呼び慣れた名前
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「スーツ、しわになっちゃう…」
「問題ない、気にするな」
交わした言葉はそれだけだった。
ベッドになだれ込んだ私たちは、もどかしげに服を脱がし合いながら体を重ねた。
「っん、あ、あぁ…っ!」
愛撫もそこそこに、大吾は私の中に入ってくる。
ずっと求めていたそれは、私の中を余すことなく満たしてくれた。
一応ゴムは用意した。
でも大吾が気にしないのなら、私自身はできれば使いたくなかったからそれは構わなかった。
「ああァ…っ!!」
最奥をがつんと突かれ、体が跳ねる。
「だめ、大吾…っ!」
激しく抜き挿しされこのままだとすぐイってしまうと感じた私は、大吾の腕に縋るように懇願した。
けれど大吾は動きを止めないまま耳もとに囁く。
「…イけよ、何度でも」
「や…っ、あ、ああぁ――っ!!」
結局あっけなくイかされてしまった私は、大丈夫かと問いながら柔らかく頬をなでてくる大吾に抱きついた。
そのまま抱き起こされ、対面座位の格好になる。
唾液がこぼれ落ちるまでお互いの唇を貪り、激しい突き上げに合わせて体を仰け反らせれば、胸の先端をついばまれまた声を上げた。
主導権を握られっぱなしなのは悔しいから、胸もとに口づけて小さな痕をつけてから私はその体を押し倒す。
逞しい胸板に手をつき、私の中の大吾を自分のいい場所に擦り付けるように腰を振った。
「…っ、」
大吾の快感に歪む、切なげな表情にぞくぞくする。
縋るように二の腕をなでてくる手の熱さもたまらなかった。
でも私は欲張りで、だからもっと気持ちよくなりたかったし、大吾にももっと私を感じて欲しかった。
「もっと感じて、もっと大吾を感じさせて…!」
言いながら私は更に強く大吾自身を締めつけ、奥へ呑み込むように腰を動かした。
「っ、可那子…っ!」
「あっ、大吾…っや、だいご、あ、あぁ…っ!!」
大きな手で腰を掴んだ大吾が、私の動きに合わせて下から強く突き上げてくる。
「あっ、あっ、…っや、大吾、…あぁっ、あっ、もう、イっちゃう…!」
「っ俺も、」
「や、あぁ、だいご、や、ああぁ…っ!!」
どくりと吐き出される大吾の精を受け止めながら、私も一緒にイった。
びくびくと痙攣する私の中で、それでも大吾の熱は収まらない。
それからも私は何度もイかされ、最後はバックから獣のように激しく求められて、私たちはまた同時に果てた。
体の奥に大吾の吐き出した熱を感じながら、気付けば腕一本動かすのもだるいほどに疲れきった体はそのままベッドに崩れ落ちる。
「お前、最高…」
後ろから覆い被さった大吾が、耳もとで気怠げな息とともに言葉を吐いた。
けれどその後、だが…と呟きながら私を転がし、仰向けにして組み敷く。
「大吾?」
「俺と同じ名前の男と、付き合ってたのか?」
「…?」
言葉の意味が分からなくてただ顔を見上げていると、大吾がぽつりと言う。
「名前、呼び慣れてるなと思ってな」
「…大吾もね、っていう突っ込みはおいとくとして」
なるほど、と思いながら私は手を伸ばして彼の頬に触れ、その理由を答えた。
「ずっと呼んでたから。…ひとりで」
するとその意味をすぐに理解したらしい大吾は、ははっと笑う。
そして私を抱きしめながら、小さく呟いた。
「…俺と一緒か」
(16,7,13)
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