③
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その夜もふたりは体を重ねていた。
抱き合い唇を重ね、ベッドへと沈むふたり。
しかし体を滑る大吾の唇も指先もいつもより熱い気がして、可那子はふるりと体を震わせた。
「ふ、あ…っ」
その熱い指先で胸の先端を弾かれ、可那子の唇からは甘い息がこぼれ落ちた。
大きな手で包み込まれゆっくりと愛撫されるだけで、全身に甘い痺れが走る。
「あぁ…っ!」
直後、湿った感触とともに新たな快感が可那子を襲った。
しかし大吾は指先を埋めたまま動きを止め、可那子の耳もとにそっと囁く。
「いつもより…濡れているな」
その瞬間真っ赤になった可那子は、
「や、です…!なんでそんなこと…っ」
怒ったように言うと大吾の体を押し、その腕から逃げ出そうとする。
しかし腰に回された大吾の腕がそれを許さず、その体を自分の方に抱き寄せながら大吾はもうひと言囁いた。
「大丈夫だ。…お前だけじゃない」
「っ、大吾、さ…、あ、やぁ…っ!」
言葉と共に太ももに当たる硬くて熱いもの。
可那子の体から逃げ出そうとする力が緩むと同時に、大吾は可那子の中の指を更に奥まで埋め込んだ。
可那子のいい場所を知っている指先は、的確にそこを刺激する。
いつもより高揚している自分を、大吾に言われなくても可那子も分かっていた。
望んで悩んで、あの日以来ようやく大吾と本当に繋がることができる。
もちろん今までのセックスに不満があるわけじゃない。
いつでも自分を包み込み愛してくれる大吾を、可那子も心から愛している。
ただ、そんな日々の中であの日の大吾をもう一度だけでいいから感じたいと思ってしまった。
そして身勝手な自分のわがままだと思っていたその想いを、大吾は同じ想いで受け止めてくれた。
それが――…すごく嬉しかった。
「大吾、さん…」
切なげにその名を呼んだ可那子が自分の腰を抱く大吾の腕にそっと触れると、大吾は可那子に口づけを落としながらその体を開いた。
そして熱を持った屹立をその中心にゆっくりと埋めていく。
「…っ、は、ぁ…!」
明らかにいつもより質量の多いそれは可那子の中を押し開くように進み、その圧迫感に可那子は苦しげに息を漏らした。
いつもよりきつく感じられる締めつけに、大吾もまたわずかに眉をしかめ腰を押し進める。
「あの日より…、ずっと熱い…」
根元まで自身を埋め、大吾は可那子をぎゅうと抱きしめた。
「、…はい、大吾さん、も…っ、あ、あぁっ!!」
可那子もその広い背中に腕を回しそれに応えた時、可那子の中でじっとしているのに耐えかねたように大吾が軽く腰を引き、また奥へと押し込んだ。
「…平気、か?」
心配そうに大吾が訊くと、可那子はかすかに笑顔を作って見せる。
「、はい…、もっと大吾さんを、感じさせて…、ください…」
その表情と言葉は、決して大吾を安心させるためだけに発せられたものではなかった。
切なげに眉根を寄せた可那子が感じていたのは、苦しいほどの――快感だったのだから。
大吾は緩急をつけながら抽挿を繰り返した。
ゆっくりと動けば耳を塞ぎたくなるようないやらしい水音が響き、その中で時折抉るように強く突けば、肌のぶつかる音がそれをかき消した。
「あ…っ、や、大吾さ…私っ、ん、あぁ…っ私、もう…っ!」
やがて、可那子の声に焦りのようなものが含まれる。
その声の響きと表情に大吾は満足げに笑み、動きを速めた。
「あ、いや…っ、あ、ああぁ――…っ!」
直後その体をびくんと跳ねさせながら、可那子は達した。
しかしまだイってない大吾の動きは当然止まるはずもなく、可那子の中を蹂躙し続ける。
「やだ、大吾さ、大吾さん…っ!」
イったばかりの体に与えられる強い刺激に翻弄され、可那子は縋るように手を差し伸べる。
しかしそれより少し早く、大吾は可那子の膝の裏を持ち上げ更に激しく最奥を突き捏ねた。
「ああ!は、…っ、や、あぁ…っん、ああぁ…っ!」
声を上げる可那子の中が、大吾をきゅうきゅうと締めつける。
直接感じる生身の可那子に射精感を煽られ、可那子がもう一度達するのに合わせて大吾は、遮るもののないそこに自らの欲を迸らせた――。
大吾はそのまま、自身を抜くことなく激しく胸を上下させる可那子の体を優しく抱きしめた。
「ずっと…こうしてくっついていられるの、って…、いいですね…」
自分の中で脈打つ大吾を感じながら、可那子が嬉しそうに言う。
そうだな、とやわらかな笑みを浮かべ短く答えた大吾は、
「もう少し…お前を感じさせてくれ」
そう耳元に囁くと、達してなお力を失わないままだったペニスをぐっと奥へ突き入れ、そのまま抽挿を再開した。
「いや、待…っ大吾さ、ああ!っ、もう少し…、ゆっく、り…っ」
可那子が戸惑うほどの激しい動きに合わせ、先ほど吐き出した白濁が掻き出される。
止まらない水音は、更にいやらしく鼓膜を犯した。
2度イかされた体はあっという間に昂められ、可那子は何度も絶頂へ追いやられる。
「や、だめ大吾さん、もう、や、あぁ、も、う…っ!だいごさん、だいご、さん…っ!」
「っ、可那子…っ!」
小さく声を漏らした大吾が二度目の精を吐き出すと同時に、何度目かわからない絶頂を迎えた可那子はそのまま意識を手放した。
自身を抜くと、ぐったりと投げ出された可那子の体がびくりと反応を示す。
気を失っても自分を感じてくれることが嬉しく、軽く後始末をした大吾は愛おしそうに可那子の体を抱きしめ、心地良い眠りに落ちていった。
***
ピピピピ…と、ベッド脇のサイドテーブルで小さくアラーム音が鳴る。
毎朝8時を、薬を飲む時間と決めていた。
しかし、アラーム音は聞こえているのに、昨晩の情事のせいで体がきしんでうまく動かない。
「ん…、」
声を漏らしながら腕をのばそうとすると、もぞりと身動ぎした大吾が可那子の体に覆いかぶさるように腕を伸ばした。
「ほら可那子、口」
そしてアラームを止め、小さな粒を可那子の口に放り込む。
体が起こせないほど激しく抱いた翌日は、こうして大吾が協力してくれた。
しかし口移しで水を飲ませると、大抵大吾はそれだけじゃ済まなくなってしまう。
薬を飲み水を飲み干しても、その唇を食み舌で口内を弄ぶ。
ただその続きをとなると――…泣き出しそうな可那子の表情によって、その大部分が未遂に終わるのだった。