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ジェイド
見てください。綺麗な花束でしょう?
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ヴァレッタ
ん?ん
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ジェイド
受け取ってください
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ヴァレッタ
素手で触ったら手がかぶれる花か?いらねぇ
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ジェイド
まさか!香り高い無害な花々ですよ。あなたのために採ってきたんです
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ヴァレッタ
信用出来ん。いらん
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ジェイド
………
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────
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ジェイド
テラリウムにしましたのでどうぞ
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ヴァレッタ
…時限爆弾だろ。いらねぇ
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ジェイド
違いますよ。手間をかけて作ったのに爆発させるわけないでしょう?
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ヴァレッタ
お前ならやりかねん。いらん
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ジェイド
あの……僕の誠意です。あなたに喜んでもらいたいというのは本心です
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ヴァレッタ
…僕はお前を信頼している。他人を貶め薄ら笑う事に全力を注ぐという一点においてはな
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ジェイド
…あなたにとって僕は…赤の他人ですか?
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ヴァレッタ
他人じゃなかったら何なんだ
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ジェイド
他人ではない何かです
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ヴァレッタ
んー?
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ジェイド
僕はあなたを何の関係もない赤の他人だなんて思っていません
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ヴァレッタ
じゃあなに?
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ジェイド
なにと言われると困りますが…
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ヴァレッタ
君はアズールじゃない
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ジェイド
…はい、僕はジェイドです
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ヴァレッタ
だからまず家族じゃないだろ。友達…でもないし恋人でもない
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ジェイド
………、
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ジェイド
アズールとも…血縁関係はありませんよね
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ヴァレッタ
血縁関係だけが全てじゃない。…アズールも僕を家族だと言ってくれた
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ジェイド
…では僕とも家族になりましょう
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ヴァレッタ
えー?そう簡単になれるものじゃねーし…
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ジェイド
どうすればなれますか?
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ヴァレッタ
どうって……つか何でこんな話に?爆弾か否かの話だったよな
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ジェイド
否でその話は終わりです
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ヴァレッタ
あ…そう…
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ジェイド
思い付きました
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ヴァレッタ
よからぬ事を思い付くな
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ジェイド
まだ何も言っていないでしょう
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ヴァレッタ
なに?
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ジェイド
あなたがリーチになればいい。ヴァレッタ・リーチです。いい名前ですね
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ヴァレッタ
ん〜?
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ジェイド
これで僕らは家族です
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ヴァレッタ
んー…いや、勝手に決めないでくれる?
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ヴァレッタ
家族って…家族がいない僕には分からないからなれないよ
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ジェイド
…アズールは家族なんでしょう?
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ヴァレッタ
勉強中なの
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ヴァレッタ
家族に愛されて、僕を家族と思ってくれているアズールを見てどういうものか勉強してる
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ジェイド
現時点でどういうものだと考えていますか?
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ヴァレッタ
なんか面接始まった?
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ヴァレッタ
まだ分からないよ…。…ただ、アズールは優しくて…アズールの家族は親切で、僕は…それがとても嬉しい。同じだけのものを返したいと思ってる
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ジェイド
なるほど…
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ジェイド
僕もあなたが大切ですよ
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ヴァレッタ
薄っぺらいなぁ
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ジェイド
心から大切に思っています
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ジェイド
…あなたが好きですから
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ヴァレッタ
ふーん…
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ジェイド
そうでなければあなたを喜ばせようなんて考えません
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ジェイド
僕の好きな物を好きになってほしいとも、心を込めたプレゼントを受け取ってほしいとも思わない
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ヴァレッタ
…………、
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ヴァレッタ
テラリウム…だっけ?君の好きな…それ、
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ジェイド
はい。今度一緒に作りませんか?手はかかりますが楽しいですよ
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ヴァレッタ
………うん
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ジェイド
楽しみにしています
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ヴァレッタ
………
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ジェイド
…おや、受け取ってくれるんですか?
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ヴァレッタ
…爆発しそうな物は見えないから…
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ジェイド
だからしませんって
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ヴァレッタ
僕の為に作ったの?
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ジェイド
はい。喜んでもらいたくて
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ヴァレッタ
……………海の中に持って行っても大丈夫なんだろうな
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ジェイド
はいっ!
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ヴァレッタ
………ありがとう
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ジェイド
…ふふっ、どういたしまして
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