鍵
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一八が満足するまで抱かれ続けた可那子は、もう腕一本動かすことができなかった。
「この部屋はお前にくれてやる。このフロアのものも好きに使え」
疲れなど一切見せず、身支度を整えながら一八が言う。
「お前が逃げ出さない限りK社のことは保証してやる。お前の仕事は俺の相手だけだ。楽な仕事だろう?」
そう言って口角を上げた一八は、返事もできない可那子を一瞥し部屋を出て行った。
止まらない涙のせいで霞む視界の向こうで、ゆっくりと扉が閉まる。
一八がこのフロアのものを自由に使えと言った以上、鍵はかけられてはいないはずだった。
しかし可那子の耳に届いたその扉の閉まる音は――
もう逃げ出すことはかなわない…重い重い鍵のかかる音、だった――…。
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