好きなのに、好きだから
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「大丈夫ですか?」
「…ん」
可那子の息が整うまで待ってから訊き、その答えに安心したように笑った仁は可那子の隣に横になった。
しかしその体を抱き寄せようとすると、可那子がどこか拗ねたような表情で仁を見ているのに気付く。
「可那子さん?」
どうかしましたかと訊く前に、可那子は顔を隠すように額をコツンと仁の胸にぶつけた。
「なんか…、仁の方が大人で…ちょっと、悔しい…」
それを聞き一瞬目を見開いた仁は、
「…俺、経験あるって言いましたっけ?」
言いながら、可那子の髪をなでる。
「…え?」
今度は可那子が驚く番だった。
仁の顔を見ると、仁は照れくさそうに目をそらしぼそぼそと言う。
「俺だって男ですし、俺たちくらいの年は知識だけは豊富なんです」
しかしその後、でも、と可那子の顔を覗き込み
「可那子さんが可愛かったので…俺、頑張れました」
そう言って柔らかく笑う。
「――…っ」
直後耳まで真っ赤になった可那子は、恥ずかしそうに仁の胸に顔を埋めた――。
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