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ヴァレッタ
ーそれでけーくんに呼ばれて軽音部に遊びに行ったら部室に虫が出て、ラッコちゃんの様子見に来てたウミヘビくんがギャーギャー騒いで〜
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シルバー
(ウトウト…)
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───
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シルバー
(っは!しまった、寝ていた)
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ヴァレッタ
そしたらアズちゃんが怒っちゃって大変だったの。フロイドの奴は全然反省しねぇし。まぁアズちゃんは怒ってても可愛いんだが、ふふ。機嫌直すためにジェイドと一緒に唐揚げ作ってたら〜
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シルバー
(だいぶ寝ていた気がするが…まだ喋ってるのか)…っふ、
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ヴァレッタ
え?何?笑えるとこあった?
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シルバー
いや、…よく喋るなと思っただけだ
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ヴァレッタ
うるせぇ黙れって言ってんの?
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シルバー
違う。明るく賑やかなのはいい事だ
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ヴァレッタ
ジェイドには根暗で陰険だとよく言われるが
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シルバー
何…?
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ヴァレッタ
え、何で怒るの?
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シルバー
否定的な言葉は避けるべきだ。気持ちのいいものじゃない
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ヴァレッタ
ジェイドはムカつく事しか言わんぞ
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シルバー
そうなのか…?…そうか。お前たちの間にはそれを許せる信頼関係があるんだな
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ヴァレッタ
許してないが
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シルバー
ところで、相槌もまともにしなかったが…俺に話をしていて楽しいのか?
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ヴァレッタ
話したいから話すだけ。聞いててほしいけど寝てても気にしない
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シルバー
聞いててほしい…とは思っているんだな、すまない。今後はちゃんと…
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ヴァレッタ
いいよ別に。特に意味のねぇ話だし
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シルバー
…正直、ヴァレッタの声が…なんと言うか…心地が良くて眠気を誘われる
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ヴァレッタ
それって…貶して…はいないよな。君は…
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シルバー
ああ、褒めている
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ヴァレッタ
へぇ…声が素敵ってこと?
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シルバー
そうだ
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ヴァレッタ
ふーん…
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シルバー
俺はお前の声が好きだ。ずっと聞いていたい
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ヴァレッタ
…ふは!プロポーズみたいだな!
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シルバー
プロポーズ…?
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ヴァレッタ
誰彼構わず言うなよ、勘違いされるぞ
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シルバー
お前にしか思わない事だ。だからお前以外には言わない
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ヴァレッタ
………
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シルバー
…どうした?
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ヴァレッタ
なんか照れる
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シルバー
…すまない
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ヴァレッタ
謝る事じゃない
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ヴァレッタ
へへっ…ありがと!
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ヴァレッタ
思う存分聞いていいぞ!何ならおやすみボイス録ってやろうか!
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シルバー
いや…それなら目覚めのボイスの方が助かる
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ヴァレッタ
でも私の声は眠たくなるんじゃないの?
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シルバー
話声はそうだが…何度かお前に起こされた事があるだろう
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ヴァレッタ
ああ、その辺で寝てる時な
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シルバー
力強く起きろと言われると起きられる。…と思う
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ヴァレッタ
分かった。起きろって言えばいいんだな
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シルバー
ああ、頼む
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───
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ヴァレッタ
よし、はい録音したよ
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シルバー
ありがとう
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シルバー
…いつどこで眠ってしまうか分からない。定期的に鳴るように設定する事はできないだろうか
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ヴァレッタ
起きてる時に鳴るのうざくね?
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シルバー
うざくない
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ヴァレッタ
あ、そ…。…ん、設定したよ
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シルバー
助かる…これで起きられればいいんだが…
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ヴァレッタ
試してダメならそん時考えようぜ
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シルバー
ああ…そうしよう
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─────
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ジェイド
………?(ヴァレッタの声…?)
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シルバー、起きろ。起きろってば!
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シルバー
………
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シルバー!早く起きろ!
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ジェイド
?………??
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ジェイド
一体これは…どういう状況なんでしょうか…
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シルバー
………っは!
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シルバー、起きろ。起きろってば!
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シルバー
起きられた…っ!ヴァレッタ…ありがとう
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ジェイド
………
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シルバー
っ!ジェイド…?いつからそこに…
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ジェイド
どういう状況ですか?
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シルバー
何がだ?
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ジェイド
何故シルバーさんのスマホからヴァレッタの声が?通話ではありませんよね?
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シルバー
ああ、録音だ
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ジェイド
どういう状況ですか?
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シルバー
状況…?眠ってしまったからヴァレッタの声に起こしてもらった…という状況だ
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ジェイド
それは見れば分かります。何故そんな状況になり得たのかという意味です
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シルバー
何故怒っているんだ…
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シルバー
ヴァレッタの声が好きだと言ったら録音してくれたんだ。思う存分聞けと
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ジェイド
…なるほど。分かりません
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シルバー
ヴァレッタに礼を言っておいてくれ。…いや、自分で言うべきか。ヴァレッタの連絡先を教えて欲しい
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ジェイド
連絡先は知らないんですね。何とも不思議な関係です
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ジェイド
すみませんが許可なく個人情報を教える事は出来ません
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シルバー
それもそうだな。次に会った時に聞くことにする
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ジェイド
………
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シルバー!起きろ!鍛錬の時間だ!
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シルバー
そうか、分かった
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起きろ!
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シルバー
起きている
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ジェイド
(会話をしている…奇妙な光景ですね)
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シルバー
鍛錬の時間だとヴァレッタが教えてくれた
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ジェイド
そのようですね
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シルバー
俺に何か用があったのだろうか
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ジェイド
いえ、ヴァレッタの声が聞こえたので様子を見に。…見ても理解出来ませんでしたが
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シルバー
そうか。なら俺はもう行く
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ジェイド
ええ、ではまた
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ジェイド
………
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─────
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ヴァレッタ
───あ?…また訳の分からねぇ事を…
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ジェイド
分からなくないです。声を録音させてください。断りませんよね?
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ヴァレッタ
いや訳分かんねぇっつーの
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ジェイド
おはようとおやすみをお願いします
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ヴァレッタ
やだ
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ジェイド
何故ですか!!!
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ヴァレッタ
声でっか
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ヴァレッタ
何で録音なんてするの?
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ジェイド
あなたの声が聞きたいからという理由以外にありますか?
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ヴァレッタ
知らん
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ジェイド
嫌なんですか
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ヴァレッタ
やだ
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ジェイド
ではその嫌な事をやってあげた理由を教えてください
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ヴァレッタ
え?何の話?
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ジェイド
…シルバーさんはあなたの声で起きているようですが?
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ヴァレッタ
シルバー?……ああ、そうか。え?起きてたのか?
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ジェイド
ええ
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ヴァレッタ
ははっ!起きられたのか!良かった!
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ジェイド
……………
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ヴァレッタ
あ?なにガンつけてんだコラ
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ジェイド
僕にも録音させてください
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ヴァレッタ
何で?
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ジェイド
理由は先程言った通りです
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ヴァレッタ
僕の声が聞きたい…?
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ジェイド
はい
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ヴァレッタ
起きろって?
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ジェイド
はい
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ヴァレッタ
おやすみって?
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ジェイド
はい
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ヴァレッタ
………いや電話じゃダメなの?
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ジェイド
………え?
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ヴァレッタ
え?
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ジェイド
いいんですか?
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ヴァレッタ
え…
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ジェイド
毎朝、毎晩、電話をしていいんですか?
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ヴァレッタ
別にいいけど…
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ジェイド
それを早く言ってくださいよ!!!
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ヴァレッタ
声でっか。うっさ
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ジェイド
では電話します。今日から、毎日
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ヴァレッタ
え…でも今日は寮に泊まるぜ
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ジェイド
泊まるのはアズールの部屋でしょう
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ヴァレッタ
…だから?
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ジェイド
だから電話します
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ヴァレッタ
すぐ近くにいるのに?
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ジェイド
はい
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ヴァレッタ
何でだ…
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ジェイド
ふふ、楽しみです
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ヴァレッタ
ええー…まぁ、お前が楽しそうなら良いけど……訳は分からんな……
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その後、毎朝、毎晩の電話がだるいので録音した方が良かったかも知れないと思ったヴァレッタくんだった。が、すぐに慣れて日課になった。
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