ミ・ω・ミ
🐾
2020/01/16 23:40小話
さてさて思わぬお預けを食らってしまった管理人ですが、とは言えいつまでも腐っていても仕方ないので。
先日この呟きに上げた【ジャッジアイズのお題『ときめき10の瞬間』内『気丈なあの子が涙するとき』の『続き
結局東さんの言葉の真意は訊けないまま、東さんに送られて私はアパートの前まで帰ってきていた。
「話聞いてくれてありがと。お陰ですごく気持ちが楽になった」
「それは何より。じゃあまたな」
「うん、おやすみなさい」
今まで遠慮してくれていたんだろう煙草を内ポケットから取り出しながら、東さんは踵を返して歩き出す。
それをなんとなく見送っていると、その足がふと止まった。
どうかしたのかと思う間もなく、ち、と舌打ちすると同時に振り返った東さんは取り出した煙草をポケットにねじ込みながら大股で戻って来て――
「東さ…っ、」
その勢いのままに、私を強く抱きしめた。
「やっぱまだ遅くねえよ。すぐじゃなくていい、けど俺のこと好きんなれ、――…」
抱きしめられ耳もとで狂おしげに名前を呼ばれた時、自分の中に恋を失った苦しさをかき消す勢いで東さんへの愛しさがわき上がってくるのを感じた。
…うん、分かった
だから私はそう答え、その背中にそっと腕を回したのだった。
』】の続き(長い(笑))が書けたので載せておきます。よろしければどうぞ(*´꒳`*)
#ジャッジアイズ
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私たちはそのまましばらく抱き合っていた。
変な意味なんてまだ全然なかったけど、東さんも離してくれなかったし私もなんとなく離れがたい気がして。
でもいつまでもこのままでいられないから、私は東さんのスーツの背中を引っ張って訊いた。
「お茶、飲んでいきますか?」
東さんは少し考えてから答える。
「抑えられる自信全然ねえから、今日はやめとく」
その言葉に少し驚いて顔を上げようとしたけど、東さんはそんな私の頭に手を回すと強い力で自分の胸に縫い止めた。
言葉と行動がマッチしていない気がして、東さん?ともう一度スーツの背中を引く。
すると東さんはひとつ息を吐き出してから腕を緩めた。
なんとなく顔を見るのがためらわれたけど、けどまあ…っていう声に誘われるように見上げた私の目の前には身を屈めた東さんの顔があった。
ちゅ、と軽く触れあう唇。
キスされた、と気付いた時には私の体はすっかり解放されていた。
「とりあえず予約だけしとく。――じゃあな、今度こそおやすみ」
そのまま背を向け片手を上げて歩き出す東さん。
私は驚いていた。
思っていたより遙かに大きな、私に向けられた東さんの気持ちに。
同時に申し訳なくも思う。
ずっとどんな気持ちで私の恋の相談にのってくれていたんだろう。
けれどそんなことを考えつつも…今は自分の中に生まれた愛しさを抱きしめて、ただその背中を見送った。
先日この呟きに上げた【ジャッジアイズのお題『ときめき10の瞬間』内『気丈なあの子が涙するとき』の『続き
結局東さんの言葉の真意は訊けないまま、東さんに送られて私はアパートの前まで帰ってきていた。
「話聞いてくれてありがと。お陰ですごく気持ちが楽になった」
「それは何より。じゃあまたな」
「うん、おやすみなさい」
今まで遠慮してくれていたんだろう煙草を内ポケットから取り出しながら、東さんは踵を返して歩き出す。
それをなんとなく見送っていると、その足がふと止まった。
どうかしたのかと思う間もなく、ち、と舌打ちすると同時に振り返った東さんは取り出した煙草をポケットにねじ込みながら大股で戻って来て――
「東さ…っ、」
その勢いのままに、私を強く抱きしめた。
「やっぱまだ遅くねえよ。すぐじゃなくていい、けど俺のこと好きんなれ、――…」
抱きしめられ耳もとで狂おしげに名前を呼ばれた時、自分の中に恋を失った苦しさをかき消す勢いで東さんへの愛しさがわき上がってくるのを感じた。
…うん、分かった
だから私はそう答え、その背中にそっと腕を回したのだった。
#ジャッジアイズ
読む
私たちはそのまましばらく抱き合っていた。
変な意味なんてまだ全然なかったけど、東さんも離してくれなかったし私もなんとなく離れがたい気がして。
でもいつまでもこのままでいられないから、私は東さんのスーツの背中を引っ張って訊いた。
「お茶、飲んでいきますか?」
東さんは少し考えてから答える。
「抑えられる自信全然ねえから、今日はやめとく」
その言葉に少し驚いて顔を上げようとしたけど、東さんはそんな私の頭に手を回すと強い力で自分の胸に縫い止めた。
言葉と行動がマッチしていない気がして、東さん?ともう一度スーツの背中を引く。
すると東さんはひとつ息を吐き出してから腕を緩めた。
なんとなく顔を見るのがためらわれたけど、けどまあ…っていう声に誘われるように見上げた私の目の前には身を屈めた東さんの顔があった。
ちゅ、と軽く触れあう唇。
キスされた、と気付いた時には私の体はすっかり解放されていた。
「とりあえず予約だけしとく。――じゃあな、今度こそおやすみ」
そのまま背を向け片手を上げて歩き出す東さん。
私は驚いていた。
思っていたより遙かに大きな、私に向けられた東さんの気持ちに。
同時に申し訳なくも思う。
ずっとどんな気持ちで私の恋の相談にのってくれていたんだろう。
けれどそんなことを考えつつも…今は自分の中に生まれた愛しさを抱きしめて、ただその背中を見送った。
コメント
- 月夜 (非ログイン)2020/01/19 19:28
良かったです。
次は私の大好きな黒岩班が読みたいです。
[ 返信する ]- もも2020/01/20 19:38
ありがとうございます(*´˘`*)
黒岩班は…ものすごく期待しないで待ってくださるとうれしいです|ω・`)[ 返信する ] - 月夜 (非ログイン)2020/01/21 12:42
ももさんの趣味に好きなイベントでいいですよ。
例えばトランプとか。[ 返信する ] - もも (非ログイン)2020/01/21 12:45
間違えてすいません(>_<)
ももさんの好きなイベントで良いですよ。
例えばポーカーで遊ぶとか。
夢主がどう受け止めるかですね。[ 返信する ] このコメントは削除されました。
- もも2020/01/21 13:09
ありがとうございます。
でもちょっとお話が思い浮かばないので、また時間がある時にでも少し考えてみますね。[ 返信する ]
- もも2020/01/20 19:38