それすらも愛しくて
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「や、大吾さ…っ」
「じっとしてろ、脱がしてやるから」
脱衣所に入るなり服に手をかけられ焦る可那子。
しかし恥ずかしいのも確かだったがそれ以上に今日は大吾に甘えてしまいたいという気持ちもあり、可那子はそれ以上抵抗せずに身を任せた。
スカートが落ち、シャツを脱がされ、後ろに回された手にホックを外されてブラを取り去られる。
可那子に残されたのは、ショーツのみだった。
明るい場所でこんな風に見られるのは初めてで、大吾の視線を受けた肌が燃えるように熱くなっていく。
「もう、だめ…!」
消え入りそうな声で呟き身を屈めようとした可那子を、
「悪い、俺の方がもう限界だ」
苦しげに言った大吾が強く抱きしめた。
「可那子…っ」
狂おしげに呟く大吾の体を抱きしめ返し、可那子もその耳もとで囁くように言葉を紡ぐ。
「私も、欲しい…です、大吾さん…」
「――…っ!」
それを受けた大吾はその腕に一度力を込めた後性急に可那子のショーツを脱がし、自身を取り出した。
可那子の首もとに顔を埋めながら可那子の片脚を持ち上げそこにひと息にそれを埋め込むと、壁に体を押し付け下から強く突き上げる。
「ああぁ…っ!」
時折ふくらみに噛みつくように顔を埋めると、その頭を抱きしめながら可那子は声を上げた。
「あ、ああ、大吾さ、…んっ、や、も…う、…っ!!」
きゅう、と大吾を締めつけながら、びくんと可那子の体が震えた。
可那子がイくのに合わせて動きを止め自身を抜いて服を脱ぎ捨てた大吾は、崩れそうになる可那子の体を抱き上げた。
そのまま浴室に入ると、可那子を後ろから抱きかかえるように湯船に浸かる。
丁度良く沸いたお湯の温かさに色々なものがほぐれていくような感覚を覚え、可那子はほっと息を吐いた。
しかし直後腰のあたりに触れる硬いものに気付くと、それを察した大吾の手がするりと可那子の胸を滑る。
そのまま可那子の体を抱き寄せるように持ち上げると、屹立の先端をそこに宛がった。
「あ…っ、ああ…っ!!」
再び熱の塊が可那子の奥深くを穿ち、可那子の体はふるりと震えた。
「…っ、ふ、あ…、んん…っ!」
「可那子…声、我慢するな」
「でも…っ、響く、から…やっ、恥ずかしい、です…っ」
肩甲骨を唇でなぞっていた大吾は声を抑えるために口もとを覆っていた可那子の手を掴むと同時に、下から更に強く突き上げた。
「ああんっ!っや、だ…っ大吾さ、あ、ん…っあぁ…っ!」
派手に跳ねる水の音と喘ぎ声だけが浴室に響く。
勢いのままに大吾は、もう一度可那子が達するのに合わせて自らも白濁を吐き出した。
***
のんびりとはかけ離れた入浴を終え、ふたりはソファで体の火照りを冷ましていた。
「悪い、また無理させたな」
大吾が申し訳なさそうに言うと、可那子は首を横に振る。
「私も望んだこと、ですから」
可那子の言葉で大吾は可那子の涙を思い出した。
『私を抱く大吾さんは、私を抱いてくれていない…』
「今まで俺のわがままにばかり付き合わせて、本当に悪かった…」
その言葉に何か返そうとする可那子を抱き寄せ、大吾は続ける。
「なあ可那子、お前のわがままももっと聞かせてくれ…」
『私を見て…!心まで、私の全部を抱いてください…!』
本当に苦しかったとは言えものすごいわがままを言ってしまったと思っていた可那子にとって、その言葉は意外なものだった。
しかし、それでも赦されるのなら…と可那子はぽつりとそれを口にした。
「今日はもう…電話に出ないでください」
そんなことでいいのかと思いながら、大吾はテーブルの上の携帯に手を伸ばす。
しかし電源を切りながらふと訊ねた。
「休む暇なくなるが、大丈夫か?」
訊かれた直後は不思議そうな表情を浮かべた可那子だったが、その後その意味に気付いた可那子は恥ずかしそうに頷きながら大吾の胸にぽすんと顔を埋めた。
たまらなくかわいくて、たまらなく愛しい。
もっと欲しい、もっと求められたい。
同じ過ちは二度と繰り返さないと誓いながら大吾は、上向かせた可那子の唇に優しい口づけを落とした。
ふたりの夜は、始まったばかり。
(16,12,30)
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