⑥
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
仁の腕の中から抜け出した可那子が、ベッドから出ようとする。
「きゃ」
「だめだ。まだ離さない」
それを仁が捕まえ、もがく可那子を抱き寄せる。
「でも、仁…」
言いかけると同時に、可那子のお腹が小さく啼いた。
「――っ!」
途端に真っ赤になる可那子と、一瞬目を見開いた後柔らかな笑みを浮かべる仁。
「はは、そうだったな」
仁は可那子を解放し、
「可那子が作ってくれた飯、食べないとな」
そう言って自分も体を起こした。
「先に行ってあっため直しとくね」
身繕いをした後可那子はどこか照れくさそうにそう言って、部屋を出て行った。
幸せだ、と仁は思った。
今日からはもう、可那子に自分の寝室を使わせる気はなかった。
しかし上がりかけた口端はすぐに引き締められた。
眉間にしわが寄る。
直後、哀しげに、仁は小さく――…笑った。
3/3ページ