オールキャラ
翌日、高千穂家に泊まった者達は、朝から騒々しかった。真緒、沙那、加奈の三人が客人をもてなす為に朝食作りに精を出していた。
真緒と沙那の作る料理はとても美味しい。加奈はどちらかというと主の教育係なので、家庭的なことは得意ではないが、男がこれだけ揃っていたら加奈も手伝わざるを得ない。
なんとか三人で仕上げて、みんなで朝食を済ませて昨日予定していた通りの配置に着く。
真緒は急ごしらえで作った札をそれぞれのチームに一枚ずつ渡す。
各々決められた場所に向かい、タイミングを合わせて札に霊力を込める。一瞬でもカミとの世界が重なったタイミングを見逃さず、各チームはカミの世界へと迷い込んだ。
北、高千穂チーム。唯一の血縁者である真緒と、珠洲の使い魔である沙那と加奈は神経を集中させて珠洲の霊力を意識する。
すると、ほんのわずかに珠洲の霊力を感じ、その気配を辿ろうとすると、何者かの邪魔が入り糸のような細い霊力の跡が切れてしまった。
「気取られた……!?」
真緒は驚きで目を見開く。このように糸を霧散されたのでは、珠洲を攫ったカミが干渉してきた可能性が高い。
「真緒様、これは……!」
加奈が真緒を見上げ、苦悶の表情を浮かべた。
「真緒様、これ以上は危険が伴います」
沙那の言葉の通り、相手のカミに知られてしまった以上、あまり長くカミの世界にいると元に戻れなくなる。
真緒達は泣く泣く元の世界へと戻った。
時を同じくして、南、東、西チームも同様にカミから干渉され、辿る術を失ってしまう。
***
「人間達がそなたを追ってきたようだ」
その言葉に珠洲は横たわっていた身体を起こし、風のカミ隼人に駆け寄った。
「それは本当ですか!?」
「ああ。だが心配するな、そなたの気配を辿れぬよう、私が決してやった」
「そんな……! みんな私のことを迎えにきてくれたんです!」
珠洲は隼人の腕に縋りつき、返してくださいとくり返す。
「珠洲、そなたは人間にしておくには惜しい。玉依姫としてカミでもあるそなたから人間の部分を抜いてしまおうか」
恐ろしいことを言われた珠洲はとっさに距離を取る。そんなことをされたら、もうあの人達と一緒にいられなくなる。それだけは嫌だった。
珠洲は手に霊力を込めて目眩しの強い光を放ち、その場から急いで駆け出した。
必死に気配を消し、珠洲は全力で走って逃げる。
助けに来てくれた仲間の霊力をつぶさに探すと、四方から伸びた糸のような霊力を感じたが、どれも途中で切られてしまっている。
隼人に邪魔さえされなければ、ここから逃げることができたかもしれないのに。
カミと人間の世界は常に隣り合っている。隼人に拐われてしまってから、彼の霊域から出られなくなってしまった珠洲はどうにかしてこの霊域から出ようとかと考える。
「ここにいたのか、珠洲」
後ろを振り返れば隼人がおり、油断していた珠洲は簡単に捕まってしまった。
「私のそばから離れるな」
「でも、私は……!」
「……分かっている、そなたが本当は現世に戻りたいと願っていることを。だが、私にはそなたしかいないのだ」
その言葉を聞いて、珠洲ははっとする。もう少しで妖に堕ちそうになっていた隼人は、珠洲がいなければ完全に妖になっていただろう。祀られることさえなくなったカミに行く場所はない。人々に忘れ去られて堕ちていく。
珠洲はどうしたらこのカミの寂しさを埋めることができるのか考えていると、ふわりと抱きしめられた。
「そなたがいてくれたら私は何もいらぬ。珠洲よ、どうか受け入れておくれ」
珠洲は何も答えられなかった。
真緒と沙那の作る料理はとても美味しい。加奈はどちらかというと主の教育係なので、家庭的なことは得意ではないが、男がこれだけ揃っていたら加奈も手伝わざるを得ない。
なんとか三人で仕上げて、みんなで朝食を済ませて昨日予定していた通りの配置に着く。
真緒は急ごしらえで作った札をそれぞれのチームに一枚ずつ渡す。
各々決められた場所に向かい、タイミングを合わせて札に霊力を込める。一瞬でもカミとの世界が重なったタイミングを見逃さず、各チームはカミの世界へと迷い込んだ。
北、高千穂チーム。唯一の血縁者である真緒と、珠洲の使い魔である沙那と加奈は神経を集中させて珠洲の霊力を意識する。
すると、ほんのわずかに珠洲の霊力を感じ、その気配を辿ろうとすると、何者かの邪魔が入り糸のような細い霊力の跡が切れてしまった。
「気取られた……!?」
真緒は驚きで目を見開く。このように糸を霧散されたのでは、珠洲を攫ったカミが干渉してきた可能性が高い。
「真緒様、これは……!」
加奈が真緒を見上げ、苦悶の表情を浮かべた。
「真緒様、これ以上は危険が伴います」
沙那の言葉の通り、相手のカミに知られてしまった以上、あまり長くカミの世界にいると元に戻れなくなる。
真緒達は泣く泣く元の世界へと戻った。
時を同じくして、南、東、西チームも同様にカミから干渉され、辿る術を失ってしまう。
***
「人間達がそなたを追ってきたようだ」
その言葉に珠洲は横たわっていた身体を起こし、風のカミ隼人に駆け寄った。
「それは本当ですか!?」
「ああ。だが心配するな、そなたの気配を辿れぬよう、私が決してやった」
「そんな……! みんな私のことを迎えにきてくれたんです!」
珠洲は隼人の腕に縋りつき、返してくださいとくり返す。
「珠洲、そなたは人間にしておくには惜しい。玉依姫としてカミでもあるそなたから人間の部分を抜いてしまおうか」
恐ろしいことを言われた珠洲はとっさに距離を取る。そんなことをされたら、もうあの人達と一緒にいられなくなる。それだけは嫌だった。
珠洲は手に霊力を込めて目眩しの強い光を放ち、その場から急いで駆け出した。
必死に気配を消し、珠洲は全力で走って逃げる。
助けに来てくれた仲間の霊力をつぶさに探すと、四方から伸びた糸のような霊力を感じたが、どれも途中で切られてしまっている。
隼人に邪魔さえされなければ、ここから逃げることができたかもしれないのに。
カミと人間の世界は常に隣り合っている。隼人に拐われてしまってから、彼の霊域から出られなくなってしまった珠洲はどうにかしてこの霊域から出ようとかと考える。
「ここにいたのか、珠洲」
後ろを振り返れば隼人がおり、油断していた珠洲は簡単に捕まってしまった。
「私のそばから離れるな」
「でも、私は……!」
「……分かっている、そなたが本当は現世に戻りたいと願っていることを。だが、私にはそなたしかいないのだ」
その言葉を聞いて、珠洲ははっとする。もう少しで妖に堕ちそうになっていた隼人は、珠洲がいなければ完全に妖になっていただろう。祀られることさえなくなったカミに行く場所はない。人々に忘れ去られて堕ちていく。
珠洲はどうしたらこのカミの寂しさを埋めることができるのか考えていると、ふわりと抱きしめられた。
「そなたがいてくれたら私は何もいらぬ。珠洲よ、どうか受け入れておくれ」
珠洲は何も答えられなかった。
2/2ページ