ヤキモチ
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翌朝一八の腕の中で目覚めた可那子は、ゆっくりと首を巡らせた。
「起きたのか」
「あ、おはようございます一八さん…今何時です、…っ」
頭の上からの声に答えながら体を起こした可那子だったが、全身のだるさに思わず顔をしかめた。
気疲れのせいももちろんあるだろうけれど、直接の原因はやはり昨晩のことにあると可那子は思う。
しかしそれはそれ、今は三島本家に招かれている身なのだからと気を取り直し、時計に手を伸ばす。
「――っ!!」
外がずいぶん明るいとは思っていたが、まさかの昼近い時刻に可那子は驚き言葉を失った。
一八は早い時間から目覚めたいたのだが、可那子が疲れているのが分かっていたため起こすことはしなかった。
しかし可那子は寝坊してしまったことに焦り、身支度を整えようと慌てて動き出す。
「おい、少し落ち着け」
その可那子の腕を一八が掴んだ。
「原因は分かってるんだ、誰も文句は言わん」
「どういう、意味ですか…」
一八の言葉に、考えたくない事実が可那子の頭をよぎる。
「お前も本当は分かってるんだろう、昨晩のあれが聞こえてなかったとでも思っているのか」
「―――…っ」
やっぱりという思いで、可那子はがっくりとうなだれた。
「私、どんな顔をして皆さんにお会いすればいいんですか…」
すると一八は可那子の顎を持ち上げ、確かめるように言う。
「その様子じゃ気付いてなかったようだな、仁たちのことは」
「え?…、仁くんたちも、…ってこと、ですか…?」
状況が状況だけに、可那子はその意味をすぐに理解し、頬を染めた。
「まったく、年始からお盛んなことだ」
「……」
しかしどこか呆れがちな一八の口調に、可那子がじっとその顔を見つめる。
「なんだ」
全く気にしていない様子の一八に小さくため息をつき、可那子は呟いた。
「人のことは、言えないと思います…」
→おまけ。