良心に訴えかけてくるやつー!タチ悪いっすわ…
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ヴァレッタ
………
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イデア
え…ええええ…寝たよこの人……
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イデア
なんで拙者がこんな目に……ほんと最悪……最悪?いや本当に最悪か?女の子に抱き着かれながらベッドで寝るなんてこんな状況もう二度とないんじゃ…っ
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イデア
っ……、………抱き締めるくらい…いいよね?抱き着いてきてる訳だし…
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ぎゅ…、
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イデア
……………
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イデア
………いや何やってんだろ…はぁ………
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結局一睡も出来なかった。
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