⑨
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「負けたのね、あたし…仁にも、デビルの力にも…」
ベッドに身を起こした可那子が、一八の方を見ないままぽつりと呟いた。
「思い出したのか」
可那子が気を失っている時間は、そう長くはなかった。
ソファでブランデーを傾けていた一八が問い返す。
うん、と頷きながら可那子は膝を抱きそこに額をつけた。
「あたし、自分の中のデビルを押さえられなかった…」
苦しそうに呟き、ふと顔を上げる。
「ここにいるってことは、一八が…助けてくれたんでしょう?」
「……」
一八は答えなかった。
答えない代わりに立ち上がり、グラスをテーブルに置いてベッドへと歩み寄る。
仁と闘った時までの記憶を取り戻した可那子が…記憶を失っている間―仁を愛し、仁と愛し合った日々―の記憶を失ったことを理解しながら。
「ねえ一八、抱いてくれない?」
再び膝に顔を埋めた可那子が言うと、
「お前も俺を満足させてくれるんだろうな」
言いながら一八がその顔を上げさせる。
「あは、思い出すね。最初にイかされた時のこと」
可那子は小さく笑い、頬に添えられたままの一八の手に触れ指を絡めた。
「うん、今は何も考えたくないから…抱いて一八、わけが分かんなくなるくらい」
一八は口角を上げた。
「――いいだろう。簡単に音を上げてくれるなよ」
そう言うとベッドに腰かけ、もう片方の手で可那子を抱き寄せる。
口づけ、舌を絡めながらその体を押し倒した。
強く抱き合い、舌を絡め、唇を貪る。
静かな部屋に荒い息遣いと唾液の混ざる音だけが響いた。
そして一八が裸のままだった可那子の胸を掴んだ時、可那子はその手を握った。
「ね、一八…お願い、もう、来て…?」
まだるっこしい愛撫など必要なかった。
めちゃくちゃに乱れてしまいたかった。
全てを忘れてしまいたかった。
一八は何も言わず、羽織っていたガウンを脱ぎ捨てた。
可那子の脚を開き、屹立を突き立てる。
いやらしい音を立てて、それは可那子の中に呑み込まれていった。
「ああぁ…っ!!」
可那子は声を上げびくびくと体を震わせた。
間髪いれずに律動する一八にあっという間に昂められていく。
「あぁ、あ…一八、かず、やぁ…っ!あぁ!――…っ!!」
きつく締めつけ、一八を煽りながら達する可那子。
体位を変え突き込む強さ深さを変えながら、一八はそのたび可那子を追い上げていく。
「もっと…!ねぇ一八、もっと…深くちょう、だい…!」
座位の状態で一八に抱きつき可那子が懇願する。
一八は可那子を押し倒し膝の裏を持ち上げた。
「ああぁあ…っ!!」
強く腰を打ち付け最奥をがつがつと突き抉ると、可那子はびくんびくんと体を痙攣させ、何度目か分からない絶頂を迎えていた。
ぐったりと力の抜けた可那子を見てさすがに限界だろうと感じた一八は、可那子の中から自身を抜きその隣に体を横たえた。
しかし可那子はふらつく体を起こし、なおも一八の上に乗りかかる。
「おい、」
見かねた一八が無茶をするなと言いかけた時だった。
可那子の体がどさりと一八の胸に落ちた。
頭を持ち上げ様子を窺うと、一八の胸の上で可那子は既に眠りに落ちていた。
一八は小さくため息を吐く。
そして可那子の体を抱きしめると、一八もまた静かにその瞳を閉じた。
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