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「仁!!」
三島財閥ビルの最上階に位置する、財閥頭首の執務室。
その部屋の主の名を呼びながら可那子は、行く手を阻む重厚な扉を勢いよく開け放った。
「やはり来たわね」
しかしそこに仁の姿はなく、代わりに答えたのは仁の実働上のパートナー、ニーナだった。
「仁はどこ!?」
「本丸跡にいるわ」
隠しだてせずに答えたニーナはしかし、
「どうやって行くつもり?」
踵を返そうとした可那子の腕を掴む。
「おじいちゃんに、ヘリを…」
「それしかないわよね。でもダメ。三島平八に仁の居場所をみすみす教えるわけにはいかない」
確かに、三島財閥本丸跡へ行くにはヘリで行くのが手っ取り早い。
しかしニーナはそれを許さなかった。
「でもあたし、どうしても仁に…!」
「分かってるわ、仁に言われてる。あなたが来たいと言ったらあなただけは連れて来ていいって」
そう言ってニーナはため息をついた。
瞬間それとは対照的に、今にも泣き出しそうだった可那子の表情がぱっと明るくなる。
「まったく…仁は本当に可那子にだけは甘いんだから」
困ったように笑うニーナ。
「ありがと、ニーナ…!」
その笑みの意味など考えることもなく言葉の通りに受け取った可那子は、歩き出したニーナの後をほっとした表情で追いかけた。
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