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デビルは欲望に忠実だった。
欲望にとても忠実に、可那子の中のデビルは一八に与えられた快楽を繰り返し求めた。
それは性欲。
与えられた絶頂、恍惚の幸福感。
快楽を与えてくれるなら一八でなくてもよかったのかもしれない。
しかし可那子の中のデビルは殊の外、一八の体を好んだ。
モルモットのように扱われる実験と、デビルを押さえ込むための訓練と、性欲を満たすためのセックス。
それらを繰り返す日々の中、今のところ意識は可那子のものだった。
しかし精神の深いところに棲みつくデビルの影響を、少なからず受けていることもまた確かだった。
可那子に絶頂というものを教えてから、一八はしばらく可那子の部屋には行かなかった。
二人の抱き合う場所が一八の部屋に変わったのは、それからだった。
常に監視されている可那子の動きは手に取るように分かる。
一八は深夜自分の部屋に向かってくる可那子の動きに口角を上げる。
可那子の訓練のため日々デビル化を繰り返し疲れていないはずのない一八だったが、その笑みはいつになく満足げだった。
鍛錬し、強くなる。
武闘家としてみるなら、充実した日々だったのかもしれない。
求め合い、抱き合う。
ひとりの人間としてみるなら、幸せな日々だったのかもしれない。
そこに愛情というものが欠けていたとしても。
仁を殺すためなどという物騒な目的さえなければ、あるいは。
しかしその目的を一日として忘れることのなかった可那子には、それは到底気付くことのできない幸せであり充足感だった。
そうした日々の中飛び込んできた報告。
それは鍛錬を重ねながら可那子が待ちわびた報告だった。
「仁の居場所が分かった」
告げられた言葉に体が震えた。
今すぐにそこへ飛んで行きたいと強く思った。
そう思わせる感情の源がなんなのかということなど、考えることもなく。
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