2月1日
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それを思い出したのは、白哉様の腕の中で目覚めた朝。
「申し訳ありません…」
「…可那子?」
起き抜けの第一声で謝られた白哉様は不思議そうに私を見た。
「昨日は白哉様のお誕生日だったというのに大切なことも言わず…」
言いながら自己嫌悪に陥ってしまった私は、
「結局私…何しに来たのでしょう…」
なんだか恥ずかしくて顔を隠す。
すると白哉様は
「そんなことは分かりきっているではないか」
と私を抱き寄せた。
「私に逢いに来たのであろう?」
「…!」
耳もとで囁かれ、今度は別の意味で恥ずかしくて、ますます顔を上げられない。
けれど
「私は、そなたが私の誕生日は2月1日だと言うならそれでも良いのだぞ?」
白哉様がとんでもないことを口にするから、私は驚いて白哉様を見る。
「私はそなたがいてくれれば他には何も望まぬ」
私の自己嫌悪など吹き飛ばしてくれる言葉に、涙が溢れた。
けれど私も、白哉様に気持ちを伝えたくて。
「私も…私も、望むのは白哉様だけ…!」
白哉様を見上げそう言うと同時に、私の体は白哉様に抱きしめられていた。
「可那子…これからもずっと、傍にいてくれるな…?」
白哉様の問いかけに私はその体に腕を回しながら、はい、と小さく答えた。
2月1日は午前中だけ非番の白哉様と、1日非番の私。
六番隊詰所へと出勤する白哉様と、四番隊隊舎へ帰る私。
「来年からは、来客は受け付けぬ」
朽木家からの道中白哉様が突然子供のようなことを言い出し、
「そんな、駄目ですよっ」
「……」
焦って窘める私の言葉に難しい顔をして黙り込む。
時折顔を出すわがままな白哉様。
このギャップもたまらなく愛おしくて、自然と顔がほころんでしまうのを抑えられなかった。
すると、
「では、そなたも一緒に客を迎えてくれ」
真剣な顔で言う。
「え…」
「二度は言わぬ…考えておいてくれ」
問い返した私に、前を向き直った白哉様はぽつりと言い、少し歩を速めた。
白哉様の隊長羽織が、風にふわりと煽られる。
その羽織の下…斬魄刀の柄の辺りに結ばれたそれが、風に揺られて光を反射し、美しく輝いた――。
(11,1,31)
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