⑤
夢小説設定
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「やっと見つけた…仁…!」
一八の協力のもとようやく見つけた仁と、可那子は対峙していた。
「可那子…」
眉間にしわを寄せ、どこか苦しげに可那子を見る仁。
しかし可那子がここに現れたことに驚くことはなく、むしろそれが必然であるかのように纏う空気は落ち着いていた。
「あたし、強くなったよ…」
しかし闘気のオーラが可那子を包み込むと、仁は息を呑んだ。
「仁、あんたを殺すために…!」
言葉とともに地を蹴る可那子。
「――っ!!」
向かって来る可那子の姿にもっとも憎む男の姿が重なり、仁は眉間のしわを深くする。
可那子が一八のもとにいたのは分かっていた。
三島財閥の情報網もG社に劣ることはない。
しかし超極秘裡に進められていたデビル化実験までは、掴むことができていなかった。
何か、秘策が…?
可那子の攻撃を避け受け流しながら、その動きに警戒する。
以前とは格段に違う力で仁を追い込んでいく可那子。
しかしそこでようやく反撃を開始した仁のパワーに、難なく押し返されてしまう。
「…っ」
可那子は一旦間合いを取った。
「ふう、やっぱこのままじゃ勝てない、か」
額の汗を拭う。
「可那子…何を…」
呟いて小さく笑った可那子に、仁が訝しげに問いかける。
「あのね、あたしの血ってなんか他の人とは違うんだって。ってまあこれは結果として分かったことなんだけど、要は何が言いたいかって言うと…」
「…!まさか、可那子…!?」
何かに気付いた仁が叫び、それと同時に可那子がゆっくりと変化し始める。
背中に4枚の羽を生やし、真紅の瞳、鋭い牙、2本の角と薄い紫の肌を持つ…それに。
「馬鹿な…何てことを…!!」
可那子が一八に近付いた理由を知り、仁は愕然とした。
信じたくはないが信じざるを得ない、目の前の事実。
デビルと化した可那子の口がゆっくりと笑みの形に変わる。
『仁…』
そこから発せられる、ざらつく声。
ゆらりと揺れる薄紫の体。
『もう、待ったなし…だ、よ?』
「ぐ…っ!!」
刹那、腹部に受けた衝撃によって仁の体が吹き飛んだ。
可那子の変化に驚愕しながらも、それでも決して油断していたわけではない。
しかしデビル化したことで恐ろしいほどに増大した可那子のパワーとスピードは、仁を圧倒した。
防御をやすやすと破り、仁の体をおもちゃのように弄ぶ。
『もう…おしまい?』
ぼろぼろになった仁を地面に叩きつけて踏みつけ、可那子はつまらなさそうに問う。
「…っ」
仁はぎり、と歯噛みし拳を握り締めた。
『!』
瞬間、可那子は仁から距離を取る。
同時に膨れ上がる、禍々しい力。
仁もまた、その姿をデビルへと変えていた。
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