雨と虚
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雨が降っていた。
土砂降りの雨だった。
目の前には、胸に孔を持つ者――…
無我夢中だった。
気付いた時目の前にいたのは、喉が張り裂けるほどに叫んでも応えてくれない、父さんと母さん。
決して裕福な暮らしじゃなかったけど、本物の家族以上に幸せだった。
私をとても大切にしてくれた。
本当に大好きだった。
生まれ変わってもまた家族になりたいと笑いながら話したのは、最近のことではなかったか。
なのに何故…殺されなければならないの…?
ふたりの血を洗い流すように、私の涙を薄めていくように、この土砂降りの雨が私の存在そのものも押し流し消し去ってくれればいいのに…!
「いやあああ――っ!!」
私の叫び声は虚しく響き、空の闇に呑み込まれていった…。
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