ヤキモチ
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昼に始まった新年会は夕方になっても延々続き、酒豪揃いのこの一族は思い思いに酒を楽しんでいた。
忙しくお酌をして回っていた可那子は、席を外す仁とそれを見送るつぐみに気付いた。
一八と仁という少し難しい親子の手前、お互いどこか遠慮していた部分もあったのだが、
「一杯、いかがですか?」
可那子がそう声をかけたのをきっかけに二人はすぐに打ち解け、お互いの恋人についての話で盛り上がった。
わがままでヤキモチやき、だけどとても優しくて…夜が強い。
話しながら二人は、一八と仁を盗み見てはくすくすと笑い合った。
「余計なことは話してないだろうな」
後になって一八に訊かれた時も、
「やっぱり一八さんと仁くんは親子、なんですね」
可那子はそう答えて、楽しそうに笑うのだった。
その後、李に勧められて可那子とつぐみは風呂に入ることにした。
風呂と言ってもまるで温泉のような三島家の露天風呂に、二人は気持ちよさそうに浸かっていたのだが。
「「きゃああぁぁっ!!」」
そこへこの家の風呂は混浴だと叫びながら褌一枚の平八が乱入してきたものだから、二人は悲鳴を上げた。
それを聞いて駆けつけた一八と仁が、見事なタッグで平八を叩きのめし浴室から追い出す。
「油断も隙もないエロジジイめ」
「まったくだ」
怒り心頭で言う一八に仁も同意した時だった。
「仁もね」
「一八さんもですよ」
名前を呼ばれると同時に背中をぐいと押され、
「「他の女性の裸は見ちゃダメ!」です!」
見事なハーモニーに、二人も浴室を追い出されてしまう。
一八はG社を裏から支配し、仁は三島財閥頭首の座に就いている。
しかし、表であれ裏であれ大企業のトップに立ち数多の部下を従えるような人間であっても、最愛の恋人たちにかかれば形無し、なのだった。